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G9ProとデジカメUIアーキテクチャ

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デジカメの創成期にUIアーキテクチャをつくる仕事をしていたことをきっかけに、人間と写真、その間にあるカメラや写真を見る環境に興味をもつようになりました。その後も個人的にマクドナル… もっと読む
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#デザイン

デジカメUIエッセイでフォロワー1万人の道のり

デジカメUIエッセイでフォロワー1万人の道のり

おかげさまでnoteを再開して約1年で1万の方にフォローしていただきました。

大きくバズることもなくコンスタントに増えていってた感じです。
このことがnoteっぽいと感じました。地道に記事を書き続け、その記事が一定の確率で目に留まりフォローしてもらえたと考えています。

デジカメUI/UXというニッチな内容にどのくらいの人が興味をもっているのか知るために、キリ番の記録をキャプチャしてありましたの

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ミラーレスの魅力は、ソフトウェアの魅力

ミラーレスの魅力は、ソフトウェアの魅力

「デジタルカメラグランプリ」でLUMIX G9Proが金賞を受賞しました。(パチパチパチ)
技術賞にも「人体認識のAF」が選ばれるなど、時代に合ったタイムリーな開発も評価されており嬉しいです。

私もこのGWにG9Proで写真を沢山撮っていました。
被写体は、鳥、虫、花が多く、風が強い日もありましたが上手くカメラが合わせこんでくれて、手ブレとピンボケが以前のカメラよりも少なくなっていると思います。

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飛翔するチョウの撮り方 ~G9ProとUX~

飛翔するチョウの撮り方 ~G9ProとUX~

今年の初めに20年近く使ってきたブランドから、PanasonicのLUMIX G9Proに買い替えました。

目的は2つあり、
一つはこのnoteマガジンのネタになっているUIアーキテクチャに対する思想が自分の使い方に合っていると感じたこと、
もう一つはカメラの機能に頼って「飛んでいるチョウを撮る」ことでした。

このレポートではG9Proユーザーとノウハウを共有するだけでなく、デジカメUIアーキ

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ニッチで技術的な話題でもフォロワー1000人達成、なぜ?

ニッチで技術的な話題でもフォロワー1000人達成、なぜ?

1月28日に3年半ぶりにNoteに戻ってきて、ライフワークであったデジカメUIについて記事を書いてきました。

そのあたりの経緯はこちら

一般的な写真の記事ではなく、カメラの、それも普段気にすることもないUI全般について網羅的に書いてきたにも関わらず、

2ヶ月で1000人を超えるフォローをいただきました。(ありがとうございました!)

各記事単位でも最近は平均1000ビューとなっており、記事を

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デジカメUI: 話題の新製品のUIの話題

デジカメUI: 話題の新製品のUIの話題

CP+のタイミングで多くの新製品が発表されている。
この記事では、そんな新製品の中からUIアーキテクチャ的に気になったものをいくつか紹介する。

※DC-G9のUI解説に比べると、Webページや店頭での短時間の確認しかできていないため、記載内容に誤りが含まれることがあります。

■FUJIFILM X-H1

とにかく何もかもがアナログ(ハードウェア)設定、電源OFFでも設定状態が確認できるメリッ

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写真にどこまでの冒険が許されるのだろうか?

写真にどこまでの冒険が許されるのだろうか?

これはカメラを設計する上で「永遠の命題」である。
人生の中には、結婚式や新婚旅行など失敗できない写真がある。二度と無い瞬間がある。
だからと言って、失敗防止だけを目指すことはできない。

ユーザーに提供する作画範囲を広くすれば、その中には「失敗」と判断される写真が含まれる。逆にオート技術を使って失敗しないようにすれば「表現」の幅が狭まる。

表現の幅が狭まるということは、世の中に似たような写真ばか

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デジカメUI :アーキテクチャ以前に大切なこと

デジカメUI :アーキテクチャ以前に大切なこと

デジカメのUIアーキテクチャの話として、これまで具体的な操作方法やその目的を混在させて記事にしてたが、「まとめ第二弾」としてアーキテクチャを作るときに拠り所とする思想・階層について書いてみる。

映像文化から操作デバイスまで

この図はビジネス目線で書いたため、目的の上位を「社会・文化」としたが、個人の価値で考えればそこに「人生・歴史」がくる。

少し解説を加えると、写真に価値が認められなければ、

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デジカメUIアーキテクチャ: 体系的に読んでもらうためのまとめ

デジカメUIアーキテクチャ: 体系的に読んでもらうためのまとめ

ツイートから長文へ、そして連載へと進むにつれてコンテキストが充実し、より深く理解してもらえる一方で、全体を読み通して理解している相手が減っていくことにもなる。
これをグロースにつなげるためには、全体の流れを俯瞰してみることが有効である。この記事では過去記事を体系的に並べなおし解説をつけてみた。

”フクザツ”な存在としてのカメラPanasonicのLUMIX DC-G9の購入をきっかけに、デジタル

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デジカメUI: スマホ連携とUX拡大

デジカメUI: スマホ連携とUX拡大

デジタルカメラはそれだけで完結した製品で、撮って見るだけなら他の機器やサービスを必要としない。
初期のころはそのことが商品価値の本質でもあった。

一方でデジタル機器としてデジカメは、様々な機器やサービスと接続して、機能やユーザーの体験を拡大することができる。

以前のデジカメは、編集や管理、活用をするためにPCへ画像を転送することが中心だったが、現在はスマートフォンのアプリと一緒に使うことで撮影

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デジカメUI: 忠実記録と演出表現

デジカメUI: 忠実記録と演出表現

「デジカメUI: 画調コントロールのすすめ」でも触れたが、デジタルカメラになって写真の楽しみ方が大きく広がった。

一つは「忠実記録」の能力が、フィルムやプリントを必要としないことによって記録時間量/多視点撮影量という点で飛躍的に向上したのである。
毎日のように撮影できるようになり、活動「参加」記録としての集合写真だけでなく、活動そのものを記録するような質的な変化にもつながっている。

銀塩フィル

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LUMIX DC-G9 MarkII: 2020年1月発売予定!?

LUMIX DC-G9 MarkII: 2020年1月発売予定!?

気が早いが、買ったばかりのカメラが旧型になる未来を想像してみる。次機種の予測だ。
何かの記事でパナソニックの人がG9の名前は今後も使っていくというようなことを言っていたので機種名は「DC-G9 MarkII」で決定だろう。

2020年 東京オリンピック時期はズバリ2020年1月だ。説明するまでもないがパナソニックはオリンピックに照準を合わせて来るからである。
オリンピックなら動画カメラのGH5だ

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デジカメUI: 画調コントロールのすすめ

デジカメUI: 画調コントロールのすすめ

一般に聞き慣れない言葉であるが、現在のデジカメ全体で統一した用語が無いのでこのエントリーでは「画調」と表現しておく。
画調はAFなどの基本性能と同じように、デジカメの重要な差別化ポイントになっている。

UIの観点でいえば、これまでの状況対応中心の操作から、自己表現操作へと軸足が変わるものであったり、自分だけのカメラと思える存在になったりと、人とカメラの関係性が変わるきっかけになるものである。

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デジカメUI: UIアーキテクチャは複雑”快喜”

デジカメUI: UIアーキテクチャは複雑”快喜”

入手から一週間、ようやく近くの公園で野鳥の撮影をおこない、機能と全体の使い勝手の確認をすることができた。噂どおりの手振れ補正とフォーカス性能で、撮影前後にメニューでカスタマイズして使い勝手もかなり上げることができた。
それらを踏まえて、機能の設定や実行をおこなうUI全体についてまとめてみる。

カメラにはモードダイヤルやファンクションダイヤルのようにハードウェアとして実装されているもの(私の会社で

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デジカメUI: 狭めるフォーカス、広げるフォーカス

デジカメUI: 狭めるフォーカス、広げるフォーカス

LUMIX DC-G9の話題では、AFスピードが0.04秒だとか、人物認識が凄いだとかとカタログスペックに目がいきがちであるが、実際のところは変化する状況に最適なフォーカスモードをいかに適切に切り替えて、シャッターチャンスに対応できるかが大事である。つまり特定状況で特定のAF性能だけを論じても意味が無い。

撮影状況を整理するまずは自分の被写体と撮影状況を想定し、どんなシーンのどこにピントを合わせ

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