【日記】不可避ヌードル 23/11/04

職場の倉庫(倉庫といってもよくある貸しガレージを5つ借りて「倉庫」と呼んでいるだけだが)のすぐ隣に昔ながらの平屋があり、その一番近くに70代くらいのおばあちゃんが1人で住んでいる。
彼女はかつて喫茶店を営んでいたらしく、僕らが倉庫で作業をしているとコーヒーとお菓子を持ってきたりする。
そのバリエーションは様々で、コーヒーがミックスジュースになることもあれば、お菓子が柿とか梨とかになったりもする。いつもニコニコしており、年齢の割に元気そうなおばあちゃんである。
僕らはそれらをもらう代わりに、現場から出てきた新品のティッシュやら籐椅子やらを渡している。持ちつ持たれつである。
今日は同僚と2人で一日中倉庫で作業をしていた。夕方4時頃になるとおばあちゃんがやってきて、いつものように「今日は2人ね。玄関に置いてあるから持ってきて」と僕に伝える。
僕は言われた通り玄関に取りに行く。
いつも通りのお盆に三ツ矢サイダーと2人分のグラス、そしてなんとお湯の入ったカップヌードルがおやつ枠として2つ置いてあった。
午後4時、30歳と42歳の前に突如として現れたカップヌードル。割とさっき昼ごはんを食べたところの2人の前にカップヌードル。お湯入りの。不可避のカップヌードル。おばあちゃんは我々を高校生か何かだと思っている節がある。
彼女は毎日料理をする。このカップヌードルは我々に渡す為だけにわざわざ購入されているのだ。「これは夜ご飯食えねぇな」と隣の42歳が言う。

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