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W杯 クロアチア戦を振り返る

日本時間12/5の夜、クロアチア代表との闘いで僕らの代表のカタールでの挑戦は終わりました。僕は大会前に「このチームはノルマはきちんと達成する。なのでベスト16へは進出する。でも、ベスト8という目標にはたどり着けないと思う」と予想したので的中したんですが…もちろんあまり嬉しくはないですね。当然にクロアチアに勝ってほしかったし、勝てる試合だったとも思います。

結果をとにかく求めたこの大会において、徹底して相手の出方に合わせたグループリーグ3試合と比較し、クロアチア戦は(やはりベルギー一択で準備していたのか…)かなり自分たちが主導した試合となりました。ポゼッションがということだけではなく、かなり「らしさ」を出した試合となったことで面白いゲームでした。正直、最初の3試合は劇的展開というブーストで面白く感じてましたが試合として面白かったわけではなかったですけども、この試合はエンターテイメント性高く、日本・クロアチアファン以外の人が見ても楽しめたんじゃないでしょうか。

なによりも驚いたのは、これまでセットプレーからのゴールがほぼ0で、全くいじらなかった(トリックプレー的なものもなかった)森保JAPANがこの試合で急に変わったセットプレーをやりまくってきたことです。得点も、CKをショートで繋いで、堂安が右サイドから左足でゴールに向かうボールを入れ、吉田が折り返したところを前田が仕留めました。吉田の折り返しは相手ともみくちゃになってましたが、あれは完全に「設計されたセットプレー」でしたね。素晴らしかった。

試合前に友人たちと「ここまでセットプレー隠してて、ここで使ってきたら森保さんガチの勝負師だけど…さすがにコスタリカ戦ですら使わなかったからないかね」みたいな話をしてたんですが…ガチの勝負師でしたね笑。本気でベスト8を狙って、ここまでは辿り着くことを信じて、ドイツにもコスタリカにもスペインにも使わずに我慢した。これは凄い。本当に凄い。

そんなわけで森保さんの「勝負師ぶり」には感服しまくったわけですが、とは言え、大会前から何度も書いているとおり、今の日本代表の「とにかくW杯で結果を出せばそれでいい、それだけ」という方向性に全く納得していない僕としては、今大会をどう捉えるべきかモヤモヤしてもいます。

今後については(負けはしたけれども)このクロアチア戦をベースにして、相手によってカメレオンにもなりつつ…というのを日本のスタイルにしていくべきだと思っていて。それはすなわちオシムJAPANなんですけども。そういう方向性を明確に磨いていくのなら納得できるのですが「アジアで勝たないといけないから」という言い訳で、W杯直前に奇襲仕掛けることしかできないチーム作りを繰り返すことに辟易しているわけです。奇襲すればW杯で勝てますよ、たしかに。それを森保さんはわかってる。でも、何度も出場しているチームがそれしかできないってやっぱりダサいですよ。僕らの代表がそうあってほしくはない。

リンクを貼った記事の中で、今大会の日本の核であった鎌田選手も敗退後に「今回のやり方(完全に引いて守ってのカウンター)で戦ったとしても、先はない」と語っています。彼はもっとやれたはずですし、そういうチームになれなかったことを歯がゆく思っていた一人だと思います。2014年にザックJAPANがチャレンジしたようなことをもう一回やれとは言いません(ザックJAPAN大好き人間ですが、あれはさすがにピュアすぎたとも思います)。オシムさんが目指していたことを実現しようということです。

それと、今回負けた直接的な原因、つまりはPKですが。外した選手を個人的に責めるようなことはもちろんすべきではないですが、そろそろ日本はPKをきちんと考える必要があると思います。調子乗り世代のワールドユース、W杯南アフリカ、そして今回。特に若い選手が主体となって勢いよく勝ち上がったタイミングで日本はPKでこけすぎです。例えばベテラン主体でキッカーを組むとか(大舞台で若手が外した時のダメージがでかすぎる)、PKに強烈に強いGKを育てて延長後半最後に投入するとか、できることはたくさんあるはずです。

PKはどちらのチームにとっても不幸なものですが、だからこそ勝ち取れるものは勝ち取りたい。今回の日本には十分にその資格があったと思いますしね。だからこそ悔しい。

嬉しかったり、関心したり、モヤモヤしたり、未来のことを考えたり…いろいろ忙しいですけど、毎度のことですがこの期間とても楽しかった。やっぱりW杯は出場してなんぼなのは間違いない。選手、スタッフ、サポーターの皆さん本当にお疲れ様でした。

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