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いつもの世界の外に 飛び出してみよう

今日は一日、ずっと曇っていました。
雨は降りそうで 降らず、でも晴れてくることもなく、
それでも夕焼けの頃になると、少し西の空が明るくなりました。

「夕焼けまで赤くはならなかったけれど、
精一杯、頑張った感じがしたよ。」
「明日、明後日は、雨予報だね。」
そのようです。

りこちゃんと こざる達は、いつものように 皆で一緒に 夕食を食べました。
そして食後のお茶を飲みながら、
先日、録画した大好きな番組を観ています。

『やまと尼寺精進日記』っていって、
奈良県 桜井の 山の上にあるお寺の番組なんだ。」
「音羽観音時っていう尼寺なんだけど、
住職さんと、副住職さんと、お手伝いさんと、
あと地元の人たちが、いつも笑顔で、
それで美味しいもの作って食べて、とっても幸せそうなんだよ。」

いつも笑顔で、いつも美味しいものを作って食べている….
これは幸せに決まっています。

りこちゃんも、こざる達も、この番組が大好きで、
毎月月末に放送するのを とても楽しみにしています。

「今回のタイトルは『卯月 春のハレの日 花ざかり』だよ。」
「お寺最大の法会"大般若会"が春にあって、その仕度をするんだよ。」

山菜や筍で松花堂弁当を手作りして、綺麗に盛りつけています。

「わぁ、とっても綺麗だねー。」
「すごーく美味しそうだよ!」
食いしん坊の りこちゃんと こざる達は、
わいわい言いながら画面を見つめます。

そして大般若会の当日には、
更に 具沢山のちらし寿司に、温かい うどんも登場しました。

「ここのお寺に行きたいねー。」
「山の上のお寺で、スーパーとかコンビニとか、何もお店がないのに、
いっつも 美味しいものがたくさんあるんだよー。」
本当に その通りなのです。

そして今回、皆が驚いたのが、
「フォカッチャ、作ってるよー!」
イタリアのパン、フォカッチャを料理上手の副住職さんが作っています。

「お寺なのに、イタリアだよ! イタリアのパンだよ!」
「この前、イタリアの人がお参りに来て、
それで教えてもらったんだって。」
和食、精進料理、その世界の外にあるイタリアンです。

副住職さんは、塩の代わりに、桜の塩漬けを入れたものと、
酒粕と奈良漬けを入れたもの、二種類のフォカッチャを作っています。
自分のアイデアで、まるで実験のようです。

「イタリアンだけど、味付けは和食だねー。」

「不安なことが何もなかったら、出来上がりのドキドキ感もない。
どんなんなるんだろう?」
と、副住職さん。とっても楽しそうに調理を進めます。
そして羊羹や、金柑も入れています。

翌朝、住職さん、副住職さん、お手伝いのまっちゃん、
三人で コーヒーを淹れて、焼き上がったフォカッチャで朝ごはんです。
桜の塩漬けフォカッチャは、美味しいと好評でしたが、
酒粕の方は、今ひとつだったようです。
酒饅頭のようになる予定でしたが、まだ研究の余地ありのようです。

「いつも三人で、楽しそうに笑いながら、
美味しいものを食べているよね。」
「ぼく達と同じだねー。」
みんな、幸せそうです。

「ぼく達も、この連休で、何か新しいものを作ってみようよ。」
「うん、そうしよう!」
お寺でイタリアンに挑戦するように、
いつもの自分の世界の外にあるもの、
垣根を越えて 飛び出して、何か新しいものに挑戦するのって、
ワクワク、ドキドキ、とても楽しみです。

「りこちゃん、何か新しい、おいしいもの作るからねー。」

今日も こざるカフェでは、ゆっくりゆっくり
のんびり 穏やかに時間が流れていきます。

読んで下さって、どうもありがとうございます。
いよいよ明日は、平成の最後の一日です。
よい毎日でありますように (^_^)

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