無題

”ありのまま”って、こんなにも難しい。|ウタトコト②

「ウタトコト」とは?=歌×言
歌と文章を組み合わせて、1つの作品のように発表しています。

このページの最後には、”今日の歌”の動画があります。まず聞いてみたい!という方は遠慮なく文章を飛ばして、音楽を聴いてみてください!


こんにちは。シンガーソングライターの嘉村こずえです。
10連休、スタートしましたね!みなさん楽しんでますか?
私はこんな企画を始めちゃったものですから、GWもせっせと録音やら撮影やら、自宅でやることいっぱいです。笑 

さて今回、歌とエッセイで思いを綴るウタトコトの自主連載、「自分と世界を抱きしめる」の第2回となります!
前回の投稿から約一週間ですが、歌、文章、それぞれに色んな反応を頂けて、すごくうれしく思っています。今回も思いを込めて書き、歌いましたので、ぜひ最後までお付き合い頂けると嬉しいです。

前回の投稿(「ウタトコト「自分と世界を抱きしめる」①この時代の生きづらさの中で見つけた、私の青写真」)で「ありのままで生きられない」といったこの時代の生きづらさと、その中で自分が歌を通して表現活動をするようになったという話を書きました。
今回は、私が実際に、どんな過去の葛藤と向き合っていたか、という話を書いてみたいと思います。

徐々に失った”自分のままでいる感覚”

子どもの頃って、誰しも内面がピュアですよね。
みんなはっきり「自分」とかゆう認識もなく、自分のまま、あるがまま
私も子どものころは、かなりマイワールド全開でした。
愛知県知多半島ののどかな町で育ち、自然にたくさん触れ、外遊び大好きのおてんば。好奇心旺盛で、音楽、スポーツ、なんでもやってみたがり。
とりわけ心を奪われたのは、「宇宙」。星空を眺めながら、「この世界の始まりは?宇宙の外側はどうなってるの?」と、思いを巡らせたり、とにかく世界の「真理」みたいなものに興味があった。夢は宇宙飛行士でした。
小学校頃になると、学校で世の中の色々な問題を教わる中、私は本気で「世の中が平和になるにはどうしたらいいんだろう、何をしたらいいんだろう」ってずっと考えていました。

その頃の私は、今よりずっと、宇宙とか、遠い国で生きてる人たちとか、世界に境目を作ることなく心を開いていて、関心を向けていた気がします。
こどもってわがままも多いですが、ある意味自我が弱く、一番神に近い存在なんて言われるのも聞いたことがあります。それこそ、みんなセーラームーンとかアンパンマンとか、「正義の味方」にあこがれる。
大人になると仕事やら責任やら、ただ身の回りのことに追われがちになりますが、そういう「誰かの役に立ちたい」とゆう気持ちって、人が本来は誰しも根底に持ってるものなんだと思います。

そんな私ですが、成長していくにつれ、だんだんと自分の「浮世離れ」度合いに気付くようになります。学校で休み時間に、平和や宇宙の始まりなんかの話をしている友達はいません。
周りはそれぞれ「仲良しグループ」をつくっていますが、多少気の合う、合わないの差はあれ「みんな愛すべき隣人、ともだち」みたいな気分だったので、そのある一定の境界を作った付き合い方もよくわかりません。

ですが。だからこそ。自分を適応させなくちゃいけないと思いました。
小・中学校の時はまだ、JAXAの宇宙飛行士の体験合宿に行ったり、広島の平和学習に参加にしたりと、思いを色々と行動に移していました。
でも、日増しに強まる、自分がそのままのテンションでいると、周りから”浮いている”という感覚。それがしんどくて、だんだんと行動も発言も、友達付き合いとか、娯楽とか、日常の身の回りにあるものに意識を向けて、まわりになじむようにしました。
そうしていると、みんなと共有できることが多くなる分、楽しいことも沢山ありました。だけど、心の奥底から溢れる、本当に自分がやりたいことへの思いや、そこへ向かうエネルギーそのものが閉じていったように思います。

ずっと持っていた自責の念

自分の深い部分に蓋をするようになったのは、他にも原因がありました。
これは周りの影響とかあまり関係なく、私は学生時代、どこかで自分自身を責めたり、嘲っているようなところがありました。

それは、自分の理想像と、実際の自分とのギャップからです。
平和について何かできないかと思っていた自分が、学校でいじめられてる子一人助けられない。それどころか、長いものに巻かれている、それが学校生活での現実でした。そんな自分に幻滅して「目の前にいる人を守れないのに、何か世の中の為に行動を起こす資格はないよな…」と思ったり。
そんな自己嫌悪から、さらに自分の使命感や真剣な気持ちには蓋をするようになり、高校生ぐらいになると、ネジを一本抜いたくらい騒がしくミーハーなノリで生きるようになりました。

大学生の頃も、国際協力やボランティア活動に精を出す友人をどこかで気になりながらも、自分はファッションにはまっていて、「衣食住さえ満たされない人たちがいるのに、自分が楽しむことばかり優先してる私が国際協力なんてできるわけない」と、何も行動を起こしませんでした。

こうしてみると、すごく考えが極端ですよね^^;
今だから、「自分を犠牲にして助ける」とかじゃなく、自分を満たした上で、等身大でできることをやったらいいんだと思います。
でも以前は、自分の内面や行動に矛盾を感じると許せなくて、なかなか自分を肯定できなかったのです。
前回の投稿に、冷笑主義が蔓延していると書きましたが、実は自分が一番、自分を認めず、冷笑していたようなものでした。

何より人が好きだった

こうして振り返ってると、私の過去は偽りだらけだったんだね、なんて昔からの友達に言われてしまいそうです。でも、そんなつもりはありません。
私が自分の深い内面を出せずに、周りに合わせてしまっていたこと、それは私が何より「人が好きだったから」でもあるのです。
人と何か気持ちを共有したり、分かち合えることがうれしくて、自分の幸せだったから、とった行動でした。
そして、自分の深い部分からの声で何か行動を起こす、ということは確かにしてこなかったけれど、その時の自分なりに、周りの人にはちゃんと向き合ってきたつもりで、これまでの思い出も宝物だし、今でも繋がっていてくれる人たちのことを大切に思っています。

ただ、私は他人への共感性が強すぎて、息をするように、相手の感情や世界に、自分の周波数を合わせてしまっていた部分はあると思います。
その結果、人と調和できる自分が全部のアイデンティティみたいになってしまって、自分の軸が全然なくなってしまったのです。
だから、いざ「自分が人生で何をしていくのか」という大きな選択をする時、壁にぶち当たりました。
それは、大学の就職活動の時でした。ずっと自分に深く向き合うのを避けてきた私は、就職活動が始まっても全く体が動かなかったのです。
そして、この時を転機に、「これまでのやり方を変えなくちゃ」と思うことができました。それが今に繋がっています。

自分のありのままとつながり続けること 

今日のタイトルにあるように、私にとって、”ありのまま”でいることって、こんなにも難しいことでした。
我ながら生真面目すぎて笑ってしまうようなエピソードもあります。
でも、それですら、きっと人生ではかかせないパーツなんだと思います。

子どもの頃ように、身も心も軽く天真爛漫に生きられたら、どんなに幸せでしょうか。
自分を偽って生きていると、どんどん、余計なものが、自分の肩の上に、頭の中に、心の周りに、重くまとわりついてくる気がします。
でも、どんな環境にあっても、時代にあっても、心から感じていることを手放さずに、自分の中心と繋がり続けることができれば、もっとシンプルに幸せにいられると思います。

私がそれを実感したのは、歌で表現をしていこうと決め、それを行動に起こした時でした。自分が変化したことで、世界が全く違って見えました。
それまでとは何かまったく流れが違う、新しい日々がスタートしたのです。

◆今日の歌 「ちいさなかばん(2019.ver)」 

さて、それでは最後に本日の歌をお届けします。
これは、私が歌を歌い始めた時に、それまで気づかずに背負っていた余計な荷物を、ごそっとおろせたような気持ちになった時の歌です^^
大事なものだけ、ちいさなかばんに詰め込んで、今を大切に生きていきたい、そんな曲です。
これ実は、何年も歌っている私のテーマソングのような曲ですが、今回録音するにあたり2番の歌詞、メロディーを大幅リメイクしてみました。おなじみの方も是非、そこを楽しんでもらえたらなと思います♪

「ちいさなかばん2019.ver」 詩・曲・編曲 嘉村こずえ 

*オリジナルの「ちいさなかばん」は2014年にKozu名義で発売したミニアルバム「カゲノタイヨウ」より視聴・ダウンロードしていただけます。

ーーーーーーーーーーー
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました!個人的な経験を綴っていますが、何かそこから普遍的なものを見いだせればと思って書きました。いかがだったでしょうか?
第3回は、何をきっかけに歌を歌うようになったのか、そこで変わったことについて綴りたいと思います。
それではまた次回!素敵なGWをおすごしください☆

↑facebookページにて更新通知してます。よければフォローお願いします♪↑

*\シェア・投げ銭 感謝/*
このエッセイ・歌が良かったな、と思われた方、SNSなどでシェア等頂けるととても嬉しいです♪また、下の「サポートをする」ボタンから、気軽に投げ銭していただけます。オンライン上のライブのような気持ちで、このウタトコトの活動を頑張っています!応援頂けるととっても励みになります♪

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?