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褒めても伸びない人?!

「褒めて伸ばす」という言葉がありますが、必ずしもそれがすべての人にとって効果的なフィードバックとは限りません。むしろネガティブなフィードバックによってモチベーションを高められることもあるのです。悪い点を指摘された方が伸びる人もいるのです。

では、どんな人がネガティブなフィードバックに向いているのでしょう?


ベテラン社員はネガティブなフィードバックからモチベーションを上げる

まだあまり仕事に慣れていない新入社員に、いきなり厳しい言葉をかければ、「自分はこの仕事に向いていないのではないか」と、後ろ向きな気持ちになってしまうかもしれません。

逆に経験も専門知識も十分なベテラン社員であれば、ネガティブなフィードバックは進捗の遅れを教えてくれるサインとして受け止めることもできます。
もちろん、ネガティブなフィードバックはベテラン社員であっても耳の痛い情報かもしれませんが、それで決意が揺らぐことはあまりありません。むしろさらなる努力が必要だとモチベーションが高まります。

ポジティブなフィードバックが意欲を下げる

シカゴ大学のアイエレット・フィッシュバック教授は、環境保護団体に参加している学生と、そうでない学生それぞれにリサイクルのやり方についてフィードバックをしました。半分の学生には正しいリサイクルの実施を褒め、残りの半分の学生にはやり方が正しくないと指摘しました。

すると、環境保護団体に参加していて、リサイクルに対して日頃から気を使っていた学生は、自分が正しくないと聞かされると、その後の活動にいっそう意欲的になりました。ところが、ポジティブなフィードバックを受けた学生は、それほど意欲的にはならなかったのです。

逆に、環境保護団体に参加していなかった学生は、褒められた方がよりリサイクルに積極的になり、ネガティブなフィードバックを受け取った場合は、リサイクルに対して消極的になっていました。

ベテラン社員はネガティブなフィードバックを求める

経験と専門知識がある人の方は、ネガティブなフィードバックをさらなる努力が必要だというサインと受け止め、モチベーションに変えることができるのです。

職場でも、そういったベテラン社員は、むしろネガティブなフィードバックを求める傾向にあります。さらなるスキルアップを図るためには良い点ばかりでなく、悪い点を指摘された方が有益な情報となることがあるからです。

外国語を学ぶ学生を対象にした別の研究でも、初級講座の学生より、上級口座の学生の方がネガティブなフィードバックを積極手に講師に求める傾向があることが確認されました。

だからといって、悪い点ばかりを指摘した方がいいというわけではありません。その人のさらなる成長を願って、的確な指摘をすることが重要だということはいうまでもありません。

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