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NewsPicsの連載企画『音楽新時代』の結論は日本オワコンだった!

NewsPicsの連載企画『音楽新時代』の記事にいくつかコメントしたので以下まとめてみた。

2018年、音楽シーンが大きく変わった。ストリーミングサービスの登場で、音楽の国境はさらに消えていき、アジアの音楽家たちが全米を制覇した。さらに、次なる時代に向けて、アーティスト自身が全てを決め、ヒットを生み出す動きが広がる。その最前線を徹底レポートする。

【新】2018年、「ヒットの法則」が変わった

この企画では「ストリーミング世代を生き抜くアーティストたちの生の声や、世界を見据えた次なる動きを最先端の事例から紹介していく」とのこと。

音楽マーケットの話題はどうしても供給側からの視点によるものが多い。

しかしBTSをはじめK-POPがアメリカでこれほどヒットした要因にはファンダムのはたらきかけが大変重要だと自分は考える。

米国で最も権威のある音楽チャートBillboard(ビルボード)には「ビルボードソーシャル50」というチャートがある。この「ビルボードソーシャル50」というチャートはSNSからアーティストの人気度を測るチャートである。この「ビルボードソーシャル50」のチャート、見てもらえれば分かるがK-POPアーティストの独壇場である。特にBTSは100週で1位を記録。ジャスティン・ビーバーに次いで、2組目の快挙を達成した。自分はアメリカの音楽市場でのK-POPの成功はファンダムによるTumblrを活用した「応援サイト」の効果が大きいと考えている。

Tumblrはどこへ行こうとしているのか?エロ画像収集ツールからファンダムコミュニティへ
http://bit.ly/2GelQhs

ヒットの法則を語るのに今やファンダムの存在は欠かせないものになっている。

【1万字解説】2018年、「国民的ヒット」はいかに生まれたか

この企画では「ストリーミング世代を生き抜くアーティストたちの生の声や、世界を見据えた次なる動きを最先端の事例から紹介していく」とのこと。

音楽マーケットの話題はどうしてもアーティストやレーベルといった供給側からの視点によるものが多い。

一方で自分はヒットの法則には二次創作とファンダムの役割が大きいと考えている。

1.米津玄師「Lemon」
柴那典さんも「ヒットの背景にあるのは米津玄師という個人の才能、すなわち内的な要因によるところも大きい」と指摘する通り、米津玄師は音楽だけではなくPixivにもイラスト作品を投稿するなどアーティスト性の高さに定評がある。

さらにYouTuberによるカバー動画もヒットの後押しをした。

Billboard JAPAN HOT100 of the Year 2018を受賞した米津玄師「Lemon」のカバーソング、おすすめの作品を選んでみた
http://bit.ly/2rvCsHs

コバソロは再生回数3000万回、あざぎーにょは再生回数500万回を突破。二人ともミュージシャンというよりはコンテンツクリエイターであり、それぞれ強固なファンダムを形成している。つまり米津本人のファンだけではなく二次創作のYouTuberのファンダムの力がヒットを形成しているのである。

2.BTS
柴那典さんの指摘通りBTSはメッセージ性によってグローバルファンダムの形成に成功したからこそ全米で1位をとることができた。

ここでもファンダムによるいわゆる「布教活動」の効果が大きいと考える。

米国で最も権威のある音楽チャートBillboardには「ビルボードソーシャル50」というチャートがある。この「ビルボードソーシャル50」というチャートはSNSからアーティストの人気度を測るチャートである。この「ビルボードソーシャル50」のチャート、見てもらえれば分かるがK-POPアーティストの独壇場である。

自分はアメリカの音楽市場でのK-POPの成功はファンダムによるTumblrを活用した「応援サイト」の効果が大きいと考えている。

Tumblrはどこへ行こうとしているのか?エロ画像収集ツールからファンダムコミュニティへ
http://bit.ly/2GelQhs

ヒットの法則を語るのに今や二次創作とファンダムの存在は欠かせないものになっている。

【完全解説】日本の「サブスクリプション」は、なぜダメなのか

「真剣に海外も含めたコミットをしている人がまだ少ないのが現状」

「ストリーミング時代になると、世界ではビリオンなんですよ。10億回再生が大ヒットの基準になっている。…そのレベルにいくためには、世界に助けてもらうしかない。」

海外から最もSpotifyで再生されたONE OK ROCKですらビルボード ソーシャル50にランクインできない現状だ。

この連載で「日本が衰退した今だからこそ、チャンスがある」としたSKY-HIことAAAの日高光啓がミックステープをSoundCloudで無料で公開したことがあった。

無料のアルバムと内情のヤバさ。 | SKY-HI(日高光啓)オフィシャルブログ「SKY'sTHE LIMIT」Powered by Ameba https://ameblo.jp/sky-hi-blog/entry-12396305441.html

このブログはかなり話題を集めたが、自分はこう思った。

「ガラパゴスプラットフォームとアメブロのヤバさ。」

なぜ日本のアーティストはアメブロやLINE BLOGといったガラパゴスプラットフォームを使い続けるのでしょうか?

テイラー・スイフトがアメブロ使いますか?
フランク・オーシャンがアメブロ使いますか?

なぜTumblrを使って英語で情報発信しないのでしょうか?

問題意識を持ったアーティストでさえこの現状。どうすればビルボード ソーシャル50にランクインできるのか?そろそろ真剣に議論すべき時期がきたと思う。

【川谷絵音】日本はもう変わらない。だから、やりたいことをやる

このNewsPicsの「ストリーミング世代を生き抜くアーティストたちの生の声や、世界を見据えた次なる動きを最先端の事例から紹介していく」とした『音楽新時代』の連載企画が、川谷絵音の「日本はもう変わらない。だから、やりたいことをやる」で締めくくられるのはなんとも皮肉だ。

「【完全解説】日本の「サブスクリプション」は、なぜダメなのか」で自分は「どうすればビルボード ソーシャル50にランクインできるのか?そろそろ真剣に議論すべき時期がきたと思う」と述べた。(現在この投稿は136Likeを頂いている)

K-POPがビルボードのチャートを席捲できたのは
1.音楽
世界的なヒップホップの潮流に乗った卓越したパフォーマンス
2.メディア
グローバルなメッセージ性
3.ファンダム
国境を越えた布教活動とグローバルファンダムの形成
の三つがそろった結果だと考える。

「日本でもファンはすごく熱いけど、SNSで日本語でツイートするので、なかなか世界に広がりづらいという言語的な構造問題があります。もちろんファンに「英語で投稿しろ」なんて言えない」
「【完全解説】日本の「サブスクリプション」は、なぜダメなのか」より

ファンダムの布教活動がムリな日本のアーティストは世界では戦えない。問題点はアーティストやレーベル、アーキテクチャーよりもファンにあるのではないか。そこが変わらない限り絶望的だ!


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