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ニンジャスレイヤーTRPG:シナリオ「ニンジャと地下世界の宮殿」

1.初めに

 このシナリオは「ニンジャスレイヤーTRPG」に対応したシナリオであり、基本的には1~3回ほど他のシナリオをクリアしたニュービーニンジャ2~3人、またはベテランニンジャ1人でのプレイを前提にデザインされているが、選択肢次第ではベテランニンジャ3~4人向けの高難易度コンテンツにたどり着くことも出来る。またこのシナリオではソウカイ・ニンジャだけではなく、他陣営のニンジャもPCとして参加できる。ネオサイタマ以外を舞台としているので、基本的にWasshoi!判定は行わないが、判定を行うか否かの最終的な決定権はNMに委ねられる。

NM向け記号解説
:「ドーモ、ニンジャスレイヤーです」
のような「:」から太字の文章が続く形になっている文は、シナリオの進行に合わせてNMが読み上げる文であることを意味する。「:」の前に発言者の名前や、読み上げるにあたっての条件が書かれていることもある。通常の太さの説明文の中に、太字の「セリフ」が挿入されることもあり、その場合は前後の文章を見てその「セリフ」を、いつ、だれが発するべきなのか判断すること。

「イヤーッ!」(命中判定)「グワーッ!」
のように、内部に判定や条件が書かれた()で文章が区切られている場合、判定が成功するか、シチュエーションが条件に合致していないと、それに続く文章は読み上げられない。

<DKKが最も高いキャラクター>の前に、赤黒い影が現れた。
といった「条件」が<>で囲まれている箇所が出現した場合は、そこにその条件に適合するキャラクターの名前を入れる。

2.シナリオの概要

 人体を肥料として育てたマツタケによるビジネスを秘密裏に行う、中国地方を拠点とする小規模なニンジャ組織「ソイルドラゴン・ファーム」が残した活動の痕跡を調べていたPC達は、彼らの罠にかかり、地下世界の宮殿に迷い込んでしまう。しかし、そこでPC達が出会ったのは、財宝を目当てに侵入していた蛮人ニンジャ、ウォーペイントであった!

3.導入

 このシナリオは、ソウカイヤ以外に属するニンジャもPCとして使用でき、「ソウカイ・ニンジャ」と「ソウカイヤに属さないニンジャ」にはそれぞれ別の導入が用意されている。これ以外にもNMはプレイヤーと相談し、「4.地下世界」へと繋がるオリジナルの導入を考えて良い。ただしその場合は、シナリオ全体の難易度に影響しないよう短く安全なものにすること。

ソウカイ・ニンジャ向けの導入:シックスゲイツのダイダロスが、ネットワーク上に「ソイルドラゴン・ファーム」という名の不審なホームページを発見した。通常アクセスできない領域に存在しており、物理的な所在も不明だが、選ばれた顧客にのみ特別なマツタケを超高額で販売しているらしい。シノギの臭いを感じたソウカイヤ上層部は、取引の中心地と見られる中国地方のトアル村にPC達を派遣することに決めた。

:PC達はクローンヤクザの運転するリムジンに乗ってネオサイタマの北方、中国地方に存在する小さな村へと向かっている。各自、ロールプレイを行うこと。

 ロールプレイの途中で、NMは以下の風景描写を行う。
:見捨てられた廃墟や、うっそうと茂ったジャングルが見えてきた。この先は稼働中の自動販売機さえ殆ど存在しない過疎地だ。道路脇では「新生活」「工業化による発展」「飛び出し」などの文言が書かれた、旧世紀の看板が野ざらしになっている。

:荒野を川沿いに進んでいると、さびれた村が見えてきた。どうやら目的地に到着したらしい。

ソウカイヤに属さないニンジャ向けの導入:理由も告げず、中国地方の小さな村へと旅行に行ったモータルの知り合いが帰ってこない。連絡も取れなくなり、心配になったあなたはその知り合いが向かったトアル村へと出かけることにした。(この導入を行うニンジャが複数いたとしても救出対象のモータルは1人に絞っておくこと)

 PCは好きな方法でトアル村へ向かってよい。風景描写はソウカイ・ニンジャ向けの導入と同様である。

:これ以降は村人への聞き込みなどを通して話を進めていく。別々に導入を行ったPC達は、ここで合流しても、合流しなくてもよい。

き込み
「マツタケの取引で金持ちになった人ですか?心当たりがないですね。急に羽振りが良くなった人もいない。もしいたとしても、それだけ稼いでいる人がこんな村で取引なんてするもんですかね?」
:「マツタケ?こんな荒野じゃ育つはずないですよ。数年前、親から農地を受け継いだタタジ=サンも、ついに進退窮まって土地を半分売りはらってしまったくらいですからね。少し前まではネオサイタマで学んだ最新技術を導入したハイ・テック農業で儲けるんだ、なんて言っていたのにねえ」
:「マツタケと言えば、墓守のヒラサカ=サンがここ数年マツタケにはまってるみたいですね。なんでも、マツタケは長寿と健康をもたらすんだとか。他ではそんな話聞きませんけどね。どこで聞いたんだろう」

 聞き込み対象である村人の能力値が必要になった場合、仮にジツが0、それ以外の能力値が1のモータルNPCとして扱う。カルマは「善」であり、それぞれ万札1枚を持っている。

「ヒラサカ共同墓地」または「タタジの家」へと向かおうとした場合、PC達は道中で巨大なアリジゴクに呑み込まれ、地下世界へと送られてしまう。

コロニーのスリバチ・ジツについて:土に根差した菌糸に働きかけることで大地を操り、地底へと相手を引きずり込むジツである。地下にエテルの満ちた空洞が必要であり、無条件で相手を生き埋めに出来るわけではないが、それでも強力。

4.地下世界

:PC達が目を開くと、そこにはあちらこちらに群生した発光するキノコの毒々しい明かりに照らされた、見事な建築物が広がっていた。まるで荒唐無稽なフォークロアにおいて語られる、地下世界の宮殿だ!

 別行動していたPC達も、この場面で合流できる。初対面である場合はアイサツを行うこと。

:暗闇の中から、蛮人めいた刺青に覆われた筋骨隆々の上半身を露わにした、恐るべきアトモスフィアのニンジャが現れた。

:「ドーモ、ウォーペイントです。文明人、貴様らも宮殿に眠る財宝が目当てか?」

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 ウォーペイントは原作にも登場したニンジャであり、詳しくは「タワー・オブ・シーヴズ」と「ザ・ヴァーティゴと屋台のあやかし」を参照。この場面においてウォーペイントは、それぞれが手に入れた【万札】を最後に山分けしようと提案してくる。もしPC達がその提案に乗ったなら、このシナリオで入手された【万札】はPC達やウォーペイントのデータに加えるのではなく、クリア時に山分けするための欄を作りそこに溜めていくこと。尚、一度提案に乗った上で、取り分を増やそうとしてウォーペイントを攻撃した場合、そのPCはDKKを1D3獲得する。この場でPC達がウォーペイントを襲おうとした場合、NMは場面を「5.自我無き兵隊」へと速やかに移行させること。

5.自我無き兵隊

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:あなた達が宮殿へと近づくと、暗闇の中に白く輝く目が1ダースほど現れた。それらの光は、ふらふらとあなた達の方へと近づいてくる。

:光の元へ歩み出てきたのは不自然なまでに白い肌をした、黒目のない人間の男女だった。しかし、心ここにあらずといった様子で、それぞれが火炎放射器を抱えている。「悪霊の類か?いや、違う......これは、魔術!?」ウォーペイントが叫び声を上げると同時に、火炎放射器の射出口が一斉にあなた達のほうへ向いた!戦闘開始!

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 隣接しているキャラクターに火炎放射器を使った場合、自分達も火を浴びてしまうが、ドクゼゲン兵はそのようなことを一切気にせずPC達に攻撃を仕掛けてくる。攻撃の際は最も近くにいるものを優先する。ドクゼゲン兵の攻撃に対する回避は1度にまとめて行う。

火炎放射器が使用された場合
ウォーペイント:「炎!?これも魔術か......!?いや、これは以前見たことがあるぞ
、文明人が森を焼くのに使う道具だ!」

隣接するキャラクターに火炎放射器を使用した場合
:白目の兵隊が<攻撃対象の名前>に向けて火炎放射器を使用する!あまりに至近距離で使用したため、自身の体に火が燃え移っているが、そんなことは気にも留めていない様子である。

 なお、モータルの失踪者を探してここにきたPCがいた場合でも、これらのドクゼゲン兵の中にその姿を見つけることは出来ない。

宮殿の入口にはフリコガタナ・ギロチンが設置されている。
フリコガタナ・ギロチン:このマスで移動を終えたPCは手番終了時に回避難易度の【NORMAL】の1D6ダメージを受ける。

◆当シナリオ用コモンランダム・トレジャーの決定票◆
出目1~2【万札:2】出目3~4【マツタケ:1】
出目5~6【マツタケ:2】

アイテム『マツタケ』
:【ニューロン】判定の直前に消費した場合、その判定の難易度を-1することができるが、2つ以上消費したり他のアイテムと併用しても効果は重複しない。また売却することで【万札:5】を得ることができる。このシナリオの間と、ブラックマーケットに持ち込む際のみ、制限なく、いくらでも持てるものとする。

ウォーペイントがソイルドラゴン・ファームのマツタケを目にした場合
:ウォーペイントは目を丸くして「このマツタケは、まるで戦士たちの墓所で採れるもののように立派だな。新鮮さも文句のつけようがない。文明圏にもこのようなマツタケが育つ場所があるのか」と言った。

6.決戦

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「墓守のヒラサカ」の正体はニンジャ、コープスモールであり、「農家のタタジ」の正体はニンジャ、インダクションである。

:宮殿を奥へ、奥へとすすんでいった<ウォーペイントとPC達の人数を合計した数値>人は、とてつもなく巨大な部屋にたどり着いた、とてつもなく巨大な門と、人工的な明かりに照らされた3本のマツの木の前に、2人のニンジャが立っている。片方は鋭い刃が備え付けられた巨大なスコップを持っており、もう片方は青い目を不気味に光らせ、スーツ姿で腕を組んでいる。その周りには、先程襲ってきたのと同じような外見をした、3人の兵隊が火炎放射器を持って立っていた。「ドーモ、コープスモールです」「ドーモ、インダクションです」

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特殊マス『マツの木』※この情報は最初、PC達には隠しておくこと。
:特殊なトレジャーボックス。アイテム欄に空きのあるニンジャが、ドトン・ジツの効果が続いている間にこのマスへ移動すると『マツタケ』を1つ取得し、その場で消費することができる。同じマスから重複して取得することは出来ない。また、ドクゼゲン兵がドロップした火炎放射器やカトン・ジツを用いることでマツの木そのものを破壊することも可能。PC達は移動後、攻撃を放棄してマツの木の下を掘り返すことが出来、その場合はマツタケが生えたミイラを発見することが出来る。その場合「ソイルドラゴン・ファームが販売するマツタケの秘密を暴いた」ものと判定され、シナリオ終了時の評価が上昇する。尚、その際にマツタケを1つ取得することも可能。その場合も、今後そのマツの木からマツタケを得ることは出来なくなる。

 このマップにおいてドクゼゲン兵は基本的に、コープスモール、インダクション、マツの木を巻き込む形になる場合は火炎放射器を使用しない。ただし、状況に応じてインダクションが使用の許可を出すこともある。尚、インダクションを倒した場合、ドクゼゲン兵は全員その場で行動不能になる。戦闘終了後、正気に戻ったモータルたちへの対応次第では、DKKの増減を行ってもよい。

ヒラサカやタタジの名前、またはこの村の墓守、農家について言及した場合
インダクション:「ハ、ハ、ハ!そこまで気づいているなら、いよいよ生きて帰すわけにはいかなくなった!」

スリバチ・ジツについての話題が出た場合
インダクション:「私達のジツではないしましてやテックの産物でもない」

コープスモール:「1つだけ教えておいてやろう、この世界には、我々の力など遠く及ばぬ偉大なるものが存在しているのだ!その力の前に、貴様らは無力!恐れよ!」

ギミック:マツタケ・リジェネレーション攻略法
①1ターンで4以上のダメージを与えて倒す。
②マップ上に3つ存在するマツタケ補給地点「マツの木」を破壊する、または地面を掘り返しマツタケを回収する。
③マツタケを全て消費させる。
④カナシバリ・ジツを用いる。

戦闘描写

インダクションのドク・ニードル:インダクションはカラテシャウトも無しに、何かを投擲するような動きを見せた。あなたたちのニンジャ動体視力は、小さく、細く、鋭い針が放たれたことを見抜く!インダクションはその直後、二投目を終え、合計二本の針が飛来!(命中判定)インダクションの放った針が<攻撃対象の名前>の首筋に突き刺さり、仕込まれた毒がその体を激しく蝕む!「これはドク・ニードルだ。苦しいだろう?<攻撃対象の名前>=サン。これはそういう毒だからな。その状態でどこまで戦えるか見ものだ」

コープスモールのドトン・ジツ:「イヤーッ!」コープスモールは違法改造スコップで土をドリルめいて掘り進み、地底へと潜った!ドトン・ジツだ!

ドトン・ジツからの近接攻撃:<攻撃対象の名前>の間隣りの地面が隆起し、コープスモールが出現!「イヤーッ!」スコップに備え付けられた鋭い刃による斬撃を繰り出す!(命中判定)鮮血が噴き出す!

マツタケ・リジェネレーションによる回復:地面が隆起し、コープスモールが出現......ナムサン!傷が回復している!「フーリンカザン我にあり!」

①牢屋
:『牢屋の鍵』でこの小部屋の扉を開くとモータルが一人ぐったりと倒れているのがわかる。どうやら先ほどまでの間インダクションのジツによって先程の兵士たちのような存在へと変えられつつあったが、インダクションの爆発四散により解放されたらしい。

 このモータルはソイルドラゴン・ファームの秘密を暴こうとするなどして捕まった「ソウカイヤに属さないニンジャ向けの導入」で救出対象となっていた人物であるが、PC達がソウカイ・ニンジャのみだった場合も出現する。能力値はニューロンが4である以外は全て最低値とする。カルマは基本的に『善』であり、殺害するとDKKが1D3増加する。万札はソイルドラゴン・ファームに没収されており、所有していない。

UNIXコンピュータ
:難易度『ULTRA-HARD』のハッキング判定に成功することで、ソイルドラゴン・ファームのネットワークにアクセスできる。ハッキングに挑戦したキャラクターは失敗するたび精神力を1失う。ここで手に入るソイルドラゴン・ファームの顧客情報はシナリオ終了後【万札:10】で売却可能である。この収入はウォーペイントと行われた「山分け」の契約とは関係なく全額手に入る。尚、ウォーペイントはハッキング判定に挑戦できない。

巨大な門

八方に伸びた糸の中心に鎮座する巨大な蜘蛛の意匠が施された、高さ20フィートはあろうかというものものしい金属の門が立ちふさがる。この門を開くには『不気味な鍵』が必要である。

◇危◇高難易度コンテンツ◇険◇
:これより先に待ち構える戦闘は極めて危険なものである。NMはこの扉の奥から凄まじいカラテを感じることをプレイヤー達に伝え、ここで帰っても任務の遂行にはなんの支障もないことを明言するべきであろう。成長の壁を超えた能力値を持たないPCはわけのわからぬ恐怖を前に心臓をわしづかみにされたような感覚にとらわれ、成長の壁を超えた能力値を持つニンジャは自らのニンジャソウルがこの扉の奥に存在する『敵』に対して己のものではない感情をもたらすのを感じる。

7.菌糸を紡ぎし神

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:扉の奥には、無限に続くかと思えるほど広大な暗黒の空間が広がっていた。その空洞の中には、菌糸が蜘蛛の巣めいて張り巡らされている。

:空間が揺れ、大気にカラテが満ちた。六本の腕と二本の脚で菌糸の糸を歩む、巨人めいた影が近づいてくる。

:光の下へと歩み出た、大樹のごとき肌を持った存在は、蠢く無数の目であなた達の姿をみとめると一対の掌を重ね合わせ、厳かにアイサツした。「ドーモ、コロニーです。我が悠久の使命を阻む小虫どもよ、何が望みだ」

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:ウォーペイントは迷信的恐怖に慄きながらも、勇気を振り絞りアイサツを返す。「ドーモ、コロニー=サン。ウォーペイントです。偉大なる大地の大霊よ、風の大霊に誓って、我々にあなたの領域を侵犯する意図はなかった。もし我々の行動があなたの怒りに触れたのであれば、私はその非礼を詫びよう」

:巨人の体から発散されるキリングオーラが、一時和らいだ。「ほう?では、何用でこの地に参り、我が眷属たちを害したのか申してみよ」

PC達が丁寧に接した場合。
:「なるほど。ではこの場はこれで収めることとしよう。我が眷属達が爆発四散してしまったのは残念だが、我にはこの深淵で糸を紡ぎ続けるという使命がある故、貴様らのようなくだらぬ存在とこれ以上関わり合いになるわけにもいかぬ。どこなりと行くがよい」コロニーはそう言うと、暗闇の奥へと去っていった。

PC達が財宝を持っていこうとするなどのシツレイな行動を取ったり、戦闘の意志を見せた場合。
コロニー:「ズガタッキェー!」巨人の放った恐るべきニンジャスラングを前にし、あなたたちは本能的な恐怖を感じ、ニンジャソウルが萎縮するのを感じた。アトモスフィアがハードモードへと移行し、さらにこの戦闘が終わるまで、コロニーの『神格』によりPC達は精神力の消費が2倍となる。

基本の行動パターン
:まず、近接攻撃の範囲内にいる行動可能なキャラクターを最優先する。その中ではNPCを優先して攻撃し、行動可能なPC側NPCがいない場合は今回の戦闘でコロニーに与えたダメージが大きい順に攻撃する。同率の場合はカラテが高い順に攻撃する。
:カナシバリ・ジツを使用された場合は基本的に精神力で受ける。
:PC達がムテキ・アティチュードで粘り、財宝を持ちだそうとするなどの行為を行った場合、NMは適時状況判断して行動パターンを変えてよい。

戦闘描写

『神格』によるクローンヤクザの気絶:「「「アバババババーッ!」」」クローンヤクザが既存のプロトコルで想定されていない圧倒的なキリングオーラの前に機能停止!糸の切れたジョルリめいて倒れこむ!

コロニーがウォーペイントに攻撃を行う際の宣言:「勇気あるハトリ者よ、カラテを見せてみよ!」

近接攻撃:コロニーの大木めいた腕が<攻撃対象の名前>を襲う!(命中判定)圧倒的な質量を叩きつけられた<攻撃対象の名前>が、全身の骨が折れる音と共に激しく血を吐いた!

再生(初回):コロニーの傷口が白い菌糸によってみるみる塞がっていく。

連射:コロニーは一対の掌に、それぞれ巨大なスリケンを生成し<攻撃対象の名前>に向かって投擲した!

PC達がコロニーの体力を半分以下まで減らすか、精神力を1以下にした場合。そのタイミングで次の描写を行い、戦闘を続けるかどうかの判断をPC達に委ねる。
:コロニーは「......もう、よい。これ以上、このような些事に時を浪費するわけにはいかぬ。どこなりとゆけ。コープスモール=サンとインダクション=サンの宝も好きにして構わぬ。もとより我の使命とは何の関係もないものだ」と、辟易した様子で戦闘の終了を提案してきた。しかし、そのような態度を取りながらも、巨人の体内から溢れ出るキリングオーラは急激にその量を増しており、もしこの提案が断られれば更なるカラテを解き放ち、直ちにあなたたちを爆発四散させるつもりでいることが見て取れる。尚、PC達がこの提案に乗った場合、コロニーはこのマップから姿を消す。

PC達がコロニーを倒した場合
:「オノレ......ハトリ・ニンジャ......我が君......カツ・ワンソー......使命を果たせぬ、無力なツムギ・ニンジャを、どうか......どうか......サヨナラ!」コロニーは爆発四散し、病んだ光が空洞を照らした。

:コロニーを爆発四散させた場合、PC達は任意の『成長の壁』を1つ取り除いてよい。

財宝
:コロニーの体力を半分まで減らし、戦闘を終了させたPC達は換金アイテム『財宝』と秘宝『**スパイダー・オブ・ザ・ブッダ**』を安全に持ち帰ることが出来る。『財宝』は万札【100】に相当し、シナリオ終了時には万札として扱い、山分けすることが出来る。スパイダー・オブ・ザ・ブッダの価値は山分けの際、計算に入れてもよいし、それとは関係なくMVP的な行動を取ったキャラクターが所有することにしてもよい。

『**スパイダー・オブ・ザ・ブッダ**』
:蜘蛛をかたどった真鍮製のオブジェ。装備しておくと、『サツバツ!』で「6」の目が出たことによる即死ダメージを一度だけ無効化してくれる(使い捨て)。売却時の価格は万札【20】。ブッダ本人が存命だった時代より存在しているものとされているが、当時のモータルが有していた技術で真鍮を用いた精巧なオブジェを作成できるとは考えにくく、さらに長い年月を経ているにもかかわらず劣化の痕跡が見られないため、制作の際には強力なカトン・ジツ使いや、エンハンスメント・ジツ使いの協力があったと考えられる。ニンジャレリックとしての等級は『エピック』。

8.帰還

:階段を上っていくと、その先に扉が見えてきた。

:扉が開き、光が漏れる。扉の奥には、無数の棺桶が並べられた空間が存在していた。

:棺桶の中身は布で覆い隠されているが、開けばその中が空であることがすぐにわかる。

:外に出ると、建物の看板に「ヒラサカ共同墓地」と書かれているのが見えた。

9.シナリオの終了

 生き残っている全てのPCがヒラサカ共同墓地から脱出した時点でこのシナリオは終了である。成功度の基準は以下の通り。財宝を持ち帰った場合、評価は1段階上がる(Aの場合はA++となる)。尚、このシナリオが終了した後、PC達に与えられる余暇スロットの数は5個である。

A:コープスモールとインダクションを爆発四散させ、ソイルドラゴン・ファームが販売するマツタケの秘密を暴いた。
B:コープスモールとインダクションを爆発四散させたが、ソイルドラゴン・ファームが販売するマツタケの秘密は暴けなかった。
C:コープスモールとインダクションは爆発四散させられなかったが、ソイルドラゴン・ファームが販売するマツタケの秘密を暴いた。
D:コープスモールとインダクションを爆発四散させることも、ソイルドラゴン・ファームが販売するマツタケの秘密を暴くこともできなかった。

おまけ.ニンジャ名鑑

◆忍◆ニンジャ名鑑 #XXX 【コープスモール】◆卓◆
ヒラサカ共同墓地の墓守、ヒラサカ・ヨルマの正体は、人間の肉体を肥料に育ったマツタケを高値で売りさばく邪悪なニンジャである。ネットワーク上を主な活動の拠点としているが、本人に電子戦の技能は無く、流通、販売は同じニンジャクランのソウルを宿した仲間「インダクション」に一任している。

◆忍◆ニンジャ名鑑 #XXX 【インダクション】◆卓◆
キノコ・ニンジャクランのグレーターソウル憑依者で、キノコの栽培と販売を生業とする。体内で様々な薬物を調合することができ、その効果は人間の肉体を肥料として育ったキノコを摂取することで一段と増す。調合にかかる時間、コストは様々で、そのことを知った彼は費用対効果の高い、モータルから自我を奪う毒を中心にシノギを行うことを選んだ。

◆忍◆ニンジャ名鑑#XXXX【コロニー】◆卓◆
いくつかの古文書にその名が刻まれた異形の巨人。その正体は「暗黒のカラテ帝国」の到来まで地底の空洞で糸を紡ぎ続ける使命を負った、太古より生き続けるリアルニンジャ「ツムギ・ニンジャ」である。

セッション用Googleスプレッドシート

セッションで利用可能なマップデータ(2019/01/31追加)

おまけ.プラグイン環境用データ案

◆コロニー/ツムギ・ニンジャ(種別:ニンジャ/リアルニンジャ)
カラテ    15  体力   30
ニューロン  15  精神力  30
ワザマエ    8  脚力    8
ジツ      8  万札    0
スキル:『連続攻撃3』『連射2』『時間差』『マルチターゲット』『臨機応変』『疾駆』
ジ ツ:『★★★土神』『★★★アーチ級ツムギネット』『★★★存在格』『★★★再生5』
『★★★スリバチ・ジツ』『★毒物無効』『★回避ダイスダメージ無効』
弱 点:火炎ダメージ回避難易度+1。

★★★土神:このニンジャは『大型(5×5)』となり、『近接攻撃リーチ+2』を得、
それに加え【体力】と【精神力】が2倍となる。さらに『素手』状態の基本ダメージが5となり、
『素手』での攻撃に『肉体破壊』が適用されるようになる。
また、自身を対象とした『サツバツ!』の効果は、出目6は+D3ダメージに、
それ以外の出目は+1ダメージへ変換される。部位破壊効果を持つ『ヒサツ・ワザ』は
単純に【体力】へのダメージのみを受ける。ただし『土神』を持つニンジャは
ペナルティとして攻撃の回避難易度が+1されてしまい、『連続側転』が不可能となる。
装備は特別に可能と明記されたものでない限り基本的に不可。

★★★アーチ級ツムギネット:移動フェイズ開始時【精神力】を3消費して発動。その手番中
移動できるマスが半分(端数切り上げになるが、この移動で通行したマスを『ツムギの架け橋』へと
置き換えることができる。コロニーは自身のツムギネットを、やがて蘇るリアルニンジャ達が
歩むための「架け橋」をかけるために用いるべきものであると考えており、
ツムギネットでPC達を直接攻撃しようとはしない。

◇ツムギの架け橋:このマスで移動を開始するキャラクターは『連続側転』を行うことができない。

★★★存在格:視界内に存在する【ニューロン】3以下の『モータル』を行動不能にする。
さらに、視界内に存在する全ての敵は『精神集中』を行うのに必要な精神力が+1される。
また戦闘中、一度でも自身の【体力】または【精神力】が半分以下となったなら、それ以降の
ターン開始時に、アトモスフィアをハードへと引き上げることを宣言してもよい。
オプション:『ネオサイタマ・アウトロウズ』を導入している場合、このニンジャは【ニューロン】が
成長の壁(1)を突破していない『ニンジャ』にもNRS判定『軽度ショック(精神力判定N)』を与える
ことにしてもよい。このNRS判定に失敗した場合、出目は固定で『1:絶叫』となる。

★★★再生5:ターン終了時、【体力】【精神力】を5回復する。

★★★スリバチ・ジツ:地下でのみ発動を試みられる。『その他の行動』として【精神力】3を消費して
発動。発動を宣言した場合、敵の頭上から大量の土砂が雪崩めいて降り注ぎ、視界内の任意の
『9×9』マスにいるキャラクターに1ダメージを4回与える。この回避難易度はHARDである。
このジツは自身のいるマスを中心として発動することもでき、自身はこのジツからダメージを受けない。
このジツを回避できなかったキャラクターは、次ターンの終了時まであらゆる行動の難易度が+1
されてしまう。この効果は『ダメージ軽減』によってダメージを無効化した場合も発生する。

★回避ダイスダメージ無効:『回避ダイスダメージ』を無効化する。

★毒物無効:カナシバリ・ジツの★と同様。

利用規約

 NMはこのシナリオに含まれるデータを自ら作成したシナリオへ自由に流用できる。例えば「コープスモール」や「インダクション」が生き延びた場合、それ以降のシナリオで自由に登場させることができ「ウォーペイント」のデータを他のシナリオで使用することも出来る。ただし当シナリオのデータを流用して作成したものを公開する場合、この記事を引用元として明記すること。

 リプレイ公開への制限は特にないが、可能なら事前にTwitterで「@koyazawa_ninja」に連絡を行うこと。「ダイハードテイルズ」公式以外による無断の商用利用は一部の例外を除いて原則不可。

参考資料:「ニンジャスレイヤープラス」ダイハードテイルズ

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