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話題の「8番出口」をまとめてみた

友人から教えてもらったんですが、流行ってるらしいですね、8番出口!たしかに色々なパターンがあって面白いですよね!

・・・というわけで、東京の地下鉄の駅の8番出口をまとめてみました。ぜんぶで15箇所あります。

浅草駅

しょっぱなから超ディープスポット。カオスで有名な「浅草地下街」の入口を兼ねた出入口です。各種メディアでも紹介されているので、地下のほうはご存じかもしれないですが、地上はこんな感じになっています。モグラのキャラクターがファンシーですよね。その一方で、中に入らずとも出入口の佇まいの時点でタダモノではないオーラが出ていまして、この先に何があるんだろう?!というドキドキ感は、ずば抜けていると思います。

上野駅

うって変わって、石造りの壁と柱に囲まれた重厚な雰囲気に包まれているのが上野駅の出入口8です。ターミナル、JR上野駅の正面玄関横に位置しているんだから当たり前といえば当たり前なんですが、その堂々とした空気感に圧倒されます。ただ、階段のみの出入口なので、駅舎の中に直通するエレベーターがある現在では、この階段を通る人も少ないのが惜しいところです。

京橋駅

続いて京橋駅ですが、ここは出入口8を見る前に出入口7を見て頂きたいと思います。明治屋のビルの1階に出てくる出入口なんですが、このビルが出来たのが1933年。そして「地下鉄の駅と一体となって建設された民間建造物として現存最古」と説明されるんですが、要するに「地下鉄が通る時に、地下鉄の出入口を付けて建てたビル」ということです。「元々建っていたビルに地下鉄の出入口を付けた」のではないんですね。それが画期的で、歴史に残るビル、歴史に残る地下鉄出入口といえます。

それで、その明治屋京橋ビルの背後に再開発で京橋エドグランというビルが出来たんですが、そこにあるのが京橋駅の出入口8です。ここの出入口は、大きな地下広場と大階段を備えていまして、もはや「出入口」という言葉が似合わないようなスケールの大きな構造になっています。出入口7とは約80年ほどの差があるわけですが、同じ「地下鉄直結ビル」でも、ここまで変わるんだという驚きを感じて頂けたらなと思います。

新橋駅・汐留駅

次が新橋駅です。これはSL広場の近くのビルの1階にありまして、隣はタイ焼き屋さんですね。外観は、このスライドでは「素朴剛健」と書きましたが、要するに装飾などの無い直球勝負な外観をしている出入口です。開口部の縦方向の寸法が小さい点だとか、右手のメタリックな部分が目立っている点だとか、全体的にハードな印象も受けます。

一方、ご近所の汐留駅にも出入口8があるのですが、こちらは汐留シオサイトの地下道の出入口を兼ねてまして、デザインも、駅名より「出入口8」という文字のほうが目立っていたりと、地下鉄の出入口というよりも地下道の出入口という感じになっています。あと、この駅の他の出入口よりも横幅が狭くて、しかも背後のゆりかもめの駅が目立つので、どうしてもこじんまりとした感じがあります。

虎ノ門駅

続いては虎ノ門駅です。ここは地上から見ている分には、ごく普通の、私が「柱4本タイプの上屋」と呼んでいる、営団でよく使われたデザインの出入口です。ですが、地下に潜ると複雑で、改札を出てすぐに右手にUターンして階段を昇った先にある、というややこしい立地になっています。文字で書いてもよくわからないと思うので、構内図を見ながらルートを辿ってみて頂ければと思いますが、たぶん東京の中で一番、リアルに辿り着くのが難しい8番出口だと思います。

溜池山王駅

お隣の駅、溜池山王駅は印象的な外観をしていますね。クロスした支柱の上にアーチ状の屋根が架かっていて、側面はガラスで覆われているという出で立ちです。これは南北線が開業した時に採用されたデザインで「7号タイプ出入口」といった呼ばれ方をしています。南北線の一番最初の区間が開通したのが1991年。昭和から平成へと時代が変わる時に、地下鉄の出入口も柱4本タイプから7号タイプへ変化していた、というのが面白いですよね。

あと、この出入口は昔、東芝EMI本社の最寄り出口だったということで、東京事変の「今夜はから騒ぎ」という曲のラストにも登場しています。

永田町駅

立地で面白い出入口8といえば、ダントツなのが永田町です。永田町駅の周辺って坂が多いんですが、ここの出入口は、ちょうど衆議院議長公邸の敷地と赤坂見附交差点との高低差の部分にありまして、石垣をくりぬいて作ったような外観になっています。そして、出入口自体の据え付け方も見事なんですが、さらに見事なのは入口上部に取り付けられている水色のハートのサインです。薄型のものが使われてまして、この狭いスペースに上手くフィットしています。

後楽園駅

続いては、立地という意味ではごく普通な後楽園駅の出入口8です。南北線構内の突き当り、ビルの1階にあります。ただ、よく見ると側面にシャッターが付いているという点が、ちょっとした隠れギミックになっています。

ちなみに後楽園駅は都営地下鉄の春日駅と構内が繋がっていて、春日駅の方には出入口「A8」が存在します。ただし、この春日駅の出入口A8は三田線の西高島平方面行きホームの端の改札に出てしまうので、都営地下鉄の三田線と大江戸線にしか乗ることが出来ません。後楽園駅には繋がっていないので、ちょっとトリッキーな出入口といえます。

池袋駅

続いて紹介したいのが池袋駅です。この駅は少し特殊で、副都心線エリア以外のほぼすべての出入口に対して英字無しの出入口番号が振られていて、しかも、地下街の出入口も含めて通し番号が付けられています。駅の東側のロータリーの中に出入口44番というのがあって、ここまで一気に番号が付けられているわけです。ただ、地下鉄の構内図に出てくるのはごく一部なので、地下鉄の構内図を見ると欠番がたくさんあるように見えるのが特徴です。

それでは池袋駅の出入口8がどこかというと、駅西口側にあります。東武ホープセンターという地下街の出入口を兼ねた、とスライドには書きましたが、どちらかといえば地下街の出入口のほうがメインです。デザインも地下鉄のものとは雰囲気が異なり、柱が細く屋根が薄い外観になっています。

新宿駅

次は新宿駅の出入口8です。新宿駅には北側に丸ノ内線、南側に新宿線と大江戸線が通っていますが、この出入口8は南側に位置していて、新宿線の直通先の京王新線の上にあります。といっても、都庁方面への地下道との接続点に「8」という番号が振られているもので、地上には出ることが出来ません。地下鉄の出入口の中には、こういうタイプのものもあるんです。ちなみにこの接続地点の横にはちゃんと「出口8」という案内板が付いています。

六本木駅

同様に「地上に出ることが出来ない出口8」といえるのが、六本木駅の出入口8です。「東京ミッドタウン」と呼んだ方がピンとくる人が多いかもしれませんが、大江戸線の構内とミッドタウンの地下フロアが接続する地点に出入口8が振られています。ここからミッドタウンの地下フロアに入って、地下通路でミッドタウンの各棟へ向かうような動線になっています。ちなみに、よく見るとエントランスの脇にちゃんと「8番出口」と書いてあるんですよ。

で、この駅の面白いのは、東京メトロ側の出入口1cは六本木ヒルズと直結していまして、こちら側は地下から地上2階へと昇ってから六本木ヒルズに入るような動線になっています。まあ、両者の立地の違いもあると思いますが、片やずっと地下を通っていくルートである一方、出入口としては意識されにくく、片や強制的に地上に出るルートである一方、エントランスとしての演出がなされている、と、対照的な点が面白いと思います。

茅場町駅

ビル内に立地する出入口8の中で、昭和の趣きがあるのものといえば茅場町駅の出入口8です。写真を見て頂ければわかる通り、ビル全体も昭和のオフィスビルといった趣きなのですが、さらに出入口の階段周りも金属柵で囲まれていて、まさに昭和。ただ、最近ビルの建て替えが多い界隈なので動向が気になるところです。

水天宮前駅

続いては水天宮前駅の出入口8です。ここは最近増えてきた直方体のタイプの外観をしていまして、パープルに黒い縦じまが入る格好をしています。これだけ見ると、半蔵門線のラインカラーの紫なのねと納得してしまいそうですが、実はこの写真だと後ろに少し見えていますが、向かい側の出入口7はピンク色です。とすると、ラインカラーだから紫、というわけではなさそうですが、ちょっとした不思議だと思います。

銀座一丁目駅

トリは銀座一丁目駅の出入口8です。ここは屋根がないタイプでして、ハートMのサインがちょこんと載っただけの外観になっています。ですが、外壁はダークグレー、内壁はレンガ調でまとめていて、シンプルな中にも落ち着きのある外観になっています。銀座通りの見通しの良い景色にマッチした出入口ではないでしょうか。

まとめ:8番出口は面白い。

屋根の有無から、立地に至るまで、8番出口には色々なバリエーションがあることを感じて頂けたのではないでしょうか。8番以外の出入口も興味が出てきた!という方はぜひ、先週末に投稿したnoteをご覧ください。東京中の地下鉄の出入口を見て回って気付いた、大まかな歴史の流れの話や、私のおすすめの乃木坂3についてなど、色々な視点から地下鉄の出入口の魅力をご紹介しています。


・・・と、すっとぼけてここまで書いてみましたが、先月くらいにゲーム関係のニュースサイトで見かけて以来、ずーっと気になってましたよゲームの「8番出口」。やっぱりヒットしましたよね。おめでとうございます。さすがに原稿の真っ只中なので手を出せてないですが。

ちなみに、その先月のニュースでスクショを拝見して思ったのは「副都心線の東新宿だ!」でした。白いタイルと通路の長さがまさにそれ。

ただ、東新宿駅は大江戸線が先に開通してA1から番号が付いていて、副都心線が開通した時に東京メトロ側がB1から番号を付けたので、この先、出入口が増えても英字の付かない「8」は出てこなさそうなんですよね。残念。ちなみに大江戸線側の構内になると雰囲気がまるで違うんですが、大江戸線は大江戸線で何が出てくるかわからない(唐突にオブジェが置かれてたりとかするので面白い)構内なのでおすすめです。

というわけで、ゲーム「8番出口」のヒットであったり、浅草駅出入口4の登録有形文化財登録であったり、にわかに注目を集めてきている(気がする)地下鉄の出入口。ぜひこの冬、じっくり鑑賞してみてはいかがでしょうか。


おまけ:渋谷駅

ちなみに「A8」や「8a」といった出入口を含めると、ここで紹介したよりもさらに多くの出入口があるのですが、ここでは渋谷駅の「A8」出入口を紹介しておきたいと思います。というのも、この出入り口が建つ場所は「ハチ公前広場」。意図的なのかは不明ですが「ハチ」と「8」がリンクしている点が特筆されます。


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