見出し画像

寄りそうことの難しさ~二次加害を避けるには?

「つらいんだ」「しんどいんだよね」「ちょっと悩んでいる」などと言われたとき、「そんなの気の持ちようだよ」「考え方ひとつで変わるよ」「気にするな」などと声かけしてませんか?

相手を励ますつもりなのでしょうね。でも、それはたいていの場合、逆効果です。相手の悩み苦しみを真っ向から否定しているんだから。

たとえば、全身打撲と骨折で、頭から血を流してるのに、「こんなのかすり傷。大丈夫だよ」って放置された日には……死にかねないですよね。だけど、外から見えない傷(悩み苦しみ)については、そういう仕打ちをする人がたくさんいます。

痛み、悩み、苦しみはどこまでも主観的なものです。他人が客観的に判断することはできないし、そうするべきではない。「苦しい」「つらい」と訴えている人に、「気の持ちようだ」「考え方次第だ」と声かけするのは、とても罪深いことだと思う。

苦しい、つらい、困っていると訴える人を前に、まず何をするべきか。自分の判断や考えを押し付けることではないはずです。その人の訴えをありのままに受け止めて、受け入れること。それができないのなら、その場を立ち去るべきです。傷ついている人をさらに傷つけてしまうから。

その人に苦悩をもたらした「加害者」をかばうのは、絶対にやめましょう。悪気があろうがなかろうが、「客観的な」立場からものを言ったつもりだろうが、それは二次被害をもたらします。「加害者」と一緒になって、苦しんでいる人をさらに苦しめることになる。

だから、相手の苦しみを何とかしたいのであれば、その人の前では決して「加害者」を擁護してはなりません。

苦しんでいる人に徹底的に寄りそうことでしか、その苦しみを和らげることはできない(「癒す」とまで言ってしまうと傲慢な気がします)。人を慰めるだけでも、これだけの覚悟がいるのです。

あなたにはその覚悟がありますか?


よろしければサポートをお願いいたします。いただいたサポートは書籍購入や情報収集など、よりよい記事を書くための活動費に使わせていただきます!😊