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風が吹いて夏から秋に

今夜も りこちゃんとこざる達は いつものように
皆で賑やかにお喋りしながら、 一緒に夕飯を食べています。
テレビでは夜のニュースをやっています。

「あ! これ、りこちゃんが言ってたお祭りじゃない?」
「おわら風の盆だね!」

富山の八尾で毎年九月初めに行われている
おわら風の盆の様子をニュースでやっています。

「ずっと前に、りこちゃんが 風の盆っていうお祭りがあってね、
って、お話ししてくれたんだよね。」
「それで、じゃあ今度、皆で行こうよって話していて…」
「結局、行かずにきちゃったねー。」

そういうことが多いのです。
いつか行こうねーと話していても、ちゃんと行動に移さないと
また来年、そのうちなどと言っているうちに、
どんどん月日が経っていくのです。

「今度と化け物、出たことない」
りこちゃんが よく話していました。

美しい趣のある旋律が流れています。
「胡弓の音色が 哀愁を帯びていてなんとも言えないよ。」
「皆が静かに踊るのも、情緒があって とても美しいね。」
「優雅なんだけど、京都のようなきらびやかな感じではなくて、
庶民の凛とした美しさみたいな感じかなぁ。」
「そうだねー、庶民の質素なんだけど上品な感じがするよ。」
「気高い感じだね。」
皆、うんうん頷きます。

「街並もとっても美しいよ。」
「このお祭りに ぴったりな風情があるね。」
「風の盆っていう名前も、いいなぁ。」
「そうそう、りこちゃんが昔、話してくれた時に、そう言ってた!」
りこちゃんが 笑顔で頷きます。

「夏が終わるんだって感じがするね。」
「本当にそうだね。」
「風が吹いて、秋が来るんだっていう感じもするよ。」

皆、夕飯を食べ終わったようです。

「じゃあ 食後のお茶、淹れてくるねー。」
「お茶菓子も お願い!」

お茶当番のこざるが二人、台所へ向かいます。
「夏が終わるんだねー。」
「でも大好きな黄金色の秋がやってくるよ!」
「お茶菓子、何を持って行く?」
「うーんと、頂いたバウムクーヘンがあるよ!」
「わぁ、食べよう! 皆で食べよう!」
こざる達は嬉しそうです。


こざるカフェは、今日も ゆっくりゆっくり
のんびり 穏やかに時間が流れていきます。

読んで下さって、どうもありがとうございます。
日本各地に 行きたいところ、行きたい催しがたくさんあります。
よい毎日でありますように (^_^)

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