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あなたは社員を信じますか? (社員エンゲージメントを上げるには)

先週、あの「ティール組織」の著者であるフレデリック・ラルーさんが来日されたようですね。登壇されたイベントも大盛況だったようです。

ティール組織を読まれた方はご存知かと思いますが、そのエッセンスは、

『セルフマネジメント(自主経営)』
『ホールネス(全体性)』
『組織の存在目的』

の3つのキーワードに集約されます。

未読の方は、以下のサイトがうまく要約していますのでご覧ください。

上記の記事にあるように、働く社員が「ありのままの自分をすべてさらけだす」ことが、ティール組織の成り立つ前提条件のひとつになります。

つまりは組織とそこで働く社員、または社員と社員の間で「信頼関係」が成り立っているかどうか。その組織に心理的安全性が無ければ、ありのままの自分をさらけ出すことはできません。

あなたの所属する組織はいかがでしょうか?

つい最近、私はこんな経験をしました。

国のテレワークデイズの掛け声のもと、この夏に我が社でもテレワークの実証が行われましたが、それに対して上司からは「業務開始時と終了時に、メールで開始・終了連絡をするように」と指示が飛んできました。

ああ、僕らは信じられてないんだなと感じました。

朝は必ず会社に来るもの。
会社の外ではサボるに決まっている。

自分の部下は目の見える範囲で見張っておかないと不安を感じるのでしょうね。

特に50歳過ぎた価値観の凝り固まった管理職にとっては、新たな価値観をなかなか受け入れられないように思います。

この春からオフィスがフリーアドレスに変わりましたが、いつも同じ席に座る管理職がいます。部下がどこにいるかわからず困るとブツブツ言ってます。そして毎日朝礼を始めたグループもあります。

何かの記事で読みましたが、自分が若い頃サボっていた人ほど、管理職になってから部下がサボらないよう監視する傾向が強くなるようです。

これらの新しい制度やしくみは、効率を高め生産性を上げることが狙いであり、または社員に働き方の選択肢を増やし多様性に応えようとする試みだと思いますが、その発想についていけない管理職が益々管理志向を強めていくという皮肉な結果になっています。

稲盛和夫さんは、

「俺を騙すのは簡単かもしれない。しかし、騙されても、騙されても俺は社員を信じるしかないんだ」

と仰っていたようです。※『JALの奇跡 - 稲盛和夫の善き思いがもたらしたもの - 』(大田嘉仁 著)より。

人の上に立つ者は、これくらいの気概と覚悟がなければ、真の信頼関係は醸成できないのだと思います。

冷静に考えば、本当にサボってばかりの社員などほんのひと握りだと思います。つまりは一方的な思い込み。そう思い込んでしまうのは、部下と真正面から向き合っていない証拠です。

社員一人ひとりと向き合う覚悟がない限り、少なくともその姿勢が社員に伝わらない限り、信頼関係は醸成されずエンゲージメントなど上がらないのです。

もし、本気でエンゲージメントをあげたいと思っているのであれば、価値観の変えられない幹部の入れ替えが必要でしょう。もはや彼らの凝り固まった価値観は、研修や教育では変えられないと思います。

「信頼するということは、リーダーを好きになることではない。常に同意できることでもない。リーダーの言うことが真意であると確信を持てることである。それは、真摯さという誠に古くさいものに対する確信である。」 (ドラッカー 「未来企業」より)



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