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皮膚の基礎「デカくて、重くて、薄い」

皮膚は最大の臓器

面積は大人で1.6㎡。デカイです。
両乳とヘソを結んだ三角形の約7倍の表面積。大体、畳一畳。

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皮膚は臓器。外の世界と触れるため、水分、体温の調整。微生物や外的な刺激から体を守るための感覚器。つまりセンサー。 

皮膚は臓器。内の世界の鏡。内臓疾患、代謝・遺伝子異常、心因性のものなど。心身の声なき声をあらわしています。

重量は体重の約16%。体内で最も大きい肝臓よりも重いです。なので皮膚は体内最大の臓器といえます。

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まず3つの組織

①表皮、②真皮、③皮下組織
厚さは表皮と真皮で2mmぐらい。表皮だけなら0.2mm。薄いです。

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①表皮

【ガード役】
外からの刺激から皮膚を守ります。神経はありますが、血管はないので出血はしません。5層図

②真皮

【再生役】
お肌のハリや弾力の要です。血管網を通じて、表皮に栄養を送ります。汗から老廃物を出したり、新陳代謝、神経細胞を通じたセンサー的な役割もあります。

③皮下組織

【クッション役】
脂肪が多く、強い衝撃が筋肉や骨に直接伝わらないよう、クッション的な役割を持ちます。また、脂肪は熱伝導率が低いので、外気の影響があっても体温を保つことに一役買っています。

皮膚は、デカくて、重くて、薄いということです。皮膚の仕組みは真皮(しんぴ)的。あれこれお伝えしていきます。


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「表皮、もっと詳しく!」

表皮は5層

①角質層
②淡明層(透明層)
③顆粒層(かりゅう)
④有棘層(ゆうきょく)
⑤基底層

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生まれ変わる表皮

表皮の細胞は90%ケラチノサイト。
基底細胞→有棘細胞→顆粒細胞→角質細胞へと姿かたち、成分、働きを変えていきます。まるでカメレオン細胞。

基底層から徐々に押し上げられ、最後は「ケラチン」という角質細胞となり、やがて角片としてはがれ落ちます。これがいわゆる、アカとかフケのこと。

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新しい細胞が生まれて、剥がれ落ちまるまでの周期は約45日。この周期がターンオーバー(新陳代謝)。以前は約28日と言われていましたが、ま、個人差もあるので1、2カ月でしょう。

①角質層

表皮のもっとも外側。角質細胞がミルフィーユのように何層にもなっています。最後はアカになって剥がれ落ちます。
角質細胞内のNMF(天然保湿因子)のおかげで吸水性、保湿性に富んでます。

「ケラチン」からの、角質細胞の保護機能

・機械的な外力からの対抗
・化学物質や細菌からの防衛
・水やその他物質の体内浸透への防御
・紫外線からの防御


②淡明層(透明層)

指先、手のひら、足の裏など角質の厚いところにだけあります。薄くて透明なので透明層とも呼ばれます。

③顆粒層

顆粒細胞からできています。その細胞の中にはケラトヒリアン顆粒があり、光線を屈折する性質があるため、紫外線から守ってくれます。

④有棘層(ゆうきょく)

表皮の中で最も厚い層です。棘はトゲのことで、細胞の外側がトゲトゲしているのでこう呼ばれます。トゲ同士の連絡網が橋の形に似ているので細胞間橋とも呼ばれます。細胞と細胞の間にはリンパ液が流れていて、細胞へ栄養を送り届けています。

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⑤基底層

表皮の最下層にあり、1層のみです。
細胞分裂を行い、1つはもとの場所にとどまり、もう1つは有棘(ゆうきょく)細胞→顆粒細胞へと形を変えていき、最後に角質細胞となります。


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「真皮、もっと詳しく!」

しくみ

①膠原(こうげん)繊維
②弾性(だんせい)繊維
③基質

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真皮はハリと弾力の源

真皮は水分を多く含み、コラーゲンからなる膠原繊維とエラスチンからなる弾性繊維、これらを埋める基質でできています。

膠原繊維も弾性繊維も、かおの表情や皮膚の伸縮に関わっていて、まさに「お肌のハリと弾力の源」とも言えます。

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①膠原(こうげん)繊維

真皮の大部分(約70%)、主成分はコラーゲン。煮ると膠(にかわ:ゼラチン)が生じるので膠原繊維と名づけられました。伸び縮みというよりは、強度の面で真皮を支えています。年を重ねるにしたがい、硬くなっていきます。

②弾性(だんせい)繊維

主成分はエラスチン。ゴムのような弾力性があり、2倍近くのばしても、ゆるめれば戻ります。皮膚の弾力性の要です。

③基質

グリコサミノグリカンというゼリー状の物質で、水分をたっぷり含んでいます。主成分はヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸などの酸性ムコ多糖類。その他、コラーゲン、アルブミン、グロブリンといったたんぱく質、無機塩類の各種ミネラルも含んでいます。

繊維芽細胞

①~③は繊維芽細胞から作られます。そのため、繊維芽細胞が元気であるかが、肌のハリや弾力に影響します。

真皮はだいたい3層

①乳頭層
②乳頭下層
③網状(もうじょう)層

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①乳頭層

真皮側から基底層に向かって飛び出している層のところ。繊維がまばらで水分をたくさん含んでいるので、皮膚のハリはここのおかげ。毛細血管が通っていて、表皮に栄養補給をしています。

神経もあるので、センサー的にあらゆる情報をここでキャッチしています。ここから表皮へ十分な栄養がいかないと、たるみの原因となります。

③網状(もうじょう)層

真皮でもっとも厚い層。主に膠原繊維と弾性繊維が成分で、皮膚の強さや伸縮の役目があります。

弾性繊維は年を重ねていくと、ちぎれたり、少なくなったりします。これがシワの原因となります。


スキンケアはまずお肌のしくみや自分の肌の状態を知ることからですね。

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