また逢おうと竜馬は言った

「また逢おうと竜馬は言った」

演劇が好きだなーって
キャラメルボックスが好きだなーって話
SP公演の話
まずはちょっと遡って話します


高校生の頃、私の居場所は劇場の客席でした
もうこの話死ぬほどしてるんだけどまだします、何度でもします
学校にも家にも居場所がなかった私が、唯一、許された居場所、そこへ行けば私と舞台の一対一、誰にも邪魔されない、否定されない、いつだって寄り添ってくれる、どこへでも連れて行ってくれる、私の居場所
あの頃の感覚って、絶対忘れないけど、濃度が少しずつ薄くなってしまってるのは確かで
夢見た場所に立った今、私の居場所はどこになったんだろうって、客席なのか、板の上なのか、はたまたそのどちらでもなくなったのか
ふわふわと、うっすらと、居場所を失った感覚
今でも私は演劇を愛していて、それは何がどうなったって絶対変わらなくて、分かってる、それは分かってるんだけど、だけど、なんだか、

私は今、どこにいるんだろうって、

11月3日「また逢おうと竜馬は言った」

ちょっとだけ、観たくなかった
そこに行っていいのか、分からなかった
居場所とか愛とかどうこう、どうでもいいだろって思われるかもしれないけど、私にとって演劇って、特にキャラメルボックスの作品って、私を救ってくれた存在で、大切でかけがえのない、私の人生に於いての大きな一部分だから、今、それを観ていいのかなって、不安で、

幕が開いて、私の気持ちはまだふわふわと浮かんでて、後輩がいるなって、たいがとかぴのとかなんきとか、ああ頑張ってるなって、心に膜が張って、見えないフィルターが一枚私の前に張っていて、ぼんやりと
でも、どこからか分からないけど、いつのまにかそのフィルターは溶かされてて、そこには岡本と本郷とケイコがいて、生きていて、必死に生きていて、誰かの為に必死に、不器用に必死に生きる彼らは、確かにそこで、笑って、泣いて、息をしていて、彼らはどこにでも連れて行ってくれて、溶かしてくれて、いつのまにか、私は、あの頃に戻ってた
そこは確かに、あの時私が居場所だと感じていた空間で
お客さんも一緒に、笑って、泣いて、板の上に生きる彼らと一緒に生きているあの時間、最高の演劇でした
またあの感覚を思い出せたのが嬉しくて、それを思い出させてくれたのが私の通っていた学校の後輩たちっていうのが嬉しくて、本当に嬉しくて、
胸がいっぱいになって泣きながら面会行きましたやばい先輩でごめんなさいほんとにそれに関してはほんとにごめんなさい、みんなに恐怖体験させてしまった、あれ私が逆の立場だったらドン引きよ、やばい先輩を受け入れてくれてありがとう

大芽、公貴、南木、ぴの、優仁、圭児、咲希、夢美、真世、風花、幹弥、和希、愛梨
彼らだから創れた作品で、誰か1人欠けたって出来なかった作品
一人ひとりがみんな魅力的でした、言い出したらキリがない、


岡本の弱さと、誰にも負けない強さ、自分を重ねてしまう、応援したくなる、まさにキャラメルボックスの主人公像。

竜馬のユーモアと岡本への愛、いつも優しく、厳しく、岡本のそばで見守っている竜馬、ラストシーンがもう一度見たい

ケイコの不器用さと深い深い愛、誰よりも愛に溢れた人間、まあちゃんは素敵な大人に育ちました

本郷の面倒くさくて愛おしくなる人間性、クソ面倒臭えんだよなあいつ、でも好きになっちゃうキャラクター、ぴのにぴったり

棟方の人間臭さと色っぽい魅力、きっと圭児だからこそ出来た表現(それ言ったらみんなそうだけどさ)

時田の子供と大人の間のような、不安定で深い瞳、もっともっと見たくなる惹きつけられる瞳

石倉の子供っぽさと真っ直ぐな愛嬌、まだまだ裏が有りそうな、信じていいのか駄目なのか、でも信じたくなってしまう、愛嬌

小久保、なんだか劇中で一番子供っぽい不安定さがあって、目が離せなかった、時田と小久保は通ずるものがある気がする、

さな子とさなえに共通する、芯のある力強い女性像、ふとした時さな子とダブるさなえは、同じ役者が演じているってだけではなく、もしかしたらさなえも岡本や棟方と同じように、、?なんて考えると楽しい

カオリのキュートで可愛くてでも時に男っぽくケイコを守る姿は、ああ本当にお姉ちゃんが好きなのねってなる、姉妹愛

伸介の無限大のユーモアと土方の底知れぬ男前っぷり、本当に芝居が上手くないと同じ劇中で演じ分け出来ない、ほんとに好きです(推し)(私情)


FCってね、SP公演ってね、すげーーーんだぜ!!!!!!!って言いたくなるような舞台でした。居場所を思い出させてくれてありがとう。



2011年6月、初めて観たキャラメルボックスの作品は、「水平線の歩き方」でした。
あの日のアンケートに書いた言葉に嘘をつかずに。あの日客席で感じたもの忘れずに。濃度が薄くなるなら何度だって重ね塗りしていきゃいいんだなと感じた2019年11月3日。

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