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たくさんの思いが巡る、桜の季節

「写真、撮って来たよー。」
「見せてー。」

 今日も にぎやかな こざる達、
皆で 夕飯の仕度をしています。
窓から見える月が大きくて 綺麗だというので、
「ちょっと 表で写真撮ってくるね。」と、
こざるちゃんが写真を撮って来たのです。
後で りこちゃんに見せるためです。

「本当だ、大きくて 明るくて、くっきりしているね。」
「満月なのかな?」
満月は、明日のようです。

「桜は、どうだった?」
外に出ると、すぐに桜の並木道です。

「もう少しかな。蕾は大きくなっているけど、
まだ一輪も咲いていないよ。」
「でも、これだけ暖かいから、あと少しだね。」
「うん、そうだね。」
こざる達はワイワイお喋りしながらも、ちょっと しみじみとします。

「ぼく、いつも 桜が咲く頃になると『あん』を思い出すんだ。」
こざる達は、皆、うんうん、頷いています。

 ドリアン助川さんの小説『あん』には、
桜や春の場面、そしてモチーフが 随所に散りばめられています。
映画にもなりました。

 こざる達は、最初に本を読んで、深く深く感動しました。
そして映画を観て、こちらも素晴らしく、
その後、何度もまた本を読んだり、映画を観ているのです。

「この『あん』も そうだけど、
桜の咲く頃は、ちょうど別れと出会いの季節だから、
いろんな思いがあるよね。」
「うん、皆、お花見すると、あの時は ああだったとか、
また別の時は こうだったとか、それぞれ たくさん思い出があるからね。」
「桜は嬉しいんだけど、同じように ちょっと悲しいことも思い出して、
切なくなったりするよ。」
こざる達は、しみじみと、いろいろなことを思い出しています。

 嬉しかったことも、楽しかったことも、
また寂しかったこと、悲しかったことも、
桜を見ると、たくさんのことが思い出されます。

 ラジオからは、こざる達の大好きな歌が聴こえてきます。
「なぜ めぐり逢うのかを 私たちは 何も知らない
 いつ めぐり逢うのかを 私たちは いつも知らない」

中島みゆきの『糸』です。
こざる達は、静かに聴いています。

「縦の糸は あなた 横の糸は私
 織りなす布は いつか誰かを 暖めうるかもしれない」

そろそろ夕飯が出来上がります。

「りこちゃん、呼んでくるねー。」
こざるちゃんが、りこちゃんの部屋に向かいます。

「りこちゃーん、もうすぐ夕飯だよー。
今夜はイチロー選手を応援しながら、食べるよー。」

こざるカフェは、今日も ゆっくりゆっくり、
のんびり 穏やかに時間が流れていきます。

読んで下さって、どうもありがとうございます。
野球をしているイチロー選手、とてもかっこいいです。
よい毎日でありますように (^_^)


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どうもありがとうございます٩(๑❛ᴗ❛๑)۶
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こざるカフェの日々ウールー

ひっそりと、こっそりと、空想でカフェを始めることにしました。 「ウールー」は、フランス語で heureux と綴り、「幸せな」という意味です。営業時間は不定期です。 こざる達は 人間のおばあさんの りこちゃんと 一緒に暮していて、時々、登場します。
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