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笑って暮らそう、今日も明日も、その先も

「今日も暑いねー。」
「毎日、"暑い"って何回も言っちゃうねー。」
「だって暑いんだもん。」
こざる達は、笑います。

仕方ないですね、真夏ですから。
それでも、もう少し気温が下がるといいのですが。
こう命の危険を感じる暑さがずっと続くのはしんどいですね。

こざる達は 今日もいつものように わいわいお喋りしながら、
朝ごはんの仕度をしています。

「お腹空いたー。」
こざるちゃんが そう言うので、皆がまた笑います。

「あれ? 何かおかしい?」
「だって、"暑いー"って言ったと思ったら、
次は"お腹空いたー"なんだもん。」
「いいんだよー、お腹が空くのは元気な証拠だよ。」
「そうだよ、ぼく達は健康だし、こんな呑気にしていられるってことは、
とても幸せなことなんだよ。」
皆、うんうん頷きます。

こざる達は、昨夜、りこちゃんが寝た後の
いつものコーヒータイムで、映画『この世界の片隅に』を観ました。
普段は お喋りしたり コーヒー飲んで
お茶菓子をつまんで、賑やかなのですが、
昨夜は、皆、静かに映画を観ていました。

「ぼく達、以前も観たんだけど、昨夜はテレビでやっていて、
それで観たんだ。」
「とてもとてもいい作品なんだけど、戦争なので辛くて、
それでぼく達、観るのをどうしようか迷ったんだけどね。」
「でも皆、この作品が大好きで、ちょうどテレビでやるんだから
観ようよって観たんだ。」
「やっぱり観て良かったよ。」
「りこちゃん、あの時、小さな女の子で東京大空襲を逃げて生き延びたんだって
また思ったよ。」
皆、静かに頷きます。

とても丁寧に大切に作られた映画です。
普通の庶民の日常の暮らし、
静かに質素に慎ましく暮している その中に突然、戦争が入ってきます。
多くのものを破壊して、主人公も右手を失ってしまいます。
そして戦争が終わった後も、人々の生活は続いていきます。

こざるちゃんが言います。
「みんな、笑うて暮せりゃええのにね。」
皆、うんうん頷きます。

主人公すずのお姑さんが言った言葉です。
すずも「ほんまですね。」と答えます。

「そうなんだよ、みんなが笑って暮せるのが幸せなんだよ。」
本当にその通りだと思います。

今月は戦争関連の番組が多いのですが、
こざる達は、りこちゃんには あまり見せないようにしようと思っています。

「りこちゃんは、80を過ぎているから、もう辛い思いは何もしなくていいんだ。」
「楽しく穏やかに、毎日、笑って暮せるようにね。」

朝ごはんの仕度が出来たようです。

「りこちゃん、呼んでくるねー。」
こざるちゃんが涙を拭いて、りこちゃんの部屋へ向かいます。
他のこざる達も、皆、目に涙が光っています。

「りこちゃーん、朝ごはんできたよ。
今朝は温泉玉子があるよー。茗荷と葱のお味噌汁も作ったよ!
皆で一緒に美味しい朝ごはんを食べよう!」

こざるカフェは、今日も ゆっくり始まって
のんびり 穏やかに時間が流れていきます。

読んで下さって、どうもありがとうございます。
明日は少しは気温が下がるのでしょうか?
よい毎日でありますように (^_^)


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