いらいらと出口を探して歩いているうち、三年が過ぎた。
　出口はどこかとたずねようにも、駅には係員がいない。落書きだらけの人形が立っているばかりだ。客もいない。電車も来ない。時刻表の数字はほとんど色褪せていて、かろうじて０だけが読める。
　線路に下りて歩けばどこかへたどり着きそうだが、あいにくここは屋上の駅だ。しかも、いきなり次の橋が落下していて、川を渡ることができない。
　修復工事はいつまで経っても始まらない。まあ、いい。同じように出口を探す仲間がいるし、どこへも行けない屋上の駅の朝焼けはたとえようもないほどきれいだ。焦燥の三年間が過ぎ、ようやく気づいた。
　見つかりましたか？　いえ、まだです。しらじらと光る長いホームを歩き、同じあいさつを繰り返しながら、出口を探す。あるいは、ついそこに捨てられているかもしれない永遠を探してみる。