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『くたびれゲイル』1部


俺の名前はゲイル。二日前に人狼が現れるようになったと噂の村で第一夜に追放され、三千里離れた隣の村へと歩いている。

生まれつき足が悪いから大変なんだ。今の気持ち?処刑されてあの世に逝かなかっただけ感謝してるよ。ビビりしかいねえから生き物を殺す覚悟のない...いや、優しい連中なだけだね。この時期に雪が降ってて辛すぎる。やっぱり足の悪い人間を追い出す連中が優しい訳がねえよなぁ!?

人狼という怪物の言い伝えは古くからあり、その生態も知られていた。ある日の朝、長老のモブ爺が無惨な遺体で発見されたのが事件の発端だ。明らかに人狼の仕業。容疑者は村で生活している俺含め15人だ。第一発見者は新聞配達のアーニー。いつもの様に簡単な業務を済ませようと家に近づくと窓が割れていた。恐る恐る中を覗くと案の定...。その情報はまたたく間に全員に行き渡り、丁度正午から対策を練るための議論が行われた。真昼間なのに「おはよう」と挨拶。寝ぼけてんのかパニクってんのか?

ゲイル「こんにちは。全員揃ったようだね。」
ローラ「待たせておいて謝罪もなく第一声がソレ?あんたが最後よ。ただでさえ顔が悪いのに遅刻なんて印象最悪だわ。」
マイク「落ち着けよローラ、ゲイルは足が悪いから移動するのも一苦労なはずだ。」
ジェシカ「みんな怖いよ...。まずはちゃんと話そ?」
クリス「一旦状況を整理しよう。今は2023年4月7日午後12時3分だ。この村には俺たち15人しかいない。モブ爺は人狼に殺害されたとみて間違いない。鍵は施錠されているが自宅の窓が割れている。ここから侵入されたんだろう。遺体の状態は最悪だ。まるで食い散らかされたかのようで欠損してる部位がある。人狼はこの中に何人潜んでるかも分からない。以上だ。他に情報があれば説明してくれ。」
チャン「御丁寧にありがとうございます、クリスさん。あ、僕は何も分かってないです。」
フェイ「・・・(メガネクイッ)」
ミカ「モブ爺、昨日の夕方に見かけた時はあんなに元気だったのに...。どうして...。」
スーザン「・・・!そうよ。モブ爺を最後に見たのは誰?それは何時頃?絞り込んでいきましょ。後は皆も知ってると思うけど私とクリスは夫婦よ。昨晩はずっと一緒にいた。アリバイは証明されているわ。」
ショーン「夫婦揃って人狼、または相手が寝てる隙に行動してる。反証はある。無粋な発言だね。」
スーザン「疑う余地があるってことね。しかしあり得ないわ。クリスが人狼なんて考えられない。」
クリス「スーザン...!俺も信じてる。」
ゲイル「しねや」
アーニー「おもんな」
情報収集の結果、判明したのは午後9時頃からゲイルがモブ爺と宅飲み。
チャン「ゲイルお前やったな。僕でも分かるよ。」
サンドラ「おじいちゃん同士仲良くできなかったの?」
クリス「ゲイル、詳しく説明してくれるか?」
ゲイル「俺はやってねえよ。あとまだ28歳だ。百歩譲ってもおっさんだ。」
サンドラ「うそよ!!!」
ゲイル「事実さ、最近初恋で悩んでるお嬢ちゃん。」
ジェシカ「えっ...!どうしてそれを///」
サンドラ「ちょ、ちょっとジェシカ!!!💢」
マイク「...!?」
ゲイル「俺は恋愛アレルギーでね。恋をしてる奴に半径約1.5m以内まで近づかれると首が痒くなってくるんだよ。お嬢ちゃん、ちょっと前までは匂わなかったぜ。しっしっ。」
フェイ「あっ...。えっと...。僕医学を学ぶ過程で人体についても勉強したんだけど、人間って恋をするとフェロモンの分泌が過剰になって、だから匂いが」
サンドラ「あーーーきんもーーー!」
ローラ「もういいわ。そろそろ本題に戻ってくれるかしら?“嗅覚が鋭い“おっさん、モブ爺との宅飲みは楽しかった?」
ゲイル「もちろんだ。まさか最後の晩餐になるとはな。」
ローラ「一応聞くけど何時までモブ爺と一緒にいたのかしら?」
ゲイル「さぁな。15杯飲んだ辺りで記憶は飛んじまってる。少なくとも2時間は経ってたはずだ。」
ショーン「推定時刻は午後10時30分から午後11時30分が妥当。」
クリス「割り込んで申し訳ないが、ゲイルはいつからなら記憶があるんだ?」
ゲイル「断っておくが俺はやってねえからよ。決めつけても何も解決しない。もっと他の人を疑っても良いんじゃないか?質問に答えると午前8時30分頃だ。川の近くで全裸で寝てたわ。」
ジェシカ「こわすぎ」
スーザン「怪しすぎるわ、この男。服は?」
ゲイル「ないね。すぐ自宅に帰ったが問題あるか?」
フェイ「ないです。風邪ひきます。」
ローラ「あんたは黙ってな。二人きりで話すことなんてあるのかしら?どういうご関係で?」
ゲイル「・・・。モブ爺が亡くなるまでは言いつけで極秘事項だったことだ。俺は親に捨てられている。拾われたんだよ。当時の記憶はないが俺にとってモブ爺は親同然だ。」
トーマス「モブ爺は慈愛に溢れる男じゃった。その話は、事実じゃ。儂は本人から実は聞いていたんじゃ。」
クリス「捨てられたのはその左足が原因なのか...?」
ゲイル「さあな。俺は実親を全く知らない。顔の方じゃねえか?ははっ。」
ローラ「あんた...よくそんな暗い生い立ちでよく笑えるわね。」
サンドラ「ごめんなさい...。さっきのこともそうだけど、サンドラ、ゲイルおじさんの足はおじいちゃんだから悪いんだとずっと思ってた。生まれた時からずっとなんて...辛かったよね。」

ロディ「はいはい。茶番になってきたね。今までの議論マジで生産性ないしゴミカスだったけど皆の頭大丈夫か?」
アーニー「おい...ロディ。僕らみたいな新聞配達がそんなこと言える立場じゃないって...!」
ローラ「可愛い坊やね。急に話し始めたと思ったらこれね。お菓子あげるからちょっとあっちで遊んできなさい。」
ロディ「新聞には無限大の可能性がある。毎日全部読めばそこら辺の大人より頭良くなるね。」
ゲイル「面白い餓鬼は好きだよ。話してごらん。」
クリス「いいだろう。各自の意見は平等に尊重されるべきだ。」
ロディ「皆、重大な点を見落としてるよ。人狼が人間を襲撃する目的って何?」
チャン「食べるため。」
ロディ「正解。人狼にとっては食事なんだよ。普段は人間の姿で擬態して生活してても本能的に人肉を求めてしまう性。吸血鬼が血を飲みたくなるのと一緒だよ。さて、僕らの中でいちばん新入りって誰だっけ?」
エマ「はい...。うちです。でももう4年も経ってるよ。」
スーザン「察しはついた。4年前からこの村の住民は変わっていない上に周囲、20kmは何もない集落よ。人狼は...今まで」
ロディ「どうやって自分の欲求を抑えてたんだろうねーてことさ」
チャン「え...どういうこと?」
フェイ「つまり、この村の住民は全員潔白...!!人狼の身体能力は計り知れない可能性があるし、移動距離に関しての問題は解け」
ショーン「あり得ない。この村の防護壁は外側からの侵入を完全に防ぐ。」
ゲイル「ずっと人狼はいたけど、今までどうやって我慢してたのか。その方法と今回の事件が関係するのか?」
ロディ「僕はそう考えてる。ちなみに昨日、4/6は満月だったよ。どれだけ理性を保つ訓練をした人狼でも満月の日の夜に衝動を抑えることはできなくなるはずだね。」
ジェシカ「こわいわ...!」
サンドラ「次の満月はいつなの...!?」
ロディ「5/6だね。周期は約1ヶ月だ。」
クリス「その日のみ皆で同じ家に集まれば安全ではないのか?」
ロディ「悪くないけど仮に人狼が僕らを今後の脅威になるような敵と判断してたら家を燃やされて全滅じゃない?そもそも満月でなくとも化けられるからね。」
アーニー「なら...もしかしたら今日の夜も誰か殺されるかもしれないの...?ロディ」
ロディ「うん。だから一人は必ず追放したい。勿論人狼をね。何人潜んでるか不確定な以上、人が減りすぎるのは得策ではないんだ。僕の見立てでは犠牲者はまた出てくるかなー?」
チャン「僕でも分かる。君だよそれ。」
ゲイル「これも極秘事項だ。昔酔っ払ってるモブ爺からポロッと聞いてしまった話なんだが、この村では役職者が素性を隠して生活している。誰かは長老であるモブ爺しか知らない。占い師、霊能者、騎士の3つらしい。それぞれどんな能力を有してるか分からないが、騎士は毎晩誰かを守れるのではないか?」
ロディ「なら僕は守られたら無事ってこと?でもおかしいな。占い師がいるなら今までにとっくに人狼を占ってて何かしらのアクションを起こしてても良いはずなんだよな。」
スーザン「もしかして知ってるのか?」
ロディ「知ってるよ。占い師は人狼かどうか判別する能力がある。」
クリス「霊能者は?」
ロディ「死者が人狼かどうか判別する能力だね。占い師の場合は生者のみを対象とする。」
ショーン「その占い師の能力、本物なんですか?インチキだからこの有様なのでは。」
ゲイル「さあな。俺は話に聞いただけだ。占われてもバレない人狼もいたりするのか?」
ロディ「いないと信じたいが。」
チャン「もう訳わかんないね。」
ローラ「大切なことだから覚えておきなさい、チャン。ところで追放ってのはどういう方針を取るの?この村から追い出すの?それとも処刑?私は嫌よ。無実な人を殺めるなんてできないわ。」
クリス「俺もローラに賛成だ。人道的にも隔離するだけで良いはずだ。」
ロディ「間違える前提なのが雑魚の思考だねえ。ただでさえ不可解な事象が多発してるんだから人狼を隔離することに成功したとしても解決する保証はないから処刑するべきだと思うけどね。
ただし、一旦隔離してる間に犠牲者が出たらその人の疑いはちょっとだけ薄まることにはなるかな?時間経過で戻す」
ショーン「占い師が機能していない事実がある。そんな人狼は希少だろう。俺は人狼はこの村に一人しかいないと思っている。よってその隔離することで成り立つアリバイの証明方法は効果的だと思うね。」
マイク「待てよ...今まで人狼は我慢してたんなら本当は悪い奴ではなかったりしないか?何か事情が」
ジェシカ「もう怖すぎ!犠牲者が出ないようにしてよ!それ誰か死なないといけないじゃん!」
ロディ「じゃあどうやって絞っていくのさ。これでも最も合理的かつ犠牲者が最小になるような探し方を提案してるつもりだけどね。」
サンドラ「ジェシカ、この男は危険だわ。まともに話したらダメ。」
フェイ「あの...実際にどうなのか占い師から聞くためにカミングアウトするように民意が促すのはどうでしょうか?」
ロディ「うん、ありなんじゃない?」
クリス「危険だ。もしかしたら襲撃されるリスクが伴うのではないか?」
ロディ「護衛貰えば良いじゃんって言ってもそうなると僕がね...困ったね」
サンドラ&ジェシカ「ナルシストすぎでしょ。自分が優秀だと思い込んでるのが癪に触るよね。」
ゲイル「占い師がずっとサボってて今日から占い始める可能性もある訳だしな。その辺の不確定要素はノイズかもしれない。賛成だ。」
ショーン「いえ、やはりロディさん護衛をズラされるのは困ります。反対」
ロディ「まだ人が多いしねー。占い師は潜っててもらうのが正解かな。」
ローラ「もう夕方ね。そろそろ取り決めましょ。誰を追放するべきなのかしら、ロディ。」
ロディ「・・・ゲイルだね。理由は3つあるよ。」
サンドラ「やっぱりこの男おかしいわ!ゲイルおじさんの過去の話、聞いてた!?」
ロディ「お涙頂戴は要らねえんだ。理由1つ目、状況証拠だけで見ればゲイルは真っ黒だよ。民意を覆したモブ爺との関係性について証明できるのはトーマスしかいないことも証拠能力としては不十分。2つ目、他に疑うべき人がいない。序盤の議論でゲイルへと向かう懐疑的な視点は皆リアリティがあった。
3つ目、右足が悪いらしいね。言い方が悪くなるけど足手纏いなんだ。色々情報提供してくれてありがとう。格闘戦において戦力にはならないなら用済みだよ。真剣な話、君も理解できるだろ?」
ゲイル「・・・俺が人狼だとしたら元々モブ爺の家には合法的に入ることができている。割れている窓の意味は?」
ロディ「何も処刑するわけではないんだから抵抗しなくても良いのに。」
ロディ(おいっ...言葉の裏を読めよ。いきなり女性を追放するのは御法度だろ?僕にでも分かる。そしてゲイルさんは足が悪い。いざという時絶対的に戦えない男は貴方だけ。危ないから避難して1ヶ月後に戻ってきて。)
ゲイル(おけ)
ローラ「何コソコソ話してんのかしら?怪しいわね。」
ゲイル「俺追放されるよ。ありがとうみんな。」
スーザン「やけに素直ね。」
チャン「達者でな〜」
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というわけだ。そうこうしてる内に三千里(20km離れた)隣村に到着した。迎え入れられるためには事情を伏せる必要がある。
ゲイル「あぁ...でっけえ門。おーい、そこのあんた、ぼーっと見てないで開けてくれないかー?」
ジェイ「...!?皆さーーーん!!!不審な人物が外、外にいます!!!」
ゲイル「へへっ..そりゃこうなるわな。」
・・・すぐさま開門され、武装した成人男性数名に囲まれた俺は手首を縛られ連行される。
ヒュー「現在2023年4月9日午後14時30分、これは拘束のための磔だ。場合によってはそれ相応の措置をとる。問題ないな?」
ゲイル「ふん…この有り様、まるでイエス・キリストだな。奇跡を起こしてやるから楽しみにしてな。」
ニック「無駄口を叩くな。名前、出身、ここメント村に来た目的を話せ。」
ゲイル「…ジャッジ村のゲイルだ。目的は怪しい隣村の偵察。当然事前の連絡を入れず正式な入村手続きをとっていないが、問題あるか?」
フレディ「そういう目的なら一応問題ないんじゃないかなー?ゲイル君、面白い人じゃない?」
ヒュー「ふざけるなフレディ。ゲイル…二度はないぞ。返答次第で」
ニック「待て、ヒュー。ジェイの報告によればこのゲイルという男は最初から捕まる覚悟だったのだろう。そして見たところ右足に障がいがあるため偵察に向いてる人材ではない。よって虚偽の目的を説明しているが敵意はないと初めから判断している。何かしら事情があり今助けを求めているのではないか?」
ゲイル「あんた見る目あるねえ、少し二人で話せないか?」
フレディ「いいですよ!ニック先輩に任せましょ〜。ヒュー先輩、行きますよ!」
ヒュー「…わかった。話が済んだら呼んでくれ。」
・・・
ゲイル「俺の正体を明かそう。占い師って知ってるか?月に一度、一人だけ人狼かどうか分かる能力だ。」
ニック「…!?勿論です。平和維持のために村の住民全員を占うつもりで、この確認作業が目的...ということになりますね。滞在時間が長くなることを踏まえたら、より正式な入村手続きをとるべきだったのは?」
ゲイル「自分が占い師であることは極力知られたくないので手続きの際に嘘をつく必要がある。厳しいチェックを通過できる保証はどこにもない。こういう方法しかないんだ。占い師の苦労だね。」
ニック「...なるほど、一応筋は通っている。では、あと一つだけ質問よろしいか。占い師である証拠はあるのか?」
ゲイル「占い師としてある程度そいつの素性を一目見ただけで分かる。例えば、だ。恋人、配偶者の有無〝も〟分かる。ニック、あんたはいる。フレディはいない。ヒューはいる。どうだ?合ってたら信用してもらいたい。」
ニック「正解している...。疑う余地はあるが、信じよう。村の住民には私が説明しよう。よし、潜入調査の手伝いをさせてくれ。平和維持は私たちの仕事なんだ。」
ゲイル「恩に着るよ。」
ニック「ただし、私が責任をもって厳重な監視を行う。条件が3つある。1つ目、日中は私たちと共に仕事をしてもらい夜中の外出を禁じる。2つ目、誰にもこの秘密を話さず、かつ友好的にならないこと。3つ目、人狼を発見したらすぐさま私だけに報告すること。」
ゲイル「へい。」
ニック「ヒュー、フレディ、お待たせいたしました。私の判断で、ゲイルをこの村に迎え入れたい。住民への説明は私がする。異論があればこの場で言ってくれ。」
ヒュー「...問題ない。」
フレディ「もちOKですよ!よーし!その代わり今度女の子呼んで!合コ」
こうしてゲイルはメント村潜入に成功した。
2023年4月10日12時〜集会〜
ニック「皆様にお話したいことがあります。ではゲイル、挨拶をお願いしてもいいか?」
ゲイル「はじまして。旅人のゲイルです。見ての通り足が悪いんで、迷惑かけることもあるかと思います。しばらくお世話になります。以後よろしくお願いします。」
リリアン「まぁ♡素敵な殿方ですこと♡可愛い顔してるわね?もうちょっと近くで見ても良いかしら...?(オカマ風)」
ゲイル「(げっ...!気持ち悪!ただ最近LGBT問題やら多様性やら訳分かんねえの流行ってるしなぁ...。)や...やあ。お名前伺っても良いかな?」
マリアンヌ「彼はリリアンよ。よろしく」
リリアン「ちょっっっと!今なんつった!?私はレディよ!彼女って言ってちょうだい、マリアンヌ」
マリアンヌ「ゲイルさん、ごめんなさいね。滅多に現れない新顔に興奮してるみたいなの。歓迎会、盛大にしたいし準備がこちらもあるから今日はゆっくり休んでください。」
ビル「我々一同、喜んでる。」
ニック「ゲイルには警護隊に加入していただくのでこの後の予定は決まっている。」
マリアンヌ「あらそうなの?大変ね。」
ソフィア「怪我してるのに大丈夫なの?」
ゲイル「仰る通り、体は張れないかもしれないが、他にいくらでも活躍する方法はあるんだぜ...。」
アンナ「へーすごいんだね!」
エリック「ゲイルさん、この村の人達は皆あたたかい。良い人ばかりだから何が困ったり、悩み事あればいつでも相談しておくれ。私は待ってますからね。」
ゲイル「ありがたいお言葉です。本当にありがとうございます(やけに親切だな...。)」
ジェイ「みなさーん、そろそろ仕事に戻りましょう!」
2023年4月10日14時〜会議室〜
ニック「ゲイル、まずは我々の仕事について知ってもらう。警護隊は私が隊長であり、ヒュー、ジェイ、フレディが構成員の四人部隊だ。いつからあるのか分からない伝統的な職業で全員の父親もこの仕事をしていた。ただし、現在は先程ご覧いただいた通り平和で治安は良い。」
ヒュー「今じゃ村人達のお手伝い係さ。襲ってくるような敵なんて滅多にいやしない。あんたもかなりレアだったんだぜ。一応軽く外は見張ってはいるが、眺めて終わるのが関の山。退屈だぜ本当に。」
ゲイル「ぜひ見張らさせてくれないか?」
ジェイ「見張るのは基本私の仕事です!よろしくお願いします」
フレディ「たまにタダ飯食えるし最高っすよ〜?」
ニック「ごほんっ。ではゲイル、初仕事だ。バニラさんの介護へ向かおうか。フレディ、OJTでよろしく頼む。」
フレディ「了解でーす。」 

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ヒュー「初仕事がいきなりバニラさんかぁ。ご愁傷様だな。」
ニック「...」

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