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高性能カメラを使う意味

今度の10連休に、Lumix G9ProとO-MD E-M1Xの2台を持って色々な被写体を撮り比べてみる予定で、とても楽しみにしています。

G9とM1Xはどちらも非常に高性能なカメラです。一部のスペックが両機種よりも上のカメラもありますが、機能の豊富さとコンセプトの先進性では、現時点でトップグループにいることは間違いありません。

私の興味は、画質などにはなく、撮影が困難な被写体や環境の中で、どのようなユーザーインターフェイス(UI)によって、撮影を成功させ、人に喜びや達成感を与えることができるのかという点にあります。

カメラがデジタルになった時に可能性が始まり、一旦簡単なコンパクトカメラとフィルムを撮像素子に変えただけの一眼レフという世界で停滞しましたが、一眼レフによるライブビュー撮影とミラーレス一眼の登場で一気に可能性が現実のものになりました。

特に最近の高価格で高性能なミラーレスの登場は、デジタル技術をふんだんに使える環境としいて重要なものになっています。

ミラーレスという構成によってそれらが生み出せる理由についてはこれまでの記事に書いてきたので今回は割愛し、代表的なポイントだけ列挙してみます。


ハードウェアとしての満足感と安心感

両機種ともプロカメラマンが使用することを前提として、耐久性や耐環境性を持っており、金属を使った剛性感の高いボディーです。

実際に過酷な状況で撮影する機会は少ないですが「カメラのことを心配しなくてよい」という心の余裕は、作品を撮影する上で重要なポイントになります。

言い訳できない状況作り

撮影機会の多さや、用意できる状況にはプロとアマチュアではどうしても差があります。しかし機材が平等なら、自分の目の前で起きる出来事に限定すればプロと同じように撮れる可能性があるということになります。

アマチュアにとって撮影は趣味や遊びですが、だからこそもう一頑張りするためのモチベーションとして高性能なカメラは欠かせないのです。


撮れなかったシーンを撮る

高性能なカメラは、機能が多く理解するのが大変ですが、実は色々な状況で助けてくれる機能も豊富なのです。

完全にカメラ任せにするのではなく、事前に設定しておくことで希望通りに撮影することができるようになります。
手間は増えますが、ユーザーの能力を補ってくれます。

最近のトレンドとしては、オートフォーカスの機能進化が素晴らしく、撮影者が合わせたい被写体に自動で合う(合い続ける)ことによって、フレーミングの自由度や試行錯誤のやりやすさが格段に向上することです。

被写体を画面内の自由な位置に置きながら、連写することができるようになります。
これは実験してみるつもりですが、鉄道写真を考えてみると、横構図で列車全体を撮影し、そのまま連写しながら縦構図で先頭車両を画面いっぱいに写し込むこともできるようになるのです。


全部撮り(丸撮り)

思った瞬間、思った設定で、思った場所にピントを合わせて最高の1枚が撮影できれば良いのですが、それはプロにとっても難しいことで、現在では、あらゆるシーンを全部まるごと撮影しておく方向に変わってきています。

現在の高性能カメラの多くは、このコンセプトに向かってしのぎを削っており、おそらく今度の東京オリンピックでは、ミラーレスカメラのサイレント撮影で、極めて大量の丸撮り写真が撮られるようになると思います。

連写による時間の丸撮りはもちろんのこと、フォーカスブラケットや、露出、絞り、シャッター速、ホワイトハウスなど多きの設定を撮影しておき、後からじっくり選択することができます。

新しいところでは、レンズの収差補正をソフトウェアでおこなえるようになったことで、広角+ハイレゾショットを使って任意のフレーミングで切り出せるようになってきています。

また再生環境としてプリントを前提としないプレイヤーアプリを使う観賞方法も一般的になってきていて、丸撮りそのものが決定的な写真を得る手段から、コンテンツそのものになってきているということもできます。


まとめ

古いカメラを使いこなすことや、あえてチープなカメラやレンズを楽しむという方向も非常に楽しいと思いますが、「カメラの未来」を想像して楽しんでいる私としては、高性能なカメラを使って新しい撮影方法や表現を見つけていくことがカメラとの付き合い方になっています。

AI技術の活用やロボティクスなど、これからもカメラに多くの技術が取り込まれ新しいUIと伴に、新しい写真表現が可能になるはずです。
そのような新しい技術はまず高性能なカメラに搭載され、その後に中級クラス、一般的なカメラへと徐々に採用されていくことになります。

高性能なカメラを使う意味は、少しでも早く新しい技術を体験するための投資なのです。

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