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【E-M1X】ライブNDで自然と都会を撮り比べる

ライブNDは水の流れを表現するだけでなく、被写体の動きを利用してさまざまな表現をおこなうことができます。

10連休の1日目は檜原村まで行き滝を撮影してき、3日目には東京駅の周辺で、人の流れを使って表現してみました。
自然と都会を対比して同じ機能を使ってみることで、機能やUIに必要なことが確認できたのでまとめておきます。

1日目に撮影した払沢の滝(檜原村)


ライブNDの基本的な技術解説は、製品Webページのリンクを張っておきます。



ライブNDの第一の目的は、明るいところでも長時間露出を可能にして「ライブタイム」のような表現に使うことです。

滝の流れは白い線となり、人の動きで風景の中から存在が消えていきます。

通常、明るい環境では、絞り値を大きくして、ISO感度を下げても、露光時間(シャッター速)を長くすることができませんが、ライブNDでは最大で32倍の長さまで伸ばすことができます
つまり、ISO64、絞り値F22、1秒で露出が適正の場合、NDを32にすると、32秒のシャッター速で撮影することができるわけです。

そもそも夕方など既に暗い環境では、ISO感度を低く固定し、絞り値を大きくすることだけで、シャッター速を長くすることができますのでNDを使わなくても良いのですが、明るい昼間にはNDを使わないと表現できない世界があります。

もう一つ、ライブNDを使うメリットとして、ファインダー表示がシャッター速分の時間を合成してってくれるため、事前に撮影結果を確認できる点があります。
先ほどの通常撮影でもシャッター速を長くすることができる場合でも、ライブNDを使うメリットはあります。

ただし、ライブビューに表示されるのはレリーズ前までで、ライブタイムでは表示されている撮影中の「軌跡」が表示されず、ブラックアウトしてしまい撮影結果が出来上がる過程を確認することはできません。

上の写真が20秒、下が1秒です。人が多い観光地でも人物が動いている場所では人影を消した表現をおこなうことができます。



本当にこのUIがベストだったのか?

ライブNDの使い方としては「動くものの軌跡を描く」というところにあります。水のように揺らいでいるものでは逆に平坦化することで「動きを止めて描く」ことができます。

つまり「時間×動き」によって内容が刻々と変化するため、ある程度時間が長くなれば事前に時間を決めるよりも「ライブバルブ」のように画像を確認しながら、切り上げられるようにした方が使い易いはずです

今回のライブNDでは、これまでNDフィルターを使っていた人にとっては経験が活かせて良いのかもしれませんが、写真表現として実際にコントロールしたいことに直観的では無いのが気になりました。

ISO、絞り値、露出補正、NDの組み合わせの結果として、シャッター速の選択範囲が決まります。
多くの場合ISOと絞り値は、上限に張り付いている状態ですので、NDの値がシャッター速を決定する状況になりますが、NDの設定画面にシャッター速や露出不成立を表示してくれていませんので、即物的にNDを設定するしかなくなるのです。

一つのアイデアとしては、ライブNDの設定をON/OFFにするか、固定値の他に「AUTO」を持っていると、ユーザーは単にシャッター速を選択するだけで動的にND値を決定することができるようになります。

またND値のAUTO化は現在の4段階のステップから、より細かい値を採用することにもつながります。そうなってくると、NDの技術をISO Lowに統合してしまうというアイデアも出てくることになります。

露出組み合わせの1要素でありながら、設定が深く、露出情報表示が無いため、直感的な設定をおこなうことができない。


その他のライブNDの使い道

メカニカルな動作としてシャッター幕を動かしていた時には、1/8000秒がほぼ上限となっていました。その場合にはF1.2などの絞り値を使って背景をボカして撮影することができない場合が派生してしまいます。

しかし最近では電子シャッターを使うことで1/32000秒まで高速のシャッターを選択できますので、そのような目的でNDフィルターを必要とする場面は少なくなっていますが、露出の選択肢が増えることで新たな表現に繋がる可能性があることも忘れないようにしなければなりません。

2秒の手持ちができるのか?

オリンパスの一眼カメラは手振れ補正の性能が高いことが知られており、ブログなどを見ていると「2秒の手持ちでブレてない」というような書き込みを目にすることがあります。

水や人、乗り物も2秒もあれば大きな動きになりますので、理屈上はライブNDを使って、動きの表現を手持ち撮影でできるはずです。

まだきちんとした形で「手持ちライブND」にトライしたことが無いので、機会をみてやってみようと思っています。



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