夕方だ。
薄闇の中に、ここに嫁いできた頃は家の前もまだ砂利で、近所には、当時40代の姑と同じ年頃の人がたくさんいた。見渡すと全員、お空の上。

姑は今、1人で暮らす。
食事付き、管理人ありの施設。

フーム、人はやはり古くなり、そしていつの間にか私の周りから静かに退場する。暮色の中でつい思う。

あらかた50年前、この家に嫁いてきた賑やかな頃、私もアイロンをかけずとも良いシワもない若い頃が頭を掠めた。

でも、怒りや腹立ちの少ない今が一番と思えるからまあ、良しとしよう。