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桜餅 ここにも春が

 今日は朝から晴れて、水色のきれいな空に
白い淡い雲が浮かんでいます。
「春の空だねー。」
こざるちゃんは 空を眺めて 嬉しそうです。

 今朝も いつものように りこちゃんと こざる達、
皆で一緒に朝ごはんを食べます。

 テレビのニュース見ていると、あちこちから春の便りで、
桃、梅、菜の花、早咲きの桜、黄色、ピンク、白、
きれいな春の色が画面一杯に広がっています。

「わぁ りこちゃん、綺麗だねー。」
「うん、綺麗だねー。」
「春だねー。嬉しいねー。」
「嬉しいね。」

テレビの中のアナウンサー、リポーターも
みんな 嬉しそうです。

「春って嬉しいねー。」
「わくわくするよね。」
「きっとね、ぼく達、冬眠しないで起きているけど、
でも 春が来ると 体も心も 冬眠から覚めた感じに
近くなるんじゃないかな。」
「ああ、そうかもしれないね。」
「日差しも冬と違って、明るく強いしね。」

「そうだ!」
こざるちゃんが、何か思いついたようです。

「うんとね、今日のおやつ、桜餅にしようよ!」
「わぁ、桜餅!」
「うん。りこちゃん、桜餅にしようよ。」
「いいね。」
りこちゃんも こざる達も、桜餅が大好きです。
江戸っ子の りこちゃんは、関東風の桜餅が好みです。

「あの桜の葉っぱの香りもいいよね。」
「ふわーって、桜の香りがするよね。」
「あとで、買いに行ってくるよー。」

こざる達は食いしん坊なので、いつも食べ物のことばかり考えています。

「昔、みんなで お茶会やって、桜餅を食べたことがあったよね。」
「うんうん。楽しかったねー。」

 りこちゃんは、昔、茶道をきちんと習って、
お茶会にも よく出かけていました。
こざる達は、自分たちも お茶会やりたいと言って、
それで りこちゃんが やってくれたのです。

「最初に 桜餅が出てきて、とても美味しそうだったから
ぼく達 食べちゃって。」
「それで、りこちゃん、桜餅 先に食べちゃったよーって言ったら、
それでいいのよってね。」
そうです。先に お菓子を食べて、その後に お抹茶が出てきますね。

「あれは いい順番だよね。」こざるちゃんが言います。
「きっとね、昔の人も、わぁ 美味しそう!って思ったから、
先に食べようって決めたんだと思うよ。」

そして、その後に、りこちゃんが点ててくれた お抹茶を頂きました。
「あの 綺麗な緑色の お抹茶も美味しかったなぁ。」
「ズズーって飲むんだよね。」
こざる達は、りこちゃんに作法を教わって 頂きました。

「今度、また お茶会やろうよ。」
「うん、りこちゃん、ぼく達が お茶会やるから、
りこちゃんは お客さまだよ。」
「まぁ、嬉しいねー。」

多くの人たちと同じように、りこちゃんと こざる達も、
桜餅に たくさんの思い出があります。

「じゃあ、食後のコーヒー、淹れてくるねー。」
「僕も行くよー。」
「お願いねー。」
食後のコーヒー チームのこざる達が二人、台所へ向かいます。

ラジオから春の歌が流れています。
「どこかで春が 生まれてる どこかで水が流れ出す」
「あ、『どこかで春が』だね。」

「どこかで 雲雀が鳴いている どこかで芽の出る音がする」
こざる達も一緒に歌いながら、コーヒーを淹れます。

こざるカフェは、今日も ゆっくりゆっくり
のんびり 穏やかに時間が流れていきます。

読んで下さって、どうもありがとうございます。
桜の芽も、日毎に大きくなってきているようです。
よい毎日でありますように (^_^)


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