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教育の未来を切り拓くヒント ―教育を問い直すベストセラー書籍 | 冒険の書 AI時代のアンラーニング 孫 泰蔵 (著) | #塚本本棚

全員ではないが、教育はもう自由になっていいと思う。少なくとも、僕の子供には”将来の保険”なんて理由で学校を選ばなくていいようにしたいなと思う。

今日は「冒険の書 AI時代のアンラーニング ( https://amzn.to/3OH3M18 )」 孫 泰蔵 (著) #塚本本棚


【紹介文】
「私たちはなぜ勉強しなきゃいけないの?」
「好きなことだけしてちゃダメですか?」
「自分らしく生きるにはどうすればいいの?」
「世界を少しでも良くする方法は?」

数々の問いを胸に「冒険の書」を手にした「僕」は、時空を超えて偉人たちと出会う旅に出ます。

そこでわかった驚きの事実とは――


【書評】
昔「ソフィーの世界」という哲学を通して世界を知ろうとする少女を描いたベストセラー小説がありましたが、その泰蔵さんバージョンのような感じだなーと思いました。

「私たちはなぜ勉強しなきゃいけないの?」という問いを過去の偉人たちとの邂逅の中で掘り下げていく。

時代に沿っていない教育は、まだそれを必要とする人が大部分だと思います。しかし、僕の子供には自由な選択肢を与えてあげたいなと本書を読み改めて考えました。時代の先端を走る人にとっては、今の教育はどうにも歪に見えてしょうがない。

その歪を、本書は丁寧に紐解き問いかけています。

少しでも多くの人が今の教育のひずみに気がつき、そして教育のアンラーニングが進んでいけばいいなと思います。

神山高専やN校のような学校のアップデートモデルが今後どんどん作られ、その中で新しい学びの形が見つかればいいなと思います。前半は社会への問いかけ、後半は泰蔵さんの思想哲学といった感じです。僕としては特に前半に感じる事が多い本でした。


【本を読んで考えたこと・メモ】
・1800年代に作られたクラスシステムが、今もほぼ同じまま進められているのには違和感しかない。同年代が同じ場所で同じものを同じスピードで学ぶなんて、そうしなければならなかった150年前と今は違うのに、全く変化がないのはおかしい

・学ぶスピードは人それぞれ、得意不得意も人それぞれ、学びたいものも人それぞれなのに、現代の教育はそれを全部無視するしかなかった過去の慣習を引きずっている

・経済学は経済を知った後に学んだ方が腑に落ちるように、20代で学びを終えるのは今の人生100年時代に全くフィットしていない。高校まで行った後にビジネスを立ち上げ、その後に経済学を学ぶなど、学ぶタイミングは自由自在であっていいはず

・人の一生の過ごし方、漠然とそんなもんだと思っている”ライフステージ”。全部アンラーニングして作り変えるべきだ。60代からを余生というには、人生はあまりにも長くなった

・学校のルーツは人間を工業製品のように大量生産する仕組みの模倣。そのシンプルな作りが多くの人に教育機会を与えた事実はあるが、200年たった今の世界では変わる必要があるはず

・子供と大人が一緒に学べる場を作る事、ライフステージという壁を取り払う事、学んだ後は働き続けて余生に至るという人生の過ごし方を変えること、当たり前を不思議に思う事の大切さ

・”基礎”の大切さがわかるのは初心者よりもむしろ中上級者。まず楽しむ、そしてうまくなる。基礎はその後なんじゃないか。基礎から応用への過程は本当に正しいのか?初学者には退屈な基礎で脱落させていいのか?慣れ親しむ→応用→基礎の流れでは?

・いじめや不登校は子供の数が減少しているにもかかわらず、毎年過去最多を更新している。また、日本では小学4年生から中学3年生までの6年間に1度はいじめを経験した子供が9割にも達している

・教育とは学習する習慣を身につけさせることで、二度と使わない知識をただ詰め込ませる作業のことではない。学ぶ習慣づけさえできていれば、知識はいつからでも習得できる

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