デジカメUI入門:5 ドライブ

ドライブとはカメラの中でいまいちピンとこない用語です。
動きを感じる言葉だから連写とかを想像する場合にはピッタリですが、私の解釈では「ドライブ=シャッター」という意味でとらえています。
そのなかには、じっくりと時間をかけて撮るようなシャッターも含まれます。

自動露出(AE)ができても、オートフォーカスができても、シャッターだけは自動にはならないように思っている人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。

シャッターは写真にとって「時間」をコントロールする機能になります。
どのタイミングでシャッターを切るかはとても重要です。

ドライブはそのシャッターの世界を広げる役割を持ちます。

実際のカメラでドライブの中にはいっているのは、単写、連写、セルフタイマー、ブラケットくらいで、後は独立した撮影機能となっています。

ただ大きな概念でドライブの仲間ですから、同日使うことができない排他関係になってる場合が多いと思います。

ただし解釈次第では、セルフタイマーと連写や、インターベル撮影とブラケットが同時に設定できるなど、必要な画像を効率的に撮影できる機種もあるようです。

ドライブのUIというのは具体的に説明しにくのですが、多彩なドライブ機能を持つLumix G9のドライブモードダイヤルを代表して説明しておきます。


丸(全部)撮り

上の表でもいろいろな機能の名前がついていますが、デジカメ時代のドライブの本質は、より多くの出来事を丸撮り(全部撮り)することにあると言えます。

多くの撮影をすることで、それを組み合わせることや、その中から選択することで、より満足する写真を作り出すことが可能になります。

全部撮りの進化は、まず1枚の写真から始まり、ブラケット撮影、連写撮影と少しづつ適切な露出の写真、適切な瞬間の写真という風に贅沢な撮り方になってきました。

デジカメになってからも、カメラ内で画像合成などができない時代は、単に沢山の画像を撮ってその中から選択するという目的で撮影されてきましたが、技術の進化によってカメラ内で複数画像の合成ができるようになり、HDR、コンポジット、インターバル動画など新しい表現に進化してきました。

これからも、時間(高分解、長時間)、空間(高精細、広角360度)、画像+データなど関連性(コンテキスト)をもった画像群として広がっていきます。

そして、撮る技術の進化と同時に、見る・見せる技術が追い付いていかなければなりません。
UIデザイナーは、新しい撮影機能やドライブを考えるときにはぜひそれを再生したり活用するシーンも合わせてデザインして欲しいと思います。

何年か前に3Dテレビがはやったときにはデジカメでも3D画像の撮影機能が搭載されましたが、いまいち盛り上がりませんでした。
こんどのVRゴーグルの登場は、全部撮りの再生環境として新しいプラットフォームになれるでしょうか。


マルチ撮影で”文脈撮り”

マルチ撮影とは、ユーザーの撮影行為の前後や、複数のカメラを連動させたりして、時間・空間を丸撮りするものです。

望遠と広角を同時に撮影したり、複数の方向から撮影したり、静止画と動画を同時に撮影することで、画像同士の関係から文脈(コンテキスト)をもった画像群ができます。そのような画像群は単独の画像よりも多くの情報を含んでおり、それらのデータもカメラが扱う情報の一部となっていきます。

言うまでもなくカメラは情報が多ければそれだけ適切な制御やアシストができるようになるため、ユーザーの意思とは関係なしに情報収集のために画像を取得することが考えられます。

もちろん電池問題やプライバシーの問題がありますのでやみくもにカメラが撮影する訳ではありませんが、ユーザーが撮影しようとする前後は特に情報収集の頻度があがるはずです。

そんなカメラの活動の中から「せっかくだから画像として保存しておこう」というものが現われます。これがユーザーからみると自動撮影の始まりとなります。

もう一つは、初めからユーザーは自分で撮影する意思が無いライフログカメラが、現在のゴミのような写真を大量に撮るものから、適切なタイミングに適切なアングルで見るに堪える写真を撮るように進化していくことになると考えられます。



自動撮影の夜明け前(いや、もう明けてますよ)

ドライブの進化の方向として、カメラが自動で撮影する機能があります。
AIや自立して移動できるドローンの登場によって本格的に開花する技術になりますが、デジカメではかなり以前から自動撮影は沢山の事例があります。

人物を認識してフォーカスを合わせる機能とほぼ同時期にから「スマイルシャッター(ソニー)」という機能が登場しています。
名前の通り、笑顔になるとシャッターが切れるものです。

それ以降も二人が近づくと撮影される「カップルタイマー」、設定した人数がそろうと撮影される「グループタイマー」などの自動撮影が誕生しています。

そして登場してきたのが、ソニーの「パーティーショット」です。

このように各社の工夫をみていると、デジカメUIをデザインすることが楽しかった時代を思い出します。
それに比べて、最近の進化は性能アップに寄り過ぎていて、その高性能を使いこなすためにUIが使われている状態です。

この先もう一度、カメラと人との新しい関係をデザインするときに、カメラUIが楽しいものになっていくと信じたいと思います。


各作例画像はメーカーのホームページから引用しています。
画像にはリンクが張られています。



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