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蚊取り線香のにおい

「かゆいよー、かゆいよー。」
さっきスーパーへ買い物に行ってきた こざるちゃんは、
帰り道、蚊に刺されました。

「薬、塗った?」
「塗ったよー。でも まだかゆいんだよ。」

こざるちゃんは、かゆくてかゆくて、ガーッとかきむしりました。

「そんなに かいたら血が出ちゃうよー。」
「だって かゆいんだもん。」

そして また黄色のラベルの薬を塗ります。
どうなるか、わかりますよね。

「あ゛ーーー。」
「大丈夫?」

かきむしったところにヒンヤリした薬が染みて
痛痒いのです。
こうなるとわかっていても、どうしてもやってしまいますね。

「家の中には、蚊はいないよね。」
「うん、シューってスプレーしてるからね。」
「りこちゃんが刺されないように気をつけないとね。」

これから秋になってくると、ヤブ蚊も出てきます。

「ヤブ蚊は、また一段とかゆいんだよー。」
「蚊取り線香、つけようか。」
「そうだねー。」

少し落ち着いた こざるちゃんが言います。
「あの蚊取り線香のにおい、好きだな。」
「うん、夏のにおいだよね。」
皆、うんうん頷きます。

風鈴がチリンチリンと鳴って、心地いい風が入ってきて、
遠くでミーンミーンと蝉が鳴いているのが聞こえて、
蚊取り線香のにおいがして…….
懐かしい夏の昼寝の風景です。

「起きたら、スイカ食べるんだ。」
「かき氷もいいな。」
「ぼく、アイスバー。」
「氷を入れたカルピス!」
「じゃあ、ぼくは何がいいかなぁ。」

こざるちゃんが、蚊取り線香を出してきました。
「りこちゃんの部屋は、電気式のにしようね。」
皆、うんうん頷きます。

そろそろ夕飯の仕度を始めましょうか。
「今夜は ちらし寿司だよ!」
「りこちゃんに、蚊に刺されたとこ、見せてくるー。」
こざるちゃんが、りこちゃんの部屋へ向かいます。


こざるカフェは、今日も ゆっくりゆっくり
のんびり 穏やかに時間が流れていきます。

読んで下さって、どうもありがとうございます。
蚊に刺されると、本当にたまらなくかゆいですよね。
よい毎日でありますように (^_^)

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