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今月の新刊『スマナサーラ長老が道元禅師を読む』

新刊『スマナサーラ長老が道元禅師を読む』が発売になりました!

日本仏教の祖師のなかで、生身(色身)としての釈尊(=人間としての釈尊)に関心を寄せられた方として、道元禅師が挙げられるだろうと思います。
(道元禅師において法身や応身、報身としての釈尊観が見られないということではありません。)
 
また、私見ですが、道元禅師にとって釈尊は、帰依・礼拝の対象であるとともに、むしろ“師匠”――内田樹著『先生はえらい』(ちくまプリマー新書、2005年)で言われるところの“先生”――のようなものだったのではないかとも思われます。
 
当社の新刊『スマナサーラ長老が道元禅師を読む』において著者は、道元禅師のメッセージは「仏道をならうというは、自己をならうなり」(『正法眼蔵』「現成公案」巻)の一句に言い尽くされていて、同時にこの一句は、仏教の本質をも言い当てたものだとし、以下のように語っています。
 
「わたしは、日本に来て初めて道元禅師を読んだとき、〈よくぞこういう方がおられて、こういうふうに仏法の本質を言ってくれたものだ〉と心から嬉しくなったんですね。」(56頁)
 
道元禅師が“師匠”とみた釈尊。――その釈尊の“直系の仏弟子”にあたるスマナサーラ長老が、“先輩僧侶”としての道元禅師の教えの核心を探究し、解明する一冊です。

担当編集:通雲 記



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スマナサーラ長老が道元禅師を読む』 アルボムッレ・スマナサーラ・著 ¥1,650(税込)

作品紹介:鎌倉仏教を代表する祖師の一人、道元禅師(1200-1253)の著作をスリランカ上座仏教の長老が独自の視点で読み解き、道元思想がブッダ(釈尊)の教えに直結するものであることを明らかにする。

アルボムッレ・スマナサーラ
1945年、スリランカに生まれる。13歳で出家する。スリランカ国立ケラニア大学で仏教を講じる。1980年に来日する。現在、宗教法人日本テーラワーダ仏教協会長老などを務める。著書は多く、当社刊に『原訳「法句経」一日一話』、『原訳「法句経」一日一悟』、『原訳「スッタ・ニパータ」蛇の章』がある。
(※略歴は刊行時のものです)

【目次】
はじめに
1 仏教そのものを要約したエッセンス
2 人間はもとより奴隷になりたがる
3 「自己をならう」とは自己を解明すること
4 パーリ経典と「自己をならう」
5 暮らしの中で自己をならう
6 「自己」を忘れる 万法に証せられる
7 「自己」を入れない暮らしをする
8 瞬間瞬間に生きる
9 一人ひとりの人生が禅
10 四摂法
11 而今の山水
おわりに


ISBN:9784333029198
出版社:佼成出版社
発売日:2024/4/30