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空中船舶模型4号機・製作風景

<概要>

空中船舶模型の4作目です。
例によってまず結論から。完成状態のチラ見せです。

4号機

かなり小さくて、塗装もしていない機体ですが、これ以降の制限しばりである「紙だけで造る」という目標が明確になって最初に造られたものです。無塗装ではどんな状態なのかを見るためのサンプルでもあり、製法のターニングポイントでもあり、資料的には意外と重要な機体です。

現代でいうところの駆逐艦のような用途の船で、小さな艦体には不釣り合いに大きい主砲と、船尾からの投下式爆雷が主な武装です。

製作期間は2018年 6月頃です。
それでは見ていきましょう。

画像はほぼ撮影時のままで、けっこうサイズが大きいと思います。
クリックすると拡大されます。

■工程1・パーツの作成

本体船腹部分は、治具を支えにして構造材を貼っていく製法です。

本体の作成

前回までは油粘土を使用し、そのつど解体していましたが、今回は繰り返しの使用を想定した固形の治具を作成しました。素材は、木材と石粉粘土の組み合わせです。このサイズだと、これ以降の作の救命ボートなど、サブ機体によく使うだろうとの狙いもあります。

治具にラップ

乾燥した石粉粘土に、木工ボンドが付着しやすいという気付き。
横貼りの材を縦方向に貼るのに対し、その下の構造を横方向に貼るべきなのを忘れていたのもあり、ここは素材を一度破棄して、治具をラップで包んでから再開します。

船腹の横貼り

船腹の横貼りをしていきます。
船腹という曲面に対し、帯状の紙材を隙間なく貼っていくのですが、いくつかパターンがあります。船体尾部の構造や、キールとの関係で変化しますので、一番美しく、かっこよく見えるようにします。

船腹の内側

横板を貼り終わり、治具から外したところです。
今回は特に内部構造はありませんので、このまま進めます。

甲板

甲板を取り付けます。

主砲塔

主砲塔を造ります。
一次大戦時の戦車砲ぐらいのサイズのイメージです。

艦橋

艦橋部分を造ります。
機関の煙突と共用構造の、小さな艦橋です。

構造物仮置き

砲、艦橋、エンジンを仮に置いてみます。

手すり

手すりを造ります。
他の船模型製作者の方々も、この「手すり」に苦心されているようです。強度と、繊細さという相反する要素を、どのぐらいで「妥協」するかという難関ですが、この頃はまだ気づいておらず、気楽に造っています。

爆雷投下器

船尾の爆雷投下器です。

■工程2・完成

完成

なんと、もう完成です。
作成に夢中で、撮影がお留守になっていました。

斜め後方より
傾き
前方より

あえて塗装をしないことで、素材の紙の状態がわかるかと思います。

■無塗装について


他の紙模型製作者の方で、
「紙模型をプラモデルの展示会に出品している」
という強者がおられるそうです。

前提として、紙模型は精密度の点でどうしてもプラモデルには劣るものですが、この方の紙模型の精度は相当高い、ということがあります。

この方は、はじめの頃は塗装状態で出品されていたそうですが、他のプラモデル出品物にまぎれるとさすがに目立たないとのことで、無塗装で出品するようになったといいます。

無塗装状態ならばひと目で紙だとわかりますので、
「紙でこれか!すごい!」
となるわけです。

このエピソードは、忘れないようにしたいと思います。


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