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なぜ私は組織に馴染めないのか…(成人発達理論と「ティール組織」)

昨年、話題になった「ティール組織 -マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現 -」(フレデリック・ラルー)。そのぶ厚さも相まってなかなか手が伸びなかったのですが、今頃になって読み始めました。

このぶ厚い本のまだ第1部を読み進めているに過ぎないものの、この本は、なぜ私自身が、いまの組織に馴染めなくなってしまっているのかを解き明かしてくれる本であると確信しました。

ティール組織」を、いま新たに読もうと思ったきっかけは、以下の本との出会いです。

リーダーシップに出会う瞬間 - 成人発達理論による自己成長のプロセス- 』(有冬 典子)

この本では、リーダーシップを人の成長段階と結びつけて解説されているのですが、その軸となっているのが成人発達理論です。

この成人発達理論に大いに興味を持ち、もっと深く知りたいと該当する本を探していたところ、かの「ティール組織」が発達理論をベースに書かれているとわかり、早速読み始めた次第です。 

発達理論については、様々な切り口からかなり多くの研究者によって研究が進められているようですが、それらに共通するキーワードのひとつが「エゴ」のようです。

つまりは人の弱さや保身です。

ティール組織」でも、以下の記述があり、発達段階をひとつ登るためにも、エゴと自分とを切り離す必要性が述べられています。

   “新しい視点を得るためには、それまで自分が埋没していた環境から自己を切り離さなくてはならない。(中略)私たちが自分自身のエゴから切り離せるようになると、進化型(ティール)への移行が起こる。” (「ティール組織」p74)

つまりは、人としての成熟を求められているのだろうと思います。

リーダーシップに出会う瞬間」でも、5つの発達段階のうち上から2つ目である自己主導段階に至ったリーダーを「コアリーダー」と表しているのに対して、一番下の段階である利己的段階にいるリーダーを「エゴリーダー」と表現されています。

思えば、稲盛和夫を始めとする名経営者と呼ばれる方々は、利己ではなく利他の精神の必要性をよく説かれます。

経営の世界で頂点に上り詰めた方であれば、必ずたどり着く領域なのかもしれません。


ティール組織」では、発達段階を以下のように整理されています。

▼ 受動的(無色)
▼ 神秘的(マゼンタ)
▼ 衝動型(レッド)
▼ 順応型(アンバー)
▼ 達成型(オレンジ)
▼ 多元型(グリーン)
▼ 進化型(ティール)

このうち、「順応型(アンバー)」の解説を読んで、私は順応できない(したくない、されたくない)人間であり、だからこそ、その組織において居心地が悪く、時に疎外感を強く感じるのだなと悟りました。

   “個人レベルでは、順応型(アンバー)パラダイムに従って行動している人々は、秩序の維持と前例踏襲を何よりも重視し、変化には疑いの目が向けられる。” (「ティール組織」 p37)

私自身、成熟した人間なのかと言うとそんなことは全く無いのですが、少なくとも、成熟(成長)したいと強く願い、また組織に求める段階も「多元的(グリーン)」以上であってほしいと渇望しているのは間違いないです。

長年、組織と真正面から向き合い、観察し、時に闘い、その中で自分らしく振舞うにはどうしたら良いのか、そして社員が活き活きと働く職場にするにはどうしたら良いのかと、悶々と考え続けてきた今だからこそ、この「ティール組織」からは多くの気づきと学びが得られそうな感触があります。

じっくりと読み進めてみます。


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