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「ほんとにあった!呪いのビデオ」:僕

「ほんとにあった!呪いのビデオ」シリーズって知ってます?知ってるよね。わからない?ほら、夏になるとさ、「真夏の恐怖映像ベスト100」みたいな番組やってるじゃん。「おわかりいただけただろうか」って。あれだよ。まぁあれにはそれ以外の映像もオムニバスされてるんだけどさ。

Jホラーの金字塔、「ほんとにあった!呪いのビデオ」(以下「ほん呪」)がなんと20周年を迎えました。僕がシリーズにはまったのは15歳くらいのときだから、今から約10年前。10年間共に成長してきたわけです。
10年も続けていることって、あります?そうそうないでしょ。僕は煙草くらいです。だから体がニコチンを欲しがるのと同じように、定期的に観ないと落ち着かない。それが僕にとっての「ほん呪」です。

・ニッチ

20週年ということで、オールナイト上映会をやったり、ヴィレバンにコラボグッズを出したりと珍しくイベントを連発してた「ほん呪」。
Twitterとかでその反響を見てると、「ええ!ほん呪ファンってこんないたの!?」と驚きました。
このシリーズの面白いところの一つとして、「ファンがどれだけいるのか全く分からない」=「このSNS社会において、まだ招待制のクラブのようなニッチ性を維持してる」ってところがあります。
僕は結構、自分がほん呪ファンであることを他言しているんですけど、「俺も実は好きなんだよ…」って人とは今までほとんど出会ったことないです。ほとんどというか、昔対バンしたことのある一人だけです。あとのファンは、最早ほん呪オフィシャルサポーターと化しているベボベの小出さんしか知らない。
そんな小出さんもラジオで「限定19枚のTシャツが買いたかったけど、朝イチにはどうしても行けず、昼ごろに電話で問い合わせたら17枚残ってた」というエピソードを話してるので、多分彼もどのくらいファンがいるのか正確には掴めてなさそう。
僕も新作を鑑賞する度にTwitterで検索かけてみたりするんですけど、マジで誰もつぶやいてないときとかある。月間のアクティブユーザー数4500万人いんだぞTwitter。なので僕は、マジで人気ないコンテンツなんだという認識でした。と思いきやオールナイト上映会の盛り上がり。よく考えたらゲオとかでも新作は5,6本入荷されてるし、だいたい3本くらいはレンタル中になってる。ほん呪ファンは安易に繋がりを求めたりしない。ほん呪サイドももちろんそんな場は提供しない。(上映会などのイベントはそれだけ稀有なのだ)「#日曜だし邦ロック好きと繋がりたい」みたなタグ付けてる連中はこの姿勢を見習った方がいい。
それともあれだろうか。インターネットが発達する以前の昆虫少年たちは、独自のコミュニティを持っていてそれで情報をやり取りしたらしいが、ほん呪にも同じような閉じたコミュニティがあるのだろうか。あ、ちがうな。
あるとでも言うのだろうか。

・ファンタジー

ホラーって、日常と地続きのファンタジーだと思うんですよ。どのファンタジーよりも、僕らの生活に近い。だからワクワクする。「ああこれマジであるかもしれん」って。
僕のクソくだらない日常にも、もしかしたらこんな不可解な現象が起こるかもしれない。そんなワクワク感を感じさせてくれるんです。ホラーって。

いや、ほん呪に関してはタイトルに「ほんとにあった!」とあるように本当にあったことなんで、「ああマジであるかもしれん」って気持ちはちょっとメタいんですけど。でもほん呪シリーズが一番、そのワクワク感が強い。

話は少し逸れるんですけど、日常に近いからこそ、僕らは「怖い」と感じるんです。だってさ、惑星アスガルドでゴーストが出現したって怖くはないじゃん。違う世界の話だから、違う世界の感覚が実感としてわからない。
「アスガルドでは普通にゴーストとか出るんじゃねぇの?しらんけど」ってなる。
僕らの世界の、それも僕らの実生活に近い環境で(例えば日本で)、不可解な、理解を超えた現象が起きるから「怖い」。「不気味の谷現象」と同じ。
(余談ですが、いがらしみきおの「Sink」を最近読んだんですけど、まさに日常に入り込んだ不可解という感じで、良かったです。)

・まとめ

さて、「ニッチ」と「ファンタジー」の二項に分けてみたんですけど、ほんとにあった!呪いのビデオ」は本当に色んな見方ができるシリーズでして、今回は挙げたのはいわば外殻の話、「ほん呪」と「それを観てる僕ら」の関係性の話。内容については一切触れてません。観てください。あなたがまともな感性の持ち主なら、多分面白くないから。ただ僕は、僕という一人のほん呪ファンがいるということをここに記さずにはいられなかったんです。
書き出すと止まらない(過去の投稿の中では断トツの文量です)のでここらへんで一旦終わりにします。




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