見出し画像

ほこらのかみさま

日本は八百万の神々と言う言葉に表れているように、身の回りには様々な神様がいると考えられているけれども。

私の住んでる地域には、安全を守ってくれるかみさまがいる。
今日はその中でも、とあるほこらのような場所にひっそりとすんでいる、あるかみさまのお話。

かみさまがいるのは、とある幹線道路のそば。その幹線道路は隣の県に向かうトンネルへ通じていたり、市街地やその他様々な方面へとつながる地域の重要な道路。もちろんいつでも交通量は多い。土日などだと隣の県に向かう車で軽く渋滞をするくらい。高速道路のインターチェンジにも近い。
そんな高速道路下の小さなトンネルのような場所に、かみさまはいる。小さなトンネルがほこらのようなので、ほこらのかみさまと私が勝手に呼んでいるだけなのだが。
かみさまは人目につかないそのトンネルの中で、ひっそりと往来する車を見守っている。
気づいている人もいるだろうが、気づいていない人も多いだろう。
かみさまは、ただ静かに車の往来を見守っている。

そう、かみさまの怒りに触れない限り。

私はいつものように、仕事でかみさまのいる辺りの道路を走っていた。ちょうどかみさまのいるところには信号があり、私は赤信号で止まった。あぁ、今日もかみさまはいるなぁ…と見ていたその時、かみさまの怒りに触れるものが現れた。

そう、赤信号を突っ切って猛スピードで走っていく車だ。

かみさまは見逃さなかった。

かみさまは怒ると頭が赤く光り始める。そして、空気を切り裂くようなけたたましい轟音をたて、とてつもない速さでならず者の元へと迫っていく。
赤い光が出ている限り、かみさまを誰も止めることは出来ない。誰にも邪魔することは許されないのだ。

あっという間に、かみさまはその車を捉えた。

そして、その車はかみさまによって私財をちょっぴり奪われてしまうのだ。

ルールを守って走っていたら、かみさまは怒らず追いかけてこない。

私は知っている。ほこらのかみさまは安全を守ってくれると同時に、ならず者を待っているんだと。俗世でいる『のるま』とかいうもののために。

だからと言うわけではないが、私はかみさまがいる場所でも、ほこらにかみさまがいない日でも、交通ルールは守るのだ。

おわり(・∀・)

…しょうもない話ですみません…。