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ニンジャスレイヤーTRPG:シナリオ「バイオアニマル・ファンダム」

1.初めに

 このシナリオは「ニンジャスレイヤーTRPG」に対応したシナリオであり、ニュービーニンジャ2~3人、またはベテランニンジャ1人でのプレイを前提にデザインされている。

NM向け記号解説
:「ドーモ、ニンジャスレイヤーです」
のような「:」から太字の文章が続く形になっている文は、シナリオの進行に合わせてNMが読み上げる文であることを意味する。「:」の前に発言者の名前や、読み上げるにあたっての条件が書かれていることもある。通常の太さの説明文の中に、太字の「セリフ」が挿入されることもあり、その場合は前後の文章を見てその「セリフ」を、いつ、だれが発するべきなのか判断すること。

「イヤーッ!」(命中判定)「グワーッ!」
のように、内部に判定や条件が書かれた()で文章が区切られている場合、判定が成功するか、シチュエーションが条件に合致していないと、それに続く文章は読み上げられない。

<DKKが最も高いキャラクター>の前に、赤黒い影が現れた。
といった「条件」が<>で囲まれている箇所が出現した場合は、そこにその条件に適合するキャラクターの名前を入れる。

※当シナリオは第二版に対応したリメイク版が公開されている。

2.シナリオの概要

 PC達はヨロシサン製薬からの依頼により、脱走したバイオニンジャ「オーハシ」の確保と、オーハシをかくまう謎のニンジャ、
「ハモノラビット」の調査を命じられる。

3.導入

:PC達は携帯端末を通じて指令を受け、ヨロシサン製薬のバイオプラントに集合させられる。

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:コッカトリスは㋙のマスに、ヨロシサン製薬の責任者は㋵のマスにいる。

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コッカトリス:「おう、来たか。ドーモ、コッカトリスです」

:コッカトリスは極めて高位のソウカイヤクザであり、全盛期のコッカトリスが振るったカラテは、ソウカイ・ニンジャの間で伝説となっている。激しいイクサの中、腕を失った今でも、リー先生の改造手術によって恐ろしい大蛇をその代わりとした彼のカラテを侮るソウカイ・ニンジャはまずいないだろう。

:バイオプラントの責任者が、コッカトリスの隣で冷や汗をかきながら、貴方たちに深々とオジギする。

カマタ研究員:「ドーモ、このバイオプラントの責任者、カマタと申します。この度はヨロシクオネガイシマス」

コッカトリス:「こいつらはまだ今回の事態について詳しく知らん、話してやれ」

カマタ研究員:「はい、単刀直入に申しますと、今回、あなたたちをお呼びしたのは先週末、このバイオプラントから脱走したバイオ生体改造の被検体『オーハシ』の捕獲をお願いするためです。本来は我々が社内で解決すべき問題なのでしょうが、少々事情が複雑でしてね。あなたたちをお呼びする前から、コッカトリス=サンを始めとしたソウカイ・ニンジャの方々に色々とお手伝いをして貰っていたのにも関わらず、いまだに居場所さえ掴めていないのです」カマタは不安そうにうなだれた。

カマタ研究員:「本来は、居場所が分からなくなるなどということは、あるはずがないのです。オーハシの体内で生成される汚染物質は、一滴でも周辺地域一帯を致命的に汚染するのですから。ヨロシサンによる遺伝子改造が行われていない原始的な生物が、オーハシの周辺で生きていけるはずがありません。かならず痕跡が残るはずなのです」カマタ研究員はそう言うと、オーハシの資料をあなたたちに送信した。

バイオ生体改造被検体:オーハシ
:沼地やジャングルでの戦闘を想定し、サメニンジャ・クランのグレーターソウルを使用して作成されたバイオニンジャ。
:極めて強い毒性を持つバイオ物質「オオナルト」を体内で生成することができるが、攻撃に用いられるほど大量に生成するためにはまず「バイオ・ヘンゲヨーカイ・ジツ」でそれに耐えうるよう肉体を変化させる必要がある。
:安全確保のため、バイオインゴット欠乏状態ではジツそのものが発動できないようになっている。

カマタ研究員:「何者かがオーハシをかくまっているとしか思えません。そこで我々は、ソウカイヤの方々の手を借りて、そういった行為に及びそうな野良ニンジャのリストや、監視カメラの映像などを注意深く調べさせてもらいました。その結果手に入った、オーハシ失踪との関係が疑われる画像データがこれです」

:カマタ研究員の端末に、監視カメラによって撮影されたとみられる画像データが映し出された。そのカメラには、紅白の風めいたニンジャの姿が映っていた。ぼやけているが、どうやら小脇に緑色の何かを抱えているらしい。「焦点が合っていないので、一見何を持っているのか分かりませんが、分析した結果、彼が抱えているのは99.7%の確率で『市販されているバイオインゴット』であることが分かりました。そしてこの映像を撮影した監視カメラが設置されている地区には、廃棄された地下施設が無数に存在しているのです」

カマタ研究員:「ソウカイヤの皆さんが協力してくれたおかげで、この監視カメラに写っているニンジャが何者なのかは、おおよそ見当がついています。奴のニンジャネームは、ハモノラビットです」

:コッカトリスが端末を操作し、ソウカイ・ネットが持つハモノラビットのデータをあなたたちに送信する。

#SOUKAI_NET :SYSTEM_BOT:ハモノラビット
:紅白のニンジャ装束と、バイオ手術の痕跡が見られる長い耳が特徴。
:特定の組織に所属しているという情報はない。
:接触を試みた場合も、アイサツの後、即座に逃走して姿を消してしまうためカラテの実力は不明だが、相当なニンジャ脚力か、姿を隠すステルス・ジツなどの能力を有している可能性が高い。
:モータルネームは「アカイシ カイチュウ」。モータルとしての住所は既に判明済。

コッカトリス:「お前たちはまず、ハモノラビットとやらの住処を調べてこい。モータル時代のものでいい。調べ終わったら、その場で分かったこと、起きたことをソウカイ・ネットに報告しろ。目撃者を始末した場合は、その報告も忘れるなよ。いいな?」

カマタ研究員:「もちろん報酬ははずみます。頼みましたよ。正直な所、今回の事故で私は極めてまずい立場に追い込まれており、発見が後三日遅れれば、出世コースを外れるどころかその場でセプクさせられてしまうでしょう」カマタが震えた。「私はなんとしてもオーハシの実戦投入に成功しなければならないのです。別のバイオプラントに私と同期のナカタ=サンという研究員がいるのですが、そちらの研究はどうもうまくいっているようでしてね、このままでは一生かかっても埋められない差を付けられてしまいます」

コッカトリス:「こいつはこう言っているが、まずそうなら爆発四散させてしまってもいい。もちろん、被害を抑えて捕獲できればそれに越したことは無いが、奴のまき散らす毒は、ソウカイヤの経済活動に悪影響を与えかねん。捕獲に拘り過ぎて被害が拡大してしまっては、元も子もない。かのミヤモト・マサシもツー・ラビッツ・ノー・ラビットという言葉を残しているからな、無理はするな」

:それを聞いたカマタ研究員は震えながらコッカトリスを見上げたが、コッカトリスに睨み返され、失禁しながら気絶した。

コッカトリス:「俺たちからは以上だ」

捕獲方法:このシナリオにおいて、オーハシはHPが0になってもその場で行動不能になるだけで爆発四散しない。ただしHPがマイナス値になった場合、即座に爆発四散する。オーハシが行動不能の状態で戦闘を終了した場合、捕獲成功とみなす。

4.ハモノラビットの家へ

 ハモノラビットは富裕層が暮らす地区の一軒家に棲んでいたようだ。近隣住民に聞き込みをした場合、次のような返事が返ってくる。
:「アカイシ=サンですか?アカイシ家といえばこのあたりじゃ有名なカチグミですが、今アカイシ家に住んでいるのは、以前この地区の会長だったアカイシ・カイキョウ=サンの一人息子だけだと聞いています」
:「母親を早期に無くし、父親も数年前に失踪したそうだ。その後は町内の行事にもめっきり姿を現さないけど、うちのピザ屋には、ちょくちょく注文をしてくれるよ」

 尚、一般モータルのデータが必要になった場合は、以下のデータを用いること。

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アカイシ家

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:指定された住所には、立派な一軒家が建っていた。庭をショットガンで武装したガードマンが見張っているのが見える。

◆コモンランダム・トレジャーの決定票◆
出目1~3【万札:2】出目4~5【万札:4】
出目6【見事なカケジク(公式ルールブック4-3、家具配置の項を参照)】

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:ガードマンの反応はPC達がニンジャとして潜入するか、モータルのふりをして入ろうとするかで変わる。

ニンジャとして潜入した場合:視界内にPC達が入るまでの間、NMの操作でアカイシ家内部を巡回する。遭遇した場合「アイエエエ!ナンデ!?ニンジャナンデ!?」と悲鳴を上げながらも、手に持ったショットガンで必死に応戦しようと試みる。

モータルのふりをして入ろうとした場合:「君たちはなんだね?何の用で来たのかね?」と威圧的に声をかけてくる。この場合でもPC達がニンジャとしての力を披露した後はニンジャとして潜入した場合と同様の反応を取る。

 このガードマンは拷問されたとしても、雇い主の情報を出すことは断固として拒否する。

:部屋Aと部屋Cは空き部屋である。段ボール箱や望遠鏡、使わなくなった家具などが乱雑に置かれている。

部屋B:ハモノラビットの部屋
:ハモノラビットの部屋に入ったPCは、リキシ・リーグの伝説的バイオスモトリ「ヘルチャンピオン」のポスターや、自動化された水槽の中に浮かび、こちらをじっと見つめるミニバイオクジラなどを確認することが出来る。

 PC達は【ミニバイオクジラの水槽】をアイテムとして扱うことが可能である。売却すると万札が12枚手に入るが、代わりにDKKが1増加する。

マップに置かれたUNIXの電源を入れた場合:電源を入れると、パスワードの入力を求められた。

:PCが【ニューロン】でハッキングを行うことにより情報を引き出せる。

 PC達が判定に失敗した場合、ソウカイ・シックスゲイツのダイダロスに万札5枚で処理を肩代わりしてもらうことが可能。この支払いには「ふわふわローン」を使用できる。一般のハッカーを脅迫してハッキングしてもらう、というのも手だろうが、その場合はDKKが1上昇する。そういった【ニューロン】判定以外の方法はNMが提案するのではなく、プレイヤー達に考えさせるべきだろう。

 ハモノラビットのUNIXコンピュータに存在するデータを調べると、まず最初に次のようなことがわかる。

:このコンピュータには、ネオサイタマ各地に存在する廃棄された地下施設についての資料が纏められており、そのうち1つには印がつけられている。
:その他のデータは主にリキシ・リーグに在籍するバイオスモトリの写真集や、リラクゼーション効果を狙ったバイオ生物の動画などであり、特に異常な点は見られない。

:印のつけられた資料は現在ハモノラビットが拠点としている基地の資料である。資料を開くと、そこには「秘密基地 見取り図」と書かれており、確認すれば建物の構造と罠の位置がわかる。詳細は「7.ハモノラビットの秘密基地」を参照。メモから推測するに、ハモノラビットはどうやらこの地下施設を自らの暮らしやすいように改造し、その中にバイオ生物による新たな生態系を築き上げることを目指しているようだ。それに加え、「新しい仲間が加わったことにより計画を大幅に変更しなくてはいけなくなった」といった旨のメモも残されている。

5.報告と準備

 ハモノラビットの家を捜索し終わったら、まず命令通りコッカトリスに報告を行うべきだろう。報告を行えば次に行くべき場所の指示と、対ニンジャ戦闘用の物資が受け取れる。

報告を行った場合、コッカトリスは次のように返答してくる。
コッカトリス:「了解した。ハモノラビットが逃走したオーハシと何らかの関係にあるのは、まず間違いなさそうだな。では引き続き、奴が目撃された監視カメラの近辺で調査を続けてもらおうか。だがその前に一度戻ってこい。予算の範囲内で支援してやる」

コッカトリス:「役に立ちそうなのはこの辺だな。どれがいい?」

オーガニックスシ:データは公式ルールブック4-3の「ブラックマーケットに買物に行く」の項を参照。

バイオ生物誘導用イカジャーキー:所有者が現在いるマスに配置することができる。その後、「バイオスモトリ」や「巨大ズワイガニ」のような、知能の低いバイオ生物は自身が攻撃されない限り戦闘に参加せず、このアイテムが配置されたマスに移動し、そこに留まることを優先する。移動してもこのアイテムが配置されたマスにたどり着けないバイオ生物には効果がない。

クローンヤクザ:能力値は公式シナリオやNPCデータ集を参照。

:プレイヤーはこのほかにも、【万札5】以内で購入でき、今回のミッションに役立てる方法を説明できるものなら望むものを要求してよい。尚、支援を断ることも出来、その場合はPC達の【名声:ソウカイヤ】がその場で1点上昇する。

コッカトリス:「なるほど、まあ、悪くない選択だな。では行ってこい。よい報告を期待しているぞ」

6.監視カメラ近辺

 ハモノラビットが映った監視カメラの近辺を調べると、バイオインゴットの買い出しから帰ってきたハモノラビットと遭遇する。ハモノラビットはアイサツの後、地下へと逃走する。

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ハモノラビット:「ドーモ、ハモノラビットです」
連続側転と移動の描写:「イヤーッ!」アイサツを終えたハモノラビットは、やにわに後ろ向きに連続側転を行った後、その勢いのまま、バック宙のを行いその場を飛び去ろうとする!(連続側転判定。常人の3倍の脚力により難易度-1)ナムサン!その常人の3倍はあろうかという脚力と、脚に装着されているスプリング機構の相乗効果により、逃走時のアドバンテージは実質100倍!このままでは逃がしてしまう!

逃走後:あなた達はハモノラビットを追ったが、ハモノラビットは素早くあなた達の追跡をかわし続け、そのまま地下に繋がる階段の奥へと消えてしまった。

7.ハモノラビットの秘密基地

ハモノラビットを逃がした場合:逃げたハモノラビットを追うと、廃棄された地下施設にたどり着く。内部は薄暗く、入り組んでいるが、ニンジャであるPC達には、施設の奥に、生活を行う空間の存在する気配が感じられる。

ハモノラビットを倒した場合:ハモノラビットを倒し、そのまま地下へと潜ったPC達は廃棄された地下施設にたどり着いた。内部は薄暗く、入り組んでいるが、ニンジャであるPC達には、施設の奥に、生活を行う空間が存在する気配が感じられる。

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①:横に長い机と椅子が置いてある。どうやらスモウを観戦するために設置されたもののようだ。調べると、バイオスモトリについて、トリクミの結果や、健康データ、教育プロトコルなどについてびっしりと書かれたノートが出てくる。

②:木人。公式ルールブック4-3、「家具配置」の項にデータが書かれているのと同じもの。

③④⑤⑥:通路に青白く光り輝く枠のようなものが設置されているが、ハッキングできるようなポイントは見当たらない。この基地の見取り図を手に入れていない限りそれ以外のことはわからないが、③と⑥にはレーザートラップ「トカイ・キバ」が設置されている。回避難易度は【HARD】で、回避に失敗すると1D6のダメージを受け1マス手前に戻される。このマップのUNIXコンピュータで難易度【NORMAL】のハッキング判定に成功することでも無力化可能。

トレジャーボックスの種類:このマップのトレジャーボックスはAとBの2種類存在する。Aのマスへ最初に立ち止まったキャラクターは以下の表を参考とし、ダイス目に応じたアイテムを獲得する。

◆コモンランダム・トレジャーの決定票◆
出目1~3【万札:3】出目4~5【万札:6】
出目6【黄金ダルマ(公式ルールブック4-3、家具配置の項を参照)】

Bのマスで最初に立ち止まったキャラクターは【バイオインゴット】を得る。このバイオインゴットはハモノラビットが所持しているのと同じものである。

㋜:バイオスモトリの初期位置。
㋩:ハモノラビットの初期位置。
㋕:巨大ズワイガニの初期位置。
㋔:オーハシの初期位置。

:「ドッソイ!」「ドッソイ!」暗闇の奥から、バイオスモトリのものと思われる、取り組みの音が聞こえてくる。

 バイオスモトリの能力値は公式NPCデータ集におけるスモトリヤクザの種別「ヤクザ」を「バイオ生物」に変えて使用する。

:ドヒョウ上で組みあう、フルフェイス・オメーンを被ったバイオスモトリの姿は、キルゾーンで見られるような、野生化した個体とは大きく様相を異にしていた。非常に高度な知識で管理されていると見え、街中で見かける労働用の個体と比べても、清潔さは比べ物にならない。「ドッソイ?」

:バイオスモトリ達はPC達の姿をみとめると、シコを踏み、ハリテの構えで威嚇してきた!「ドッソイ!」「ドッソイ!」

 ここでPC達はバイオスモトリと戦闘になる。その音を聞きつけたオーハシとハモノラビットは覚悟を決め、戦闘の準備を行うだろう。ただし基本的に、どちらかが視界内に入りPC達とアイサツを行うまで、最初の位置から移動することはない。

このシーンまでハモノラビットが生存していた場合の描写
:奥に進むと、汚染された水源と、そこに架けられた二つの橋が存在する、壁で区切られた空間にたどり着く。そこにはオーハシとハモノラビットがいる。どちらかが視界に入り次第アイサツを行うこと。

:「ドーモ、ハモノラビットです」ハモノラビットがオジギを行うと、それに続きボロボロの毛皮に覆われた8フィートはあろうかという体躯のバイオニンジャが、濁った水の中から這い上がり、アイサツした。「Yrrrrr……ドーモ、オーハシです。ハモノラビット=サン、交戦の許可を」

ハモノラビット:「まあ待てオーハシ=サン。『急いだヒキャクがカロウシした』との格言もある。まずは様子を見るべきだ。さて闖入者よ、何が目的だ?こちらとしては、出来ることなら血を見ることなく事を済ませたいのだが……」

このシーンまでにハモノラビットを爆発四散させてしまっていた場合の描写
:奥に進むと、汚染された水源と、
そこに架けられた二つの橋が存在する、壁で区切られた空間にたどり着く。ボロボロの毛皮に覆われた8フィートはあろうかという体躯のバイオニンジャが、濁った水の中から這い上がり、アイサツした。「Yrrrrr……ドーモ、オーハシです」オーハシはあなたたちの臭いをかぐと、突如として全身の毛を逆立たせ、施設全体に鳴り響くほどの叫び声を上げた!「Yrrrrrsh......Yrrrsh......!AGHHHHHHH!」

 ここでPC達は、そのままハモノラビットを爆発四散させにかかってもいいし、対話を試みてもいい。ただし、ハモノラビットは買収を断固として拒否し、「オーハシをソウカイヤへ引き渡す代わりに、ハモノラビットを見逃す」という条件にも絶対に応じない。カチグミとしての生活に飽き飽きし、ニンジャとなって秘密基地を築いた自分を頼りにしてくれた初めての仲間がオーハシだったからだ。しかし、ソウカイヤへの忠誠と引き換えに現状を認めるという取引を行ったり、ソウカイヤへのスカウトを行うことは可能。スカウトを行う場合、最初のうちは聞く耳を持たないが、「どうあがいても勝ち目がない」状況まで追い詰め、オーハシと共にミッションを遂行できる権利を認めた上で、NMにとって納得のいくロールプレイをプレイヤー達が行ったなら、戦闘を終了し、ハモノラビットをソウカイヤ入りさせてもよい。その場合、スカウト成功報酬として、このシナリオに参加した全PCの【名声:ソウカイヤ】が+2される。

戦闘時の方針や注意事項。
:ハモノラビットとオーハシは互いに声を掛け合い、一人のPCを集中して攻撃しようとする。集中攻撃の対象として選ばれるPCは最も「カラテ」の低いPCか、最も高い「ジツ」を持つPCである。どちらが選ばれるかはNMが判断する。
:ハモノラビットの回避ダイスは、素の状態では5個だが、【ヒキャク】を装備しているため6個になる。
:ハモノラビットは、ダメージを受けるまでの間は遠隔攻撃を主体に戦い、ダメージを受けた後「バイオカタナ」による近接攻撃を狙うスタイルに移行する。
:オーハシはできるかぎりバイオインゴットの入ったトレジャーボックスの近くに陣取ろうとし、ハモノラビットは行いたい攻撃手段に合わせた距離をPC達との間に取ろうとする。回避難易度が上がるマスでの静止はなるべく避けようとするだろう。
:オーハシのバイオ・ヘンゲヨーカイ・ジツは周囲を致命的に汚染し、この基地そのものを台無しにしてしまいかねないため、戦闘開始直後はオーハシもハモノラビットもそれをアテにせず立ち回る。ただしハモノラビットが爆発四散した場合、オーハシは後述の描写を行った後即座にバイオ・ヘンゲヨーカイ・ジツの使用を選択するし、ハモノラビットが生きている場合でもオーハシの体力が1でも削れたなら、ハモノラビットはオーハシにオオナルト・ボムの使用を許可する。オーハシがバイオインゴットを補給できない状態にある場合はハモノラビットが攻撃の代わりにバイオインゴットを投擲しオーハシに渡そうとするかもしれない。使用後、効果が続いている間、オーハシは『オオナルト・ボム』で攻撃を行う。尚、「6.監視カメラ近辺」での遭遇でハモノラビットを爆発四散させていた場合は連続側転でバイオインゴットの入ったトレジャーボックスに移動し、即座にバイオ・ヘンゲヨーカイ・ジツを使用しようとする。
:巨大ズワイガニは基本的に一切行動せず、そのターン中に攻撃できる範囲内にキャラクターが入ってきた時のみ攻撃を行う。この攻撃は無差別なので、オーハシとハモノラビットは、極力巨大ズワイガニへの接近を避けるだろう。
:オーハシのオオナルト・ボムは回避こそ難しくないものの、極めて威力が高く、毒沼により行動を大きく制限する。この攻撃で行動不能になった場合、そのまま毒沼によるダメージで爆発四散してしまうので、そこも注意。

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追加ルール『環境生物』:このマップにおいて「アニマル」を持つキャラクターはどの陣営の味方でもない。よって「アニマル」を持つキャラクターにダメージが通ったとしても【アトモスフィア】による回避難易度の変化には影響を及ぼさないものとする。

戦闘描写

「ハモノラビット」
遠隔武器の描写:「イヤーッ!」ハモノラビットは用心深く距離を取りながら、<攻撃対象の名前>に向ってクナイ・ダートを投擲!(命中判定)クナイ・ダートが<攻撃対象の名前>に突き刺さる!
バイオカタナの描写(初回):「イヤーッ!」ハモノラビットが紅白の風と化し、ジグザグの残像を残しながら<攻撃対象の名前>に接近する!「カクシ・キリ!」(命中判定)ハモノラビットの腕からダイヤモンドチタン製のカタナが展開し、<攻撃対象の名前>の肉を大きく切り裂いた!「これがバイオテックの力だ!」
バイオカタナの描写(二回目以降):地を蹴り、壁を蹴り、ハモノラビットが<攻撃対象の名前>の元へ接近する!「イヤーッ!」(命中判定)ハモノラビットのカタナが<攻撃対象の名前>の肉を切り裂く!

「オーハシ」
近接武器の描写:「Yrrrrrrsh!」オーハシはボロボロの毛皮に覆われた腕を広げ、<攻撃対象の名前>に向って、高速回転しながら飛び掛かる!<命中判定>オーハシの鍵爪が<攻撃対象の名前>を引き裂く!

遠隔武器の描写:「Yrrrrrrsh!」オーハシの口内から<攻撃対象の名前>に向かって、無数の棘を持つスリケンめいた半透明の結晶が発射された!<命中判定>結晶が<攻撃対象の名前>に食い込み、細胞をむしばむ!

バイオ・ヘンゲヨーカイ・ジツの描写:「Yrrrrrsh……」オーハシの毛皮がざわめきだし、その肉体が風船のように膨らんでいく。巨大な顎がさらに肥大化し、両手両足が膨らみきった肉体を支える。「Yrrrrrsh!」ナムサン!そこに現れたのは、4本の脚に支えられ、毛皮に覆われた球状の胴体から人体を丸呑みにするのに十分な大きさの顎が突き出した異形!これがオーハシのバイオ・ヘンゲヨーカイ・ジツ!

オオナルト・ボムの描写:何かが泡立つような音がし、その直後、渦を巻きながら飛ぶ極彩色の液体がオーハシの口内から発射された!着弾地点が煙を上げながらどろどろと溶けていく。(命中判定)<攻撃対象の名前>はその恐るべき液体を浴びてしまった。液体を浴びた部分が溶けていき、耐えがたい激痛が走る。

バイオ・ヘンゲヨーカイ・ジツ解除の描写:「Yrrrrrsh……」膨らんでいたオーハシの体がしぼんでいき、元のサイズに戻る。

掛け合い
ハモノラビットがオーハシより先に爆発四散した場合:「サヨナラ!」ハモノラビットは爆発四散した。「Yrrrrrsh......Yrrrsh......!AGHHHHHHH!」オーハシは全身の毛を逆立たせ、施設全体に鳴り響くほどの叫び声を上げる!

8.シナリオの終了

「ハモノラビット」と「オーハシ」を爆発四散または行動不能に追い込む、「ハモノラビット」にソウカイヤへの忠誠を誓わせる、この二つのうちどちらかが達成された時点でこのシナリオは終了である。成功度の基準は以下の通り。ハモノラビットをソウカイヤへスカウトすることに成功した場合、評価は1段階上がる(Aの場合はA+となる)。

A:オーハシをヨロシサン製薬の元へ送り届けることに成功した。
B:オーハシを爆発四散させた。
C:オーハシをヨロシサン製薬の元へ送り届けることも、爆発四散させることもできなかったが、ハモノラビットにソウカイヤへの忠誠を誓わせた。
D:敗北し、逃走してきた。

 評価が決定したら、「ラオモト・カンの評価タイム」に移行する。報告の際はコッカトリスを同席させると雰囲気が出るだろう。尚、このシナリオが終了した後、PC達に与えられる余暇スロットの数は4個である。

おまけ.ニンジャ名鑑

◆忍◆ニンジャ名鑑#XXXX【ハモノラビット】◆卓◆
ウサギ・ニンジャクランのレッサーソウル憑依者。カチグミの家に産まれたが両親を早くに亡くし、その後は社会との関わりを避けてバイオ生物の飼育や研究に没頭するようになった。

◆忍◆ニンジャ名鑑#XXXX【オーハシ】◆卓◆
ジャングルや沼地での運用を想定して開発されたバイオニンジャ。彼の体内で生成される物質「オオナルト」は一滴でも周囲の環境を致命的に汚染し、大量に浴びたものは跡形もなく溶けてしまうという劇物の中の劇物であり、木々や水源に隠れて行うアンブッシュと凄まじいシナジーを発揮する。

セッション用Googleスプレッドシート

利用規約

 NMはこのシナリオに含まれるデータを自ら作成したシナリオへ自由に流用できる。例えば「ハモノラビット」や「オーハシ」「ガードマン」が生き延びた場合、それ以降のシナリオで自由に登場させることが出来る。ただし当シナリオのデータを流用して作成したものを公開する場合、この記事を引用元として明記すること。

 リプレイ公開への制限は特にないが、可能なら事前にTwitterで「@koyazawa_ninja」に連絡を行うこと。「ダイハードテイルズ」公式以外による無断の商用利用は一部の例外を除いて原則不可。

参考資料:「ニンジャスレイヤープラス」ダイハードテイルズ

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