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最初の一歩は、小さくても偉大な一歩

 4月になって3度目の週末です。
数週間前と比べて、春から初夏のような青空の日が
多くなってきたようです。

「朝の日差しも、カッて強くなってきたよ。」
「うん、眩しくて、熱いよね。」

季節は日々、少しずつ確実に進んでいます。

 今朝も りこちゃんと こざる達は、いつものように
皆で一緒に、賑やかに 朝ごはんを食べています。

「りこちゃん、このチーズトースト、
チーズとパンの間に しらすが入っているから、よく嚼んで食べてね。」
「うん。」
こざるちゃんは、食べやすいように 少し小さく切った
チーズしらすトーストを りこちゃんの お皿にのせます。
「はい、どうぞ。少しずつ食べてね。」
「ありがとう、こざるちゃん。」
りこちゃんは、嬉しそうに トーストを食べます。
「美味しいねー。」
こざるちゃんは、りこちゃんの隣で、嬉しそうに見ています。

「今日は土曜日かー。」
こざるちゃんが言います。
平日の朝だったら、窓の外から、通勤、通学の人々の歩く音や、
自転車の音、子供達や お父さん、お母さんの声などが 聞こえてきます。

「今日は静かな朝だね。」
「今月から新しい生活を始めた人たちも、
少し慣れて ほっとしてきた頃かなぁ。」
「でも、ずっと緊張しているから、
そろそろ疲れが出る頃なのかもしれないよ。」

新しいことを始める時は、しばらくは全力で集中する毎日です。
身も心も、疲れが溜まってきた頃でしょう。

「昨日、ラジオで言ってたんだけど、
4月19日は、地図の日で、伊能忠敬が蝦夷地の測量に
出発した日だったんだよ。」
こざるちゃんが言います。

 1800年の4月19日、伊能忠敬が測量に出発して、
その後、16年間、測量をしながら全国を歩いたのです。

「日本中を歩いて測量して、地図を作ったっていうのが、
本当にすごいよね。」
「それでね、別名、"最初の一歩の日"なんだよ。」
「へー、最初の一歩の日って、何か いい響きだね!」
皆、うんうん、頷きます。

「何でも、どんなことでも、最初の一歩があるんだよね。」
そうですね、どんな小さなことにでも、最初の一歩はあります。

「りこちゃん、前に、最初は何でも大変だけど、
 ちゃんと続けていれば、そのうちに慣れるからねーって言ってたよね。」
「そうよー。」
りこちゃんも、にこにこしながら言います。

 新しいことに 慣れる早さは、人によって違います。
最初は、なかなか上手くいかなくても、焦らずに 諦めずに
自分のペースで続ければ、そのうちに必ず出来るようになって、
慣れてきます。

「あのね、伊能忠敬が測量を始めたのは、56歳の時だったんだよ!」
「えーっ!!」
「伊能忠敬、すごいね!! 」

今の時代であったとしても、56歳で新しいことを始める、
それも全国を歩き回るなんて、驚きますが、
江戸時代ですから、本当に偉大だと思います。

「偉大な最初の一歩だよね。」
「本当に、そうだね。」

皆、朝ごはんを食べ終わったようです。

「もう少ししたら、朝ドラが始まるよー。」
「じゃあ、ちょっとコーヒー、淹れてくるね。」
こざるちゃんが、台所に向かいます。

こざるちゃんが台所でラジオをつけると、
テンポのいい歌が流れてきます。

「サイコロ転がして1の目が出たけれど
双六の文字には "ふりだしに戻る"
キミはきっと言うだろう "あなたらしいわね"と」

斉藤和義の『やさしくなりたい』です。

こざるちゃんも、リズムに乗って一緒に歌いながら
コーヒーの仕度をします。

「地球儀を回して世界100周
ボクらで回そう 待ってておくれ」

こざるカフェは、今日も ゆっくり始まって
のんびり 穏やかに時間が流れていきます。

読んで下さって、どうもありがとうございます。
伊能忠敬は体力はもちろんですが、
その精神と根気強さと、本当に偉大な超人だと思います。
よい毎日でありますように (^_^)

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