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ずっとあると思ってた

京都のカフェ efish が来月16日に閉店することを数時間前に知った。

efishとの出会いは大学時代。学校と家の真ん中くらいにあるカフェで、初めて入る時は落ち着いた雰囲気にドキドキしながら一人で入ったっけな。鴨川沿いにあって、ビルをリノベーションしたお店だった。お料理もドリンクも丁寧で、工夫が凝らされていて、とても美味しい。季節を感じられるシーズン毎のメニューが好きだった。期間限定で店内で行われる企画も趣味に合うものが多く、頻繁には通えなかったけど、私はたしかにefishのファンだった。社会人になってからも、京都に行くときはできるだけ足を運んだ。

特に好きだったのはスープとトーストのセット。一度しか味わえなかったチキンのなんとかポタージュがめちゃくちゃ美味しかった。

一人でも行ったし、友達とも、恋人とも行った。新しく京都に引っ越した知人にオススメを聞かれたときはefishを一番に伝えた。なんてったって、心地がいい。

胸がざわざわした時、よくefishに一人で行った。飲み物とスイーツを注文してから、日記みたいなノートに自分の今の状況や何が苦しいのか、嫌なのかを書き出して、自分と対話した。家や他のカフェで同じことをやるよりも、冷静に対話することができた。逆にいうと、どうしようもない時、私はefishに足を運んでいたのかもしれない。

特に、春、桜の季節の窓際席は最高だった。出窓のすぐふもとに桜の木があって、その隙間から鴨川を泳ぐ鴨なんかがみえたりして。ちょうどいい気温と柔らかい風にあたりながら過ごす時間はとても至福で、当時、別居婚中だった夫に電話をしたくらいに素晴らしかった。

「今度は一緒に来ようね」って、言った。
いつでもまた来れる、と思っていたけど、来年の春はもう、efishに行くことはできない。


efishは、当たり前に、ずっとあるものだと思っていた。グルメサイトやインスタで調べて見つけたお店じゃなかったし、私にとってはフラリと入るお店だったから。SNSでの情報も見ていなくて、半年前にお知らせされていた閉店のニュースも見逃していた。偶然、Twitterのタイムラインで流れてきたからよかったものの、下手したら閉店したことを知らずに、またefishに行っていたと思う。

とても残念で寂しい。
こんなに閉店が悲しいカフェは初めて。

でも、20周年てとってもすごい。
20年間、efishは愛されてきたお店なんだな。

私も大好きだよ。

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