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ファインチューンとフォトレシピが変える、女子カメラの未来。

先月から今月にかけてFUJIFILM、CANONそしてOLYMPUSと相次いで女性をメインターゲットにしたカメラが発表されました。これまでも女性が写真を楽しむ選択肢として存在感を示してきたシリーズの新製品です。

現在、カメラらしいテイストのカメラが主流となっているなかで、アクセサリーやカワイイ小物テイストの「女子カメラ」が各社から発売されています。

代表的なのが今回発表された、OLYMPUS Pen PLシリーズ、FUJIFILM X-Aシリーズ、CANON M3桁シリーズです。

もちろん、操作が簡単で小型軽量なカメラとして誰が買っても良いのですが、実際に機械テイストのカメラよりも、女性比率が高いということで、ここでは女子カメラと呼ばせていただきます。

OLYMPUS PEN E-PL10

ハードウェアとしてはマイナーチェンジになりますが、これまでいくつかの項目の種類を選んで組み合わせとるしかできなかったアートフィルターに、ユーザーが自分の好みに調整できる「ファインチューン」という考え方が追加されました。

これは自分の好みに仕上げることで「私が表現した写真」という自己帰属感を増幅する役割があります。選択肢が少なかったり、変化のステップが大きすぎると帰属感が薄れてしまいますが、アナログ的な操作でファインチューンをおこなうことで自己帰属感と自己満足感を高めることができるはずです。

また外観についても、よりファッション全体の中でコーディネイトしやすいトーンに調整されています。襟のかたちやボタンの色だけで全く感じ方が変わるファッションの世界では、カメラのカラバリという以上に大きな違いとして感じられるのではないでしょうか。

FUJIFILM X-A7

富士フイルムのフィルムシミュレーションは「空気感」のような微妙な違いを提供し評価されてきました。これまで昔の体験をベースにフィルムを選んで撮影するユーザーを想定してたところがありましたが、X-A7では、2つのフィルムを並べて直接比較させることで「今の体験」へと変えてきました。

CANON EOS M200+fotomoti(アプリ)

カメラとしては、以前の機種から搭載されているものがほとんどですが、キヤノンはとにかく様々な方法で、撮影や操作を知ってもらい、クリエイティブな写真を撮ってもらおうと努力をしています。

今回新たに登場したのが、「fotomoti(フォトモチ)」というアプリです。これまでメーカーが準備した写真ガイドを提供するところは多くありましたが、キヤノンはユーザーコンテンツとしてフォトレシピを集める方向に舵を切りました。

今はカメラとの直接的な繋がりはありませんが、そのうち新しいUIとして融合してくることになると思います。

新しい写真表現のためのUI

これらの3機種に共通するのは「新しい写真表現のためのUI/UX」を提案してきている点です。

オートに設定してシャッターを切れば普通に写せるようになった現在、よりタフな性能や連写などによって非日常の世界を狙っていく撮影領域の拡大ではなく、日常や旅行、パーティーといった範囲の中でより表現領域を拡大し、こだわりの写真に仕上げていくためのUIを提供しようとしています。

主に提供される価値は次のようなものになります。

より繊細で微妙な違いを調整できる
画面を見ながら直感的に試行錯誤できる
表現することをポジティブにする動機とつながる

一眼スタイルの機種が得意とする動きの中で一瞬を捉えるというよりも、被写体に対して対話をしながらじっくりと仕上げていく絵画のように楽しむイメージなのかもしれません。

どの新しいUIも、シンプルに撮影するのに対しては「手間」がかかる方向のものになっています。(同じ効果を他の手段でやるよりもオールインワンでシンプルですが・・・)

はからずも、OLYMPUSとCANONで「(自分)らしさ」というキーワードが重なりました。またCANONとFUJIFILMで「(スマホのような)タッチ」というところも重なっています。

未来の女子カメラは、シャッターボタンを押すだけのシンプルなものではなく、リッチなUIによって表現を盛り上げて助けてくれるものになっていくはずです。またその表現がファッションやメイクアップのように自信を持たせてくれたり生活をイキイキと輝かせてくれる存在になっていくことを願っています。

※記事内の各画像はメーカーのホームページならびに公式動画からの引用になります。画像にホームページへのリンクを張り付けてあります。

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