見出し画像

新渡戸稲造の語る日本の正義・武士道とは

武士道と言う日本人の精神性を説明した本がある。

これは5000円札の顔にもなった新渡戸稲造が明治時代に書いた本だがここには江戸時代以前から続く日本人の独特の精神性が描かれている。

そしてこの武士道は社会の秩序を守ることの重要性も教えてくれる。


武士道とは何か?

その昔、新渡戸は外国人にこんな質問をされた。

「宗教教育の無い日本で日本人はどのように道徳的な価値観を身に着けているのか?」と。確かにそれは疑問だ。宗教教育のような教義があればそれに全員が従うから世の中の秩序は守られるだろう。

では無ければどうなるか?

それは無秩序な世界になってしまう。どこで何が起きるかわからない無秩序な世界は混沌としており生きづらい世界だ。だから秩序を守れるような倫理観を育む必要がある。

欧米ではそれが宗教になるわけだけどでは日本では何か?これは大きな疑問だった。だから新渡戸は日本人の独特の精神性を調べてその答えに行き着く。

それこそが「武士道」なのだと。

日本人は武士道精神により社会の秩序を保ち武士道が倫理観として機能していたのだ。

ではその武士道精神とはどのようなモノなのか?

武士道とは武士に伴う義務を意味する。英語で言うとノブレスオブリージュと言い「高貴な身分に伴う義務」と言う意味だ。

要は位の高い身分なんだからそれなりに全体のことを考えて行動しないとダメだよ!というような感じだ。例えば権力がある人がいたとしよう。その人は国の王様で何でも自分の思うようにできてしまう。

その王様が街を歩けば結婚している女性でも気に入れば自分の女にして少しでも気に食わないことがあれば人を切り殺す。そして部下の扱いがひどく好戦的で不必要な戦争をたくさんするような王様がいたとする。しかしそんなことばかりしていれば必ずそこには歪みが生まれる。

王様に異を唱え反乱軍が成立するだろう。

そうなれば内紛が起きてやがて王様も反乱軍に殺されてしまう。


封建制と武士の精神性

つまり位の高い人間が横柄なふるまいをすれば誰もその人には付いてこなくなりやがては孤立し破滅を迎えることになるのだ。そうやって無秩序な世界を生み出してしまうからこそ身分の高いモノにはそれなりの義務が伴うのだ。

そしてそれが日本では武士道ということになる。

江戸時代は幕府が存在しており君主の命令を守る必要があった。しかし君主が横柄だと武士が君主の首をとることになるし武士が横柄になれば君主の命令により殺されてしまう事になる。

だから互いの中で秩序を保つ必要がありそうやって社会全体の調和を図っていたのだ。

その背景にあるのが封建制度だ。

封建制度は御恩と奉公の関係であり土地などの財産を貰えるなら君主のために必死になって働きますよ!と言う契約みたいなものだ。今の労働契約にかなり近いモノがあるだろう。

時間や労力を会社に差し出す代わりに月末に給料を貰うというのはある種の封建制度だ。

これがあったから秩序が生まれ武士も君主も良い状態を保つことが出来た。

さて、そんな武士道だが武士道には大事な精神性が7つほどある。その7つの大事な精神性と言うのがこれだ。

忠・君主に忠義を尽くすこと
義・正義をもって行動すること
礼・秩序を守り従順であること
勇・正義を執行するための勇気を持つこと
智・英知を意味し学びや洞察力を身につける
仁・武士の情けをもって政治を行うこと
信・常に誠実であること・武士に二言はなし

この7つが武士にとって最も大事なモノだったという。まず忠義が最も武士には大事だとされており忠義を尽くすこと自体が武士の名誉だった。その名声のために武士は忠義を貫くという誇りある生き方を選んだのだ。


自己犠牲の果ての秩序

そしてその忠義を貫くためには「義」と言う正義の精神と「礼」という礼儀の精神が必要だと考えられていた。正義を執行し秩序を一番に考える精神性。これこそが武士道でありこの辺りは今の日本人にも通じるところはあると感じる。

そしてその義と礼を貫くために勇・智・仁・信と言う精神性が必要だったのだ。

これが武士道でありこれが古くからくる日本人の精神性だ。

今の時代でも「会社のために働く」ことや「家族のために時間を費やす」と言うことを美徳意識にしている人は多い。これは古くからくる日本の武士道精神が影響しているのではないかと感じる。

武士道とは他人の為に必死になるような精神性だ。

自己犠牲の精神性とも呼べるが誰かが必死になって自己犠牲を払ってくれるから自分たちはその恩恵を受けることが出来るのだ。父や母が必死で働いてくれたから子供時代に学業に専念し育つことが出来るのと同じ。

他のみんなが嫌だと感じながらでもちゃんと仕事しているから会社が成り立って自分も給料を貰えるのだ。

だから自分も子供時代は勉強をしないといけないし仕事もちゃんとしないといけない。そうしないと秩序が崩壊して誰も得しない世界が生まれてしまうからだ。

だからこそ秩序を保つのは自分のためにも大事なことであり自己犠牲とは時に必要な考え方でもあるのだ。もちろんこの辺りは自己犠牲の度合いが議論されるところだが個人主義がベストであるとは言いにくいのも一つの事実だ。

だからこそ武士道精神とは今の時代にも重要な考えを与えてくれているし武士道を学ぶ意味は大きいと思う。

では今回はこれで以上
一つの意見として参考にしてほしい


この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

あなたのスキに感謝します。
4

なっかん

学んだことや気づいた事などをノートにメモ的に残しています。個人の完全な趣味で活用しているだけですが興味があれば是非。
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。