へろへろと
へろへろと配給されたものを啜りながら飢えを満たした。
噛みごたえのないものをへろへろと啜る。隣でも同じものをへろへろと啜っている。あちらでもこちらでも、へろへろ、へろへろと音がする。
表の闇には長い行列ができている。同じぼろぼろの帽子をかぶった者たちが、物も言わずに並んでいる。
へろへろと啜っているうちに、へろへろとしたものはあっけなく終わりになった。わたしは配給所を立ち去り、外の闇に出た。無言の行列は際限なく続いている。最後尾はどこか、見当もつかない。
こうして歩いていけばいいのだろう。行列はいつか途切れる。またそこに並ぶことができる。そう思いながら、帽子だらけの廃墟を、もう明けることのない夜を、わたしはへろへろと歩いていった。
(『ふるふると顫えながら開く黒い本』より)
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