見出し画像

私が見てきた「NFT」史

ご覧いただきありがとうございます。
私はデザイナーや企画を行なっている30代男性です。
は20代で、美大卒、元々デザイナーをしていました。

そんな私たちの家庭では現在、妻が会社を退職し、NFTクリエイターとして活動しています。
私のnoteでは
・これからNFTを始めようと考えていらっしゃる方
・NFTで思うように結果が出ないクリエイター様
に向けた発信を行なっていこうと考えています。

私が見てきた「NFT」

とっかかりとしては
「NFTでは多くのお金が動いている」といったところから興味を持たれる方が多いのではないでしょうか。

「NFTがなぜ売れるのか」この言葉には2つの意味合いがあります。
1)「NFT」のどこに価値があるのか
2)売れるNFTとは何か

この2つです。
今回は
1)「NFT」のどこに価値があるのか
についてここ2年半ほどの歴史を振り返りながらまとめてみたいと考えています。
(専門家ではなく、ひとりのサラリーマンが見てきた流れですのでご了承ください)

黎明期は「NFTであること」が理由に売れていたが、今は違う

2021年ごろから注目され始めたこの「NFT」という技術は
デジタルイラストに対し、暗号資産の技術を応用した絶対的な証明書を縫い付けるようなものです。これで一旦は問題ないかと存じます。

これによって
・ニセモノを隠し切ることは事実上不可能になりました。
・世界中共通で使用できる「仮想通貨」での決済が可能となりました。

・仮想通貨の価値自体が大きく上下すること、そして仮想通貨で取引されるNFT作品自体の価値も大きく上下することで莫大な利益につながる可能性がありました。

NFTにおけるこのような
「新技術」と「投機」の側面から、作品が「NFTであること」そのものに価値が見出され、何気ないドット絵に数億円の価値が付くなどのニュースへと至ります。

つまり、数億円のドット絵や数百万円の子供の絵は「アイコン」に過ぎず、「絵」自体の価値だったかというと微妙です。

また、数億円のドット絵については当初まだ珍しかった「AIによる自動生成」されたアートがそのままブロックチェーン上に描き込まれること(そこに人間が介入しないこと)に意味を見出すなど、「絵」以外の意義的な側面が大きく関与した結果の価値と言えます。

これが「NFT」であることで多額の価値が付けられていた理由のひとつです。
その後、
・独自のブロックチェーン技術を開発する
・NFTを持っていると配当がある
・NFTゲームに反映される

のような取り組みへと発展し、価値を生み出しました。
これらの取り組みはプロジェクトと呼ばれました。
価値を実現したプロジェクトには数億〜数千億、それを超える規模へと成長したものもあります。

このように、NFTという同じ土俵の上であっても
「プロジェクト」「個人クリエイター」は活動の意義や規模感が大きく異なります。

ここまで読むと、家で絵を描いている奥様やお子様の絵は到底太刀打ちできないのでは?と思われるはずです。
残念ながら、実際にそうでした
踏み入れた結果、比較される対象が巨大プロジェクトや超絶イラストレーターさんであり、辞めていったクリエイターさんは非常に多いはずです。
しかし、それは2021~2022年ごろの話です。

プロジェクトへの逆風と個人クリエイターの在り方

2021年頃に日の目を浴び始めた「NFT」。2022年にはとても多くのプロジェクトが名乗りを上げました。
プロジェクトに参加し、2次流通(転売)するだけで数万円〜数百万円儲けられる時期がありました。

2022年は個人クリエイターにとっては大変苦しい時期でした。
個人が何時間もかけて一生懸命描いた絵が数千円〜数万円、時には1000円でも売れない場合も多くありました。
その横で、自動生成されたドット絵に莫大な価値がついているのですから、苦しいはずです。

しかし、
・プロジェクト内でのトラブルの頻発
・仮想通貨の暴落

などから、大きなお金が動きにくくなりました。

プロジェクトに対し期待をし、多くのお金を投資していたが、プロジェクトそのものがラグる(倒産・雲隠れのようなもの)ことがとても多くなり、良質なプロジェクトを探す方が大変になりました。

主語が大きくなってしまいますが
「プロジェクト」として期待を裏切り続ける事が多くなってしまったのです。
2024年現在では価値を落としていないプロジェクトを探す方が困難ではないでしょうか。
その段階で極端な投機を望む方々の多くがNFTから退場されたように見受けられます。

この「プロジェクト」によって多額の損失を被ってしまった方も多いと思います。
一方で、大きなお金の動きは多くの方をNFTに呼び寄せてくれました。
それが今のNFT市場を形成する骨子となったことは間違いないでしょう。

そのような時代を乗り越え、今は「個人クリエイターを応援する風潮」が芽生えていると感じます。

例えばsealedというNFTアート販売プラットホームでは
「個人クリエイター支援サブスクリプション」を開始しました。
私の妻も登録したところ、
ありがたいことに国内外の支援者から月に1万円分以上の登録をしていただけています。

sealedのトップページ。今日も多くの作品が取引されている

今が転換期なのでは

個人的な推測にはなってしまいますが、今が1つの転換期なのではないかと思っています。
大きなプロジェクトの話は一旦おいておいて、
ようやく「NFT=莫大に儲けられるもの」のイメージが良い意味で払拭されてきたと思います。つまり投機目的の方は減りました
さらに
NFT市場が冷え込むきっかけとなった
・プロジェクト内でのトラブル →新規のプロジェクト自体が減った
・仮想通貨の暴落 →最高値更新(2024.3.5)
これらが全てプラスの方向に進んでいるように見えるからです。

環境としては、個人クリエイター向きの環境が整いつつあると私は感じています。
また、仮想通貨市場、NFT市場は当然まだまだ黎明期であり様々な事件が起きたり、革新的なサービスが生まれたりするでしょう。

冒頭で申し上げた、「NFT」のどこに価値があるのか
「NFT」であることの価値は移り変わってきたことが伝わっていたなら幸いです。
例えば「紙」も昔は高級品でそれ自体に価値がありました。
今はその「紙」に何を印刷するか、どんな意味を持たせるかで「紙」の価値が変わるような感覚です。

既にNFTクリエイターとして活動されている方にとっては振り返り、
これからの参入を考えていらっしゃる方にとっては概要把握にお役立ていただけますと幸いです。


Xをフォローしていただけると大変励みになります!
・妻:MAcci
・私:Kroco


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?