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やっぱり中華そばが恋しくなる時とかあるじゃないですか。

梅雨ですね。ラーメンが恋しくなる季節ですね(適当)

最近、家系や二郎系けっこう多いじゃないですか。麺の上にもやしの山ができる店とか。店の出す油で店の前の歩道が滑りやすくなってる店とか。いいと思うんですよ。いいと思うんです。

でも、たまには昔ながらの中華そばを食べたい時があるんですよね。

そんな時、郷里に帰り着くがごとく立ち寄るのがこのパッと見、中目黒の美容室みたいなラーメン屋なんです。場所は柏。

店に入ると魚介系のダシの香りがして、その温かい匂いだけでご飯食えそう。

ここの「中華そば」が、まあ至極の逸品。Apple製品のように洗練された一杯なんですよ。

琥珀色の澄み渡るスープをひとくちすすると、醤油のコクのある深い旨味に嗚呼、我が心跳ね回りて候。そして後からやってくる煮干しと鰹節と昆布の絶妙な風味。だけどあっさりとした味わいはまるで雨上がりの澄んだ空気のよう……

そしてここは麺がまた美味なのです。うどんみたいな太さの麺のラーメンもいいんですけどね、やっぱり細めで、のどごしのいいこの麺がたまに恋しくなる。

そんな麺とスープに抜群の相性を発揮する具材たちですよ。選び抜かれたシンプルな具材はただの箸休めではなく、どれもそれぞれの個性を活かしてそこにいる。ああ、真のダイバーシティはどうやらここにあったんだな……

特にメンマ。実家の座敷の柱みたいな太いメンマは食感がハンパない。クセになる。もう、ガムみたいにずっと噛んでいたい。普段あまり日の目を見ないメンマだが、こんなに活躍している姿を見ると、誰もが思わず涙することだろう。

チャーシューもこだわりを感じる赤みがかった桜色のチャーシューで、薄すぎず厚すぎず絶妙な厚さ。そのなんともいえない、もちもちとした弾力は、ああ肉食ってるな感がしてとてもいい。

久しぶりにこの店に来たので、そんなチャーシューがゴロゴロ入ってるチャーシューご飯も頼んでしまった。至福…至福の瞬間ッ…!

そんなわけで、家系や二郎系の油で染まった体と心を洗い流すような中華そば、これはもはや食事ではなく湯治なのかもしれない。

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