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心理学検定キーワード第2章【学習・認知・知覚】2.19(言語(文字・単語・文章))の理解★★

日本語の美しさ、今一度感じたい

日本語は3つあります

日本固有の大和言葉

中国から来た漢字

そして外来語

それぞれが織り交ざって現在の日本語が構成されています。

柔らかく美しい響きの大和言葉

強く、硬い印象の漢字

新しさを印象付ける外来語

といった特徴があります。

古来からある大和言葉で美しさを感じるのは

その表現方法ではないでしょうか

例えば

天気が良く晴れているにも関わらず、雨が降っていることを

天泣(てんきゅう)と表現します。

狐の嫁入りと表現したりもしますね。

後は

逆鱗とかどうでしょうか

鱗は竜のうろこで、一枚だけ逆さにはえているもので普段おとなしい竜がそのうろこに触ってしまうとひとたび怒り狂うという意味の表現ですね。

そんな言葉、日本語にしかありません。


はなしが無茶苦茶長くなってしまいましたが

本日の内容は言葉の理解です。

言葉というものを細かく要素に分けて、理解していきましょう

それではまとめの方はじめていくぅー


→言語の最小単位である文字について

文字というのは

言葉を伝達するための書き言葉の最小単位です。

日本語で使う文字は

・アルファベット

・仮名

・漢字

・数字

になります。

それぞれに文字の特徴がありますので説明しますと


アルファベット仮名

音素、音節という音韻情報をもっている為

表音文字といわれます


漢字は1つの文字が語、その要素である形態素に対応している為

表語文字といわれます。

ここで、形態素って何?ってことですが

形態素とは意味を持った最小の言語単位のことをいいます。

「お饅頭」という単語で

「お」は接頭辞ですよね。これを単独で用いることはありません

必ず他の言葉とくっつけてつかいます。ですので

「お饅頭」の「お」

拘束形態素といいます。

一方「饅頭」のほうは単独でも用いられる形態素で

自由形態素といいます。


アラビア数字や数学の記号は、意味は決まっているけど読み方は特にきまっていないものですので

そういったものは表意文字といいます。


→単語優位性効果について

以前にも説明したことがあるような記憶があるのですが

改めて。

これは視覚的な認知過程における広い意味での文脈効果

例えば

単語を習慣的に表示して文字のDとKの2択どちらが存在するかどうかを聞いた場合に

・ORWD(特に意味のない文字の羅列)

・WORD(意味のある単語)

では単語として意味のある方が回答率が良かったというものです。


このことから、我々の文字情報の処理は

単に文字の処理→単語の処理

というものではなく

形態的特徴の処理、文字の処理、単語の処理が相互作用しながら進む処理過程であるという事になります。


→メンタルレキシコンと語彙接近

頻出のキーワードです。

メンタルレキシコンとは心的辞書とも言われ

「脳内に記憶されていると考えられる語や形態素の集合」をいいます。

この脳内辞書から適切な語を選択していくのですが

その処理過程は語彙接近と呼ばれ

使用頻度の高い語や、具体的な意味の語の方が素早く処理されたりします。


→文字を読み進める過程

文字が集まることでできる単位は小さい順から

句→節→文となり、さらに複数の文で成り立ちます。

文章を読み進める過程ではレベルにより3つに分けて考えることができます。

①複合化

②構文解析

③談話の処理


複合化は最初のレベル

・文字の解読をして単語レベルの処理を行います。

・表記を音韻的な情報に置き換えて、メンタルレキシコン内の語との照合を行います。


構文解析が次のレベル

・文単位の処理のレベルです

・単語や形態素情報をもとに統語的な処理が行われる


談話の処理が最後のレベル

・文章全体についての処理を行う


談話の処理についてはさらに複数のレベルに分けられます。

連結関係 →最初のレベル。接続詞や、代名詞等を使って文同士をつなげていく。

 このレベルで生成される文章全体の表象をミクロ構造といいます。

マクロ構造 →2つ目のレベル。文章全体を階層構造的にまとめる、テーマを発見して整理するなど。

さらに、文章を読み進める過程では

文章中に無い情報を自分の既有知識の中から補完して照合を行います。

このように文章外の情報が組み込まれる形で形成される文章全体に関する表象を

状況モデルと呼びます。



→本日の内容‐箇条書きまとめ

アルファベットと仮名表音文字

漢字表語文字

数字表意文字

・脳内に記憶されている語と形態素の集合をメンタルレキシコンという

・メンタルレキシコン内の適切な語が選択される処理過程を語彙接近という

・文章を読み進める最初のレベルが複合化

・文章を読み進める2つめのレベルが構文解析

・文章を読み進める3つめのレベルが談話の処理

談話の処理の最初のレベル連結関係が分析される

ミクロ構造→マクロ構造と表象のレベルが上がる

・さらに状況モデルという表象のレベルがある。


以上、本日は言語の認識でした。

次回からは脳にかかわる感覚の分野です。

第六章の神経生理の基本部分でもあるため非常に重要です。

引き続き頑張っていきましょう。


それでは、また次回!

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