「無くてもいいものがある」ということ

数日前から、ブログを始めた。

noteがあればいいと思っていたのだが、どうもnoteにはカッコつけた文章しか書けないような気がしている。それがなぜかは分からないが、現に今こうして書いている文章も、既にどこか自分のものではないような感覚さえある。

ブログやTwitterをひと目見てもらえばすぐに分かるだろう。逆にTwitterを先に見たという方は今この文章を読んで動揺を隠しきれないでいることだろう。

普段の私はこんな文章を書かない。noteでだけだ。私のこのような文章を好きで読んでくださっている方が果たしてどれ程いるのかは分からないが、そういった方にはぜひnoteだけを読んでいていただきたい。失望されてしまう恐れが多分にある。

そうは言っても一人のライターとして、自分の好きなものについて好き勝手に書ける場所が欲しかった。それを求めて、新しい土地を開拓したのだ。

ごく普通の、何の変哲もない雑記ブログなのだが、コンセプトを一つ決めてある。

「美味い飯と酒と、それに合うもんの追求」だ。

ごく普通の、何の変哲もない大学生である私は、Instagramのいわゆる「リアアカ」と呼ばれるものを持っている。実際に交友関係にある人にのみ見せる、プライベートなアカウントのことだ。そしてそのアカウントのプロフィールには「美味い飯と酒と、それに合うもんが好きです。」と書いている。これはブログを始める前、もっと言えば、この仕事を始める前から書いていたものだ。noteなんて手を出そうとも思わなかった時期に書いたもので、カッコつけたわけでもなく、自分で考えたありのままの自分の言葉に違いない。

なぜそのようなことを書こうと思ったのかは覚えていない。というより、おそらく何も考えずにただ自分を表現する言葉として書いたのだろう。

そしてブログのコンセプトにも同じ言葉を選んだ。

しかし、今のところ公開している4記事は、どれも飯とも酒ともかけ離れた内容だ。読んだ本の感想、Evernoteを使ったスケジュール管理の方法など、どれも口に入れられるものですらない。

- = - = - = - = -

何度も言うが、私は美味い飯と美味い酒が好きで、それに合うものも勿論好きだ。それはなぜかと考えた時、あることに気がついた。

飯は別に美味くなくても死にはしない。ある程度の栄養とある程度の満腹感が得られれば何の問題もない。酒に至っては、味の善し悪しにかかわらず無くてもいいものだ。

それでも、美味いほうがいい。

誰しもそうだろう。美味い飯や酒が与えてくれる幸福感は何物にも代えがたい。

それらを考慮すると、もしかすると人間は「無くてもいいものがある」ということに幸せを感じる生き物なのかもしれない。

「無くてもいいもの」は大抵、飯や酒を美味くする。

高い服を着たり、きれいな景色を見たり、良い曲を聴いたり、良い映画を観たり、良い文章を読んだり、明日でも問題ない仕事が今日のうちに終わったり、80点でも問題ないテストで85点を取ったりした日の飯や酒は、美味い。

私はおそらく「無駄を愛すること」が好きなのだ。

私のnoteを読んでくださっている方のほとんどは、以前投稿した「毎日100メモ」の記事をきっかけに私を知ってくれたのだろうと思う。

今でも続けているあの習慣は、思えばとんでもない無駄の積み重ねである。それでも私は心から楽しんでいる。それはおそらく、1日100項目の新しい知識の中に、毎日少なくとも1つや2つは飯や酒を美味くしてくれるものがあるからだろう。それを求めるためだけに、10月末に始めたこの途方もない無駄の積み重ねを、私は今でも続けているのだと思う。

本の感想を書いたのも、そこに記された羽生善治氏の考え方に感動したからで、Evernoteによるスケジュール管理について書いたのも、それによって仕事が前倒しで進むようになった清々しさがあったからだ。どちらも無くても生きていける感情だ。

すべては飯や酒を少しだけ美味くする「無駄」のために書いているものだった。自分の好きなものについて書くということが、こんなにも自分を知ることに繋がるとは思ってもみなかった。

ここまで書いてまた新たに感じたのだが、私は美味い飯や酒が好きというよりはむしろ、「飯や酒を美味くするもの」が好きなのではないだろうか。正確には自分でも分からないのだが、何となくそんな気がしなくもない。ただ、美味い飯と酒も「愛すべき無駄」の一部であることは、間違いないと思っている。

私はきっと今後も「美味い飯と酒と、それに合うもんの追求」を続けることだろう。それは労力が必要なものでもなく、仕事だと思うようなものでもない。ただ単に「無くてもいいものがある」状態を求めるという、人間の贅沢で本能的な欲求に従っているだけのことである。

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

note.user.nickname || note.user.urlname

最後までお読みいただきありがとうございます。 ご支援いただいたお金は「美味い飯と酒と、それに合うもん」に使わせていただいております。 そんな無駄遣いに、ご協力いただけると幸いです。

6

吉田 コウ

コラム

色んなことを考えた証拠。自己満足の記録です。
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。