2015.1.3 Posted / 鈴木親さんのインタビューを読んでから


2015.1.3 Posted

また前のポストが書き終わらないまま、作業が終わらないまま、このポストを書いている。書く書く詐欺になっている。

http://fashionpost.jp/posts/24393

何度も言っているけど、この鈴木親さんのインタビューはネットではなく紙として保存しておきたいくらいに(写真のこともよくわからない小娘だが)すごくずっと頭に残る話で。

度々、友人と「では、なぜ日本のフォトグラファーはオリジナリティがないのか?」という話をする

インタビューの中では、

“日本では、ファッションとアートと映画の人が、残念ながら全部離れています。さらに写真に絞っていうと、フォトグラファーのトップといえば、広告カメラマンということになっていますよね。つまりファッション誌は多くのフォトグラファーにとって、トップに至るまでの登竜門でしかない。ファッションでいい写真を撮ることが目標ではないから、簡単にそれっぽい写真を撮ってしまっていることが多いし、そこでオリジナリティを追求するプライドだったりモチベーションがあまりないわけです。”

と答えている。

一方、海外フォトグラファー、トップフォトグラファーがオリジナリティをどのように生み出しているのかという問いに対しては

“今トップフォトグラファーといわれる人たちは、模写のようなことを必ずやっています。(略)そうやってクラシックを理解した上で、彼らはそれぞれ自分のテイストを1ヵ所だけ入れて、独自の方法論を表現しているんです。そうするとアプローチが同じでも、違う表現になりますよね”

と答えている。

その後、もしRyanの写真を誰かがコピーしたとしたら、どうなるかという話になり、そこで

“海外なら、そもそも掲載前に編集者がはじきますが、仮に掲載に漕ぎ着けたところでそっちのほうが大変です。その人は一生かけて、Ryan のコピーと言われ続けてしまう。" そして、海外フォトグラファーは写真のテイストがはっきりしているという流れでは "若い時にある程度認められたら、その芸風で一生やっていくというのが海外。それらの芸風をコピーしてそのまま雑誌に出すのが日本。"と。

このあたりの答えで、私自身「なんで日本のフォトグラファーはオリジナリティがないんだ?彼らのせいだけでなく、日本の雑誌とか編集側にも問題があるのでは?」と思った。

以前にも海外雑誌と日本雑誌の違い、とフォトグラファーについて少し言及したが(http://k-yoshiko.tumblr.com/post/94307664162)

海外雑誌の 次号のテーマはこれです、応募お待ちしております。しかし、撮影の経費は自費でね。というsubmission形式がこの疑問に結びついているような気がして。

先ほどの”海外なら、そもそも掲載前に編集者がはじきますが、仮に掲載に漕ぎ着けたところでそっちのほうが大変です。その人は一生かけて、Ryan のコピーと言われ続けてしまう。"という答えにも、結びつきを感じないだろうか?

つまり、まず海外雑誌撮影ではフォトグラファーが主導になる、若しくはこのように応募するために雑誌の大枠テーマから自分でイメージを考え撮影する、という所から如何にオリジナリティを持たないと他フォトグラファーと競り合えないか分かる。

だからこそ逆に言えば、鈴木さんがおっしゃるように“若い時にある程度認められたら、その芸風で一生やっていくというのが海外。"という答えにもなる。

若い時にある程度そういう機会があるからこそ、その編集者側からのはじきに会わないように、自然と昔から今までの写真を見なければいけないしそこから自分のテイストを加えてみるようになるのかもしれない。

しかし、日本雑誌撮影では編集側が主導を握る、若しくは応募制ではないので(勿論ブックを見てほしいと電話するフォトグラファーもいるが)、ある程度のストーリーを固めてからフォトグラファーに投げるということもある、つまり0から他フォトグラファーを気にして自費で撮影を行う機会が(若い頃とか作品撮りはあるにしても)少ないような気がする。

凄く酷い極端な言い方をすれば、オリジナリティを持たずとも雑誌側が求めている写真やストーリーを撮ればそれでいいのである。

広告カメラマンは、「広告」という名前の通りブランド側が多額の給与を頂くからそりゃある意味「トップのフォトグラファー」になりうる

つまり、海外雑誌の編集は何百人、何千人の若手フォトグラファーからの写真を見たり弾く機会が多くあるために、コピーなんてことはすぐに見抜けるのだろうし、写真について大体の勉強も必要なのではないだろうか。

鈴木親さんが、海外なら とおっしゃっていて日本雑誌にはどういう想いを持っているのかわからないし、もしネガティヴなことを感じていても公で公開した所で敵が増えるだけだから、なんとも私の意見が正論なのか不確かだが。

やっとこれは途中でやりっぱなしにならずに書き終わる。

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