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宇宙人の白い手

私はUFOに乗ったことがある、と、思う。

嘘つきと思われるので、他人にはあんまり言ってない。

母と、親友のひとりには話したが、反応は思っていた通りで、失笑された後で心配された。

親友は「疲れてるのかなぁ?」とか「眠れてる?」とか、私が病んでいると思ったようだ。

私は毎日8時間睡眠&好きなことを仕事にしていて、サラリーマンが忙しく働いてる時間に毎日のんびり散歩をするという、ご隠居さんのようなスローライフをさせていただいている。

病んでるわけがない。

UFOに乗ったのは、2021年1月12日の真夜中。

その頃、Youtubeでコバシャールさんという方のチャンネルを知ったばかりで、彼が宇宙人にアブダクションされたり、地底人に会った話しをしている動画などを観ていた。

コバシャールさんというのは、岐阜在住の髪の長い40代後半くらいのお兄さんで「バシャールが好きすぎる小林さん」ということで、コバシャールと呼ばれているらしい。

私はそれまで、宇宙人とかUFOとかにそんなに興味があったわけではないんだけど、コバシャールさんがアブダクションされた話しに強く引き込まれた。

なんでも、UFOの中でシャンパンゴールドのプールにチャポンっと浸されたらしい。

そのプールは人の身体を消毒する目的らしいのだけど、とても気持ちがよくて、プールの周りには鳥山明が描くような変わったカタチの建物が建っていたそうだ。

私はそのプールに入ってみたくなった。

「シャンパンゴールド」というキラキラした響きに魅かれたんだと思う。

そのYoutubeを観た後に、近くを散歩した。

私が住んでいる関東地方の冬は、高い確率で澄み切った青空なので、その日も気持ちいいほど突き抜けた青空と光り輝く太陽の下、元気に散歩していた。

そして、空に向かって何度も心の中で語りかけた。

「UFOに乗りたいです!シャンパンゴールドのプールに入れてください!でも、宇宙人はちょっと怖いので、いきなり現れないでちょっとずつ姿を見せてください!」

するとその日の真夜中、トイレに起きた後なかなか寝付けず目を瞑って眠りの波がやってくるのをじっと待っていたら、
突然まばゆい光に包まれた。

眩しすぎるぐらいの真っ白な光で、突然のことにすごくびっくりした。

同時に、身体が物凄く激しく振動しだした。

正確に言えば、後になって、あの時身体が激しく振動したのだと思ったのであって、その時の感覚は、光のトンネルの中をもの凄いスピードで飛んでるような感覚だった。

自分の身体がジェット機になったみたいだった。

え?!ええ?!ナニコレ!ナニコレーーー!!!

と混乱してるうちに、気付くと静かな空間にいた。

私の視界にあるのは、パソコンのキーボードのような光るボタンとそれを操作する白い腕だけだった。

白い腕といっても、「色白」なんてレベルではなく、ほんとに真っ白。

例えるなら、冷凍イカみたいな色だった。

実際、色といい質感といい、イカのようだなとその時思った。

トゥルンとしてる。

宇宙人の白い手

触ってないけど、触るときっとイカのようなビニールのような触感なんじゃないかと予想する。

でも、形状は人間の手と同じようなカタチだった。

そして、キーボードを操作する手しか見えてないのに、すごく楽しそうだなと思った。

ルンルンしてる波動が伝わってきた。

私は、胸がいっぱいになって「ありがとう!こんなに早くUFOに乗せてくれて。とても優しいんだね!」

と、感謝の意を伝えた。

本心からお礼を言ったんだけど、笑われてしまった。

その笑い声からして、視界に入ってないだけで回りには複数人いたのだと思う。

更にお礼を口にしようとしたら、口の中に「気」のようなモノがググっと入ってきて、そのまま布団の中で意識が戻った。

その間、体感では30秒。
長くても50秒くらい。

不思議だったのは、UFOに乗ってる間じゅう、寝ている掛布団の感覚があったこと。

そして、掛布団の上に置いた私の右手の甲に、そっと優しく添えられた誰かの温かな手の感触。

その手の感触が、トゥルンとした真っ白な手と同質のように感じられたこと。

布団の中で目を開けた時、いつもの部屋でいつもの布団にくるまり、いつものように一人で横になっていたわけだけど、
あれは絶対に夢ではない。

寝てるときに見る夢がどんなものかよく知っている。

夢の内容も割と覚えているタイプだ。

でも、あのUFO体験は、夢とは明らかに違った。

現実と同じ感覚。鮮明さ。

でも、同時に布団に寝ている感覚もあった。

後から、UFOについてググって知ったことだけど、肉体ごとUFOに乗るパターンと、意識だけ乗るパターンがあるらしい。

どうやら私は意識だけ乗せてもらえたようだ。

道理で、シャンパンゴールドのプールで消毒されなかったわけだ。

手しか見えなかったのは、宇宙人の姿を見るのが怖いから徐々に姿を現してとお願いしたからなのかもしれない。

彼らはどこの星の出身なのだろう?

楽し気で、優し気で、とても心地よかった。

次は、せめて3分は乗せてほしいな。

あれから、散歩の度に空に向かってお願いしているのだけど、まだ2回目の乗車は叶っていない。




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