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望遠鏡と顕微鏡とメガネとカメラ

自分よりもずっと大きくて遠くのものを見るものが望遠鏡なら、自分よりずっと小さい世界を見るのが顕微鏡です。
一部の研究者以外の人にとっては特別な存在のものと言えます。

それに対してメガネは日常のものごとを見るためのものです。かなり早い時期に「ウェアラブル」になりました。
人間の耳と鼻の形は、まるでメガネを掛けるために存在していたかのように丁度良い場所にあり、固定の仕方や素材には多少の試行錯誤を経て人といつも一緒にいる存在となりました。

ではカメラはどうでしょうか。小型化することでウェアラブルになり私たちのライフログを記録することができるようになりました。メガネと一体化して物体認識をおこない私たちの知能を拡張してくれる新しい道具に進化していくことが期待されています。

もう一方でカメラはドローンとなり、私たちの身体を離れ自由な視点や空間を手に入れました。
地球から遠く離れたリュウグウからの画像を送ってくるハヤブサ2は究極のドローンカメラであり、望遠鏡ということができます。

これまで4つの別々のものだと考えられていたものの境目が無くなり新しい概念の装置に生まれ変わろうとしています。そしてその新しい装置は私たちに知識を与え、新しい精神、新しい哲学が生まれてくることになるはずです。

言葉や文字の発明が私たちの認識を広げ、印刷技術が私たちのつながりを変えたように、映像活用がイマジネーションを進化させていくのではないでしょうか。

製品としてのデジカメはポスト・オリンピックがターニングポイントになると思いますが、もっとマクロの視点で見ることでカメラが人類の歴史を変えていく未来を想像することがとても重要だと考えています。

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