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【E-M1X】手持ちハイレゾ/深度合成を実際に使ってみる

手持ちハイレゾが必要になる場面が自分にどれくらいあるのか分からないのですが、使用しているPCのモニターは4Kのものを使っているので、通常の撮影とどの程度違いが出るのか確認してみたいと思っていました。

失敗しない手持ちハイレゾショット

もともとオリンパスのカメラは手振れ補正の性能が高いため、超望遠でも安定したファインダー像と画像を得ることができますが、その状況で「手持ちハイレゾ」を撮影することで安定したハイレゾ画像が得られます。

M1Xでは手振れ補正をしっかり効かせつつ、手持ちでハイレゾショットができるようになったことで、撮影後の処理時間を考えなければ通常の撮影と変わらない感覚で撮影することができるようになりました。

現在のUIは、ドライブモードの一つとして並んでいます。これは、処理時間の問題で連写などが出来ないことから排他的な関係が分かりやすいという配慮があるのだと思いますが、UX上は画質設定の方にあった方が、画像の利用目的による選択、メモリーカードやPC環境による選択として考えやすくなるのではないかと思います。

将来は、HDR撮影や多重露光撮影、さらにBKT撮影などが新しい撮影モード概念として整理されていくことになると思いますが、しばらくは見つけにくいドライブモードの末端に置かれることになりそうです。

ハイレゾショットをONにするためにはドライブメニューからハイレゾショットを選択する。撮影メニュー2の「ハイレゾショット」の項目からハイレゾショットモードに入ることはできないので注意が必要です。

ハイレゾショットのUX的な本誌は画素数のアップです。それに相応しい解像感を作り出すことが技術的な側面です。

通常: 5184×3888
ハイレゾ: 8160×6120 (約1.6倍の画素数になる)

私の使い方(画像鑑賞の方法)でメリットと言えるのは、ドット数が増えた分の解像感も上がっているので、そのままトリミングで利用できる範囲が拡大できる点です。

逆にデメリットは、撮影後に処理時間が発生し、連続して撮影することができなくなります。また画面内で動くものがあれば汚くボケた画像になります。ただ動いていることで処理に失敗するという経験はまだなく、動いていない部分ではしっかりとハイレゾにしてくれます。

ファイルサイズはRAWで比較すると 16MBが37MBに増えているため、PCでの扱いはちょっと大変になると思います。

上の写真の赤枠部分を拡大したものが下の2つの画像であるが、同時に記録した通常撮影画像に対して確かに解像感が上がっており、ハイレゾショットの処理時間のタイムラグはあるが、基本的に成功するものとして撮影することができるため風景撮影では積極的に利用するメリットはあると感じた。

※地点からスカイツリーまでは約13.5kmで雲が低く靄が掛かっている状況





続いては深度合成についてです。深度合成は表現として、背景は大きくボカしたいけれども被写体には全体にピントを合わせたいという、これまでの写真表現では出来なかったことを実現する技術です。

私はフィールドで虫や花のマクロ写真を撮るので、実際の撮影状況で使うことができるのかは大きな興味を持っていましたので、さっそく実験してみました。

成功を祈る深度合成

深度合成でも画像内の情報量を増やすことができます。画素数という意味ではなく被写体のディテール情報をしっかりと持たせることができます。

必要な範囲にピントが合っているが背景は十分にボケた状態となる(上)。それに対して花びらの内側にピントを合わせた通常の写真(下)では少し被写界深度が足りない。

この写真と撮るための操作に対しては、少し疑問が残るUIになっています。
まず機能がフォーカスモードではなく露出などのBKTの仲間になっています。
これまでBKTは「複数の画像を保存する」ということになっていましたが、フォーカスブラケットで合成をONにすると、コンセプトが逆になってしまいます。

むしろHDRや多重露光撮影と似た考えと思われますが、M1Xではフォーカスをずらした複数の写真を保存する方を優先した考え方を採用したことになります。

左肩にあるBKTボタンは単押しでBKTのON/OFFに動作し、長押しで上記のメニュー画面が表示される。

深度合成を成功させるためには、フォーカスステップと撮影枚数を最適にしなければなりませんが、その塩梅が良く分からないため、設定を変えて撮影してみることになるが、メニューが深すぎて操作性は大変悪い状態である。


記録写真としての情報量増加であれば単純に増やせば良いのですが、作品撮影に生かそうとする場合には、どの部分の情報を増やすのか試行錯誤を繰り返さなくてならないので、処理が速いということの恩恵は想像以上に大きいと感じました。




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