見出し画像

今年も皆で 土用の丑の日

朝から豪雨のニュースが
ずっと流れています。
「命を守る行動をとってください。」と
頻繁に聞くようになりました。

「被害がなく、皆が無事でいられるように願うよ。」
皆、うんうん頷きます。
こざる達も心配しています。

「それで今夜はどうしようか?」

昼下がりのこざるカフェでは、
こざる達が何やら思案顔です。

「もうすぐ 土用の丑の日なんだよ。」
「鰻を食べるんだけどね。」

りこちゃんは鰻が大好きです。
以前は 皆でよく 浅草の鰻屋さんへ
行きました。
今は遠出はしませんが、毎年 土用の丑の日には、必ず鰻を食べています。

「それで今年も鰻を食べようと思っているんだけど、今年は 鰻重よりも、散らし寿司にしようかって。」
「試しに今日、予行演習で作ってみようかって相談していたんだよ。」
「りこちゃんが出来るだけ美味しく食べやすいようにしたいんだ。」
皆、うんうん頷きます。

「でもね」
こざるちゃんが ちょっと しょんぼりして
言います。

「実は 昨夜も 散らし寿司だったんだ。」

そうでした。
こざる達は 一所懸命に団扇であおいで
酢めしを作りました。

「でも鰻は入ってなかったし、
たとえ同じものだとしても、別に
りこちゃんは何も言わないよ!」
皆、うんうん頷きます。

りこちゃんは、こざる達が作ったご飯を
いつも美味しいと喜んで食べてくれます。
それに りこちゃんは 昨夜何を食べたかなんて覚えていません。
けれども 皆で一緒に食べて
美味しかった、楽しかったという感情は ちゃんと残ります。

「そうだね。じゃあ鰻の散らし寿司に
しよう!」
「よし!ちょっと鰻、買って来るよ。」

こざる達が二人、買い物に出かける仕度を
します。


「いってきまーす。」
「いってらっしゃーい。よろしく頼むよ。」

こざるカフェは、今日も ゆっくりゆっくり
のんびり 穏やかに時間が流れていきます。

読んで下さって、どうもありがとうございます。
毎年、土用の丑の日は 何となく縁起物のように鰻を食べています。
よい毎日でありますように(^_^)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?