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JAを知らない方向けにJAの組織について

こんにちは。アグリビジネスパートナーの高津佐(こうつさ)です。

長らく更新出来ていませんでした。猛省。

南九州は梅雨明けして、暑い日々が始まりました。これから夏本番というところです。

今回は「JAを知らない方向けにJAの組織について」書いております。

JA(農業協同組合)とは

「JAとは」で検索するとJAグループのホームページが出てきて、このように説明があります。

JAとは、相互扶助の精神のもとに農家の営農と生活を守り高め、よりよい社会を築くことを目的に組織された協同組合です。
この目的のために、JAは営農や生活の指導をするほか、生産資材・生活資材の共同購入や農畜産物の共同販売、貯金の受け入れ、農業生産資金や生活資金の貸し付け、農業生産や生活に必要な共同利用施設の設置、あるいは万一の場合に備える共済等の事業や活動を行っています。

さて、これから詳しく見ていきましょう!

組織形態が協同組合であること

株式会社とは有限会社、一般社団法人とか組織形態がいくつかありますが、JAはその中の「協同組合」という組織形態になります。

協同組合とは・・・

協同組合(きょうどうくみあい)は、共通する目的のために個人あるいは中小企業者等が集まり、組合員となって事業体を設立して共同で所有し、民主的な管理運営を行っていく非営利の相互扶助組織。連帯経済の主要な担い手である。
-Wikipedia

JA(農業協同組合;以下JA)の他には生協(生活協同組合)や漁協(漁業協同組合)などが各地にあります。

株式会社は会社法という法律のもとで運営されていますが、協同組合は事業内容毎に個別の法律が規定されており、JAは「農業協同組合法」に基づき運営されています。
あくまでも組合員のための非営利組織ということで、様々な特典や税制面での優遇措置が規定されています。

JAの組合員と県・全国組織との繋がり

さて、実際の組織はどのようになっているのでしょうか?
JAは【「地域」ー「県段階」ー「全国段階」】と3段階に分かれています。

一番身近なJA

まず、各地にあるJAの場合です。

協同組合ですから、その地域の「農家」さんが組合になって、地域のJA(JA○○○)が組織されます。

県段階のJA

県段階のJAは「連合会」と呼ばれ、県内にある各JAが組合員となって組織されています。

そして、その事業内容毎に3つの県段階の組織があります。

〇〇県経済農業協同組合連合会・・・通称「経済連」 農業に関すること
○○県信用農業協同組合連合会・・・通称「信連」  貯金や貸付に関すること
○○県共済農業協同組合連合会・・・通称『共済連」 保険に関すること

ただし、これらの組織は県単独での事業が難しい都道府県も多く、全国組織と合併吸収されて、県本部として活動しているところも多くあります。
(後述します)

全国段階のJA

さて、県段階まで説明しましたが、その次に各県の連合会が組合員となって組織されているのが全国段階のJAです。

こちらも、その事業内容毎に3つの県段階の組織があります。

全国農業協同組合連合会・・・通称「全農」
全国信用農業協同組合連合会・・・通称「JAバンク」
全国共済農業協同組合連合会・・・通称「JA共済連」

農家さんを同じ株数を持っている株主に例えると分かりやすいかもしれませんね。

同数の株式を農家さんが持って構成しているのが地域のJAで、そのJAが同数の株式を持っているのが県段階の各連合会、そしてその連合会が同数の株式を持っているのが全国組織の全農等になります。

ここで特徴的なのは、「同じ数の株式を持っている」ということです。協同組合ですから、一人一票制が原則なんですね。つまり、組織運営が平等な立場の農家さん達の協議で決まっていくということです。

なくなる県段階の連合会

さて、前述した県段階の各連合会ですが、実はなくなっているところも多くあります。

例えば、保険を取り扱う「共済」ですが、2000年(H12年)に全国の県段階の連合会と全国組織の全国共済農業協同組合連合会が合併して、都道府県段階の連合会は全てなくなりました。
結果、各都道府県は全国共済農業協同組合連合会の県本部になりました。

貯金や貸付を行うJAバンクは、まだ全国組織と都道府県組織とで運営しているようです。

さて、農業に一番関わり合いのある県段階組織の「経済連」ですが、都道府県単独の経済連として残っているのは、

北海道
静岡県
愛知県
熊本県
宮崎県
鹿児島県

の6つだけになっています。それ以外はJA全農の都府県本部として運営しております。
つまり、県段階がなくて、全国→各地のJAという構図ですね。

合併が進むJA・・・そして1県1JAへ

さて、各都道府県にある地域のJAはどのようなっているのでしょうか?
こちらはJA同士の広域合併が進んでいます。市町村合併と同じイメージで考えてもらえると分かりやすいです。

H16年度には887あったJAがH30年度には634にまで減っています。
そして、特筆すべきは全国で1県1JAに向かっている状況があるということです。

JAが合併するのは、単独では収益を維持できず、広域合併して管理費などを抑えていきたいという理由があります。その結果、1県1JAにたどり着く流れになっています。

現在の1県1JA

奈良県(H11年度・全国初)
島根県(H26年度)
山口県(H31年度)
香川県(H25年度)
沖縄県(H14年度)

現在は、上記の5つの県が1県1JAに移行しています。そして、多くの県で1JA構想に向けた話し合いと調整が行われているはずです。

1県1JAに向けて動いていたけど、県内JAの合意形成ができないこともよくあります。その結果、合併できるJAだけで広域合併しましょうと県内のJA数が極端に少なくなっている県でもあります。

上記のリンクをクリックしてもらうと全国のJA数が見れます。

これからのJAグループ

これからのJAグループはどうなっていくのでしょうか。

協同組合の宿命ですが、意思決定がどうしても遅くなることがあります。それでこの変化の早い時代に生き残っていけるのか疑問です。

JA全農を株式会社化する話もありますが、強烈なリーダーシップのもとに選ばれる存在になっていかないとJAの存続も危ういでしょう。

しかし、農業業界の中では、JAが地方のインフラに与える影響と組織力は力強いものがあると感じます。

農家の発展のために、組織体質を変えながら進んでいってもらいたいと思います。

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