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人というフィルターで変わる

ある記事を目にしたとき、正直「やれやれ」と思った。また国がトップから何かをダウンしてきたぞと。

そのあと、FBで関連投稿を読んだ。そこには「保育所保育指針」が転載されていて。なぜか、つい何度も読んでしまった。

とくに「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」というこの部分。​

ア 健康な心と体
保育所の生活の中で、充実感をもって自分のやりたいことに向かって心と体を十分に働かせ、見通しをもって行動し、自ら健康で安全な生活をつくり出すようになる。

イ 自立心
身近な環境に主体的に関わり様々な活動を楽しむ中で、しなければならないことを自覚し、自分の力で行うために考えたり、工夫したりしながら、諦めずにやり遂げることで達成感を味わい、自信をもって行動するようになる。

ウ 協同性
友達と関わる中で、互いの思いや考えなどを共有し、共通の目的の実現に向けて、考えたり、工夫したり、協力したりし、充実感をもってやり遂げるようになる。

エ 道徳性・規範意識の芽生え
友達と様々な体験を重ねる中で、してよいことや悪いことが分かり、自分の行動を振り返ったり、友達の気持ちに共感したりし、相手の立場に立って行動するようになる。また、きまりを守る必要性が分かり、自分の気持ちを調整し、友達と折り合いを付けながら、きまりをつくったり、守ったりするようになる。

オ 社会生活との関わり
家族を大切にしようとする気持ちをもつとともに、地域の身近な人と触れ合う中で、人との様々な関わり方に気付き、相手の気持ちを考えて関わり、自分が役に立つ喜びを感じ、地域に親しみをもつようになる。また、保育所内外の様々な環境に関わる中で、遊びや生活に必要な情報を取り入れ、情報に基づき判断したり、情報を伝え合ったり、活用したりするなど、情報を役立てながら活動するようになるとともに、公共の施設を大切に利用するなどして、社会とのつながりなどを意識するようになる。

カ 思考力の芽生え
身近な事象に積極的に関わる中で、物の性質や仕組みなどを感じ取ったり、気付いたりし、考えたり、予想したり、工夫したりするなど、多様な関わりを楽しむようになる。また、友達の様々な考えに触れる中で、自分と異なる考えがあることに気付き、自ら判断したり、考え直したりするなど、新しい考えを生み出す喜びを味わいながら、自分の考えをよりよいものにするようになる。

キ 自然との関わり・生命尊重
自然に触れて感動する体験を通して、自然の変化などを感じ取り、好奇心や探究心をもって考え言葉などで表現しながら、身近な事象への関心が高まるとともに、自然への愛情や畏敬の念をもつようになる。また、身近な動植物に心を動かされる中で、生命の不思議さや尊さに気付き、身近な動植物への接し方を考え、命あるものとしていたわり、大切にする気持ちをもって関わるようになる。

ク 数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚
遊びや生活の中で、数量や図形、標識や文字などに親しむ体験を重ねたり、標識や文字の役割に気付いたりし、自らの必要感に基づきこれらを活用し、興味や関心、感覚をもつようになる。

ケ 言葉による伝え合い
保育士等や友達と心を通わせる中で、絵本や物語などに親しみながら、豊かな言葉や表現を身に付け、経験したことや考えたことなどを言葉で伝えたり、相手の話を注意して聞いたりし、言葉による伝え合いを楽しむようになる。

コ 豊かな感性と表現
心を動かす出来事などに触れ感性を働かせる中で、様々な素材の特徴や表現の仕方などに気付き、感じたことや考えたことを自分で表現したり、友達同士で表現する過程を楽しんだりし、表現する喜びを味わい、意欲をもつようになる。
※第一章4より転載。「保育所保育指針解説 - 厚生労働省」より解説も読めます。

いいね。自分できてるかな。こうありたい。そう思った。「保育所」を「仕事」や「暮らし」に置き換えて読んでいた。「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿?」いやいやいやいやいや。何歳になっても大事なことばかり。

娘の保育士さんや先生、園長先生のことを思い出した。うちは東京にいた頃は保育園。北海道に来てから幼稚園。行事やイベントや日常のシーン。先生方はこうした指針から汲み取ってプログラムを作ってくれてたのか。

最初に記事を読んだとき、単語だけ拾って「義務教育の前倒し」的印象を受けていた。きれいな言葉はさらっと流れていった。政党マニュフェストのように。

指針作成のリーダーとして汐見稔幸という方が関わっていることを知った。「保育の質」について語っている内容がとても奥深い。

・「没頭」の重要性
・「コーチ」のような存在
・「物語」づくり
・「観察」のあり方
・「共感的」な関わりについて
・肯定的に「面白がる」
・「上手か下手か」について
・「人」と「モノ」との相互作用

参照した記事。

写真や映像も対象の切り取り方・見せ方で作風が変わる。見る側もそこから感じ取れるものが違う。自分の知識や経験で反応するポイントも変わる。

記事も。最初目にしたとき、いくつかの単語から押し付けを感じ拒否反応した。読み直すと好奇心や粘り強さ、協調性という単語が浮き上がって見えるから不思議だ。人というフィルターで変わる。

法律があっても、様々な企業があるように
指針があっても、様々な現場があるだろう

審議会での検討がどうなっていくのかはわからない。ただ、1つの記事から「保育所保育指針」に触れ、くりかえし読んでいるうちに気持ちが洗われた。かつてこどもだった自分。大人になった今、キミはどうですかと聞かれたような気がした。

学習指導要領も改訂の時期らしい。いろいろ知れた。そしてあるシンガーが日本国憲法の前文をうたっていたのを思い出した。 


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