30分でタッチタイピングをマスターする練習方法を教える(ブラインドタッチ)
はじめに
この記事で紹介する練習方法は、私が実際に10名程度を相手にタッチタイピングを教えた結果、20代なら30分程度、60代でも3時間程度でマスターできた、という実績がある方法です。
私は大学生の頃、趣味で競技タイピングをしていたのですが、そのとき新しくカナ入力を覚えたり、特殊な配列を覚えたりなどする必要があったので、タッチタイピング習得方法を色々と模索し、この方法を編み出しました。
なおローマ字入力を前提として説明しますが、かな入力等でも応用できます。
タッチタイピングより速く打つのは無理
はじめにちょっとやる気が出る話を。
タッチタイピングとは、キーボードを見ずに打つことを言います。
たまに「見ながらでも速く打てる」と言う人がいますがウソです。
キーボードを見ながら打てる速度はどんなに速くてもせいぜい3~4打鍵/秒程度ですが、私はだいたい10~15打鍵/秒くらいで打てます。
つまり3~4倍のスピードで打てるわけです。
まあここまで速くなるにはかなりの訓練が必要ではありますが、6~8打鍵/秒程度であればすぐに身につきます。
つまり、「キーボードを見ながら打つ人の中でも最速の人」の2倍くらいのスピードですぐに打てるようになるわけです。
タッチタイピングなんて30分~数時間で身につくわけですから、タイピングするなら、絶対に身につけた方が良いと思います。
【意識】キーボードを絶対に見るな。ホームポジションを覚えろ
練習を始める前に意識の話です。
今から練習中は
キーボードを絶対に見ないでください。
分からないからといって、下を向いてはだめです。絶対です。
キーボードを見ないためには、下記の2つを意識すれば大丈夫です。
1.ホームポジションに指を置く
ホームポジションとは、この画像の通りに指を置く状態のことをいいます。
左の指は[A], [S], [D], [F], 右の指は[J], [K], [L], [;]に指を置くようにします。
文字を1つ打ち込んだら、必ずこの場所に指を戻してください。必ず毎回です。
実を言うと、上級者になると、このホームポジションにこだわらず文字を打てるようになるのですが、とりあえず今は気にしなくていいです。
とにかくこの形に指を戻すことを常に意識してください。
2.[F]と[J]の印を探す
「でも最初に指を置くときにキーボードを見ないといけないじゃん」
いや、そのときも見ないようにしてください。
絶対にキーボードを見ないと習慣づけるためです。
ではどうすればいいかですが、実は「左人差し指を置く[F]」と「右人差し指を置く[J]」には、印がついています。
お手元のキーボードを見てみてください(今は見ていいです)。
[F]と[J]のキーの下の方に横線型の突起がついているはずです。
ものによっては、キー中央部に丸型の突起がついていることもあります。
いずれにしても触ると分かるはずです。
キーボードに手を置くときは、必ず指の感触でこの突起を探してホームポジションに指を置くようにしてください。
キーボードは絶対に見ないように。
そうすることで、身体がキーボードの位置を空間的に覚えますし、見ないことが習慣化し当たり前になってきます。
キーボードを見てから指を置くのに比べ、1秒くらい時間短縮になるので、タッチタイピングを覚えてからも得するテクニックです。
【準備】美佳のタイプトレーナをダウンロード
次に練習用ソフトの準備についてです。
美佳のタイプトレーナ
タッチタイピングの練習には「美佳のタイプトレーナ」というソフトを使います。
めちゃくちゃシンプルで、一見するとデザインも古臭いソフトですが、これ以上に優れた機能を持つタイピングソフトは存在しない、といっていいくらい素晴らしいソフトです。無料です。
「美佳のタイプトレーナ」公式サイトに行ってダウンロードしてください。
lzhを解凍できない人はLhaplusも
美佳のタイプトレーナはlzhの圧縮形式でダウンロードされます。
しかし、この形式にはセキュリティ上の脆弱性があることから開発が終了しているため、お手持ちのパソコンではすぐに解凍できないかもしれません。
(もちろん美佳のタイプトレーナをダウンロードしたり使ったりすること自体はセキュリティ上の問題はありませんので、ご心配なく)
その場合、lzh形式を解凍するためのソフトが必要です。
色々なソフトがあるのですが、代表的なものとしてLhaplusを紹介しておきます。
窓の杜のLhaplusページからダウンロードができますので、必要な方はそちらからダウンロードして、まずはLhaplusをインストールしてください。
【練習1日目】
【Day1-1】文字を表示させて一段覚える
ソフトを起動したら、
どれかキーを押す
↓
1(ポジション練習)
↓
1(ホームポジション)
↓
で練習開始です。
[A], [S], [D], [F], [G], [H], [J], [K], [L], [;]
の真ん中の段だけ練習するモードになるので、画面に表示された通りキーボードを打っていってください。
ある程度覚えたな、と思ったら次の練習に移ります。
【Day1-2】文字を表示させずに一段覚える
ある程度覚えたと思ったら、スペースキーを押してください。
こんなふうにガイドが消えます。
この状態で再びしばらく練習してみてください。
何度もいいますが、絶対にキーボードを見ないでください。
間違ってもいいです。
「たぶんここ」と思う場所を打ってみてください。
「全然覚えられてなかったな」と思ったら、もう一度スペースキーを押して、再度ガイドが表示されるモードに戻ってもいいのですが、練習の途中でスペースキーを押してガイドの表示/非表示を繰り返すのはやめてください。
思い出せないなー
→ スペースキーぽち
→ あーこれかカチャ
→ 次のも思い出せないなー
→ スペースキーぽち
→ あーこれかカチャ
これを繰り返すと習得が遅くなります。
最初のうちは多少間違ったキーを押してもいいので、意地でも思い出して打つようにしてください。
ガイドありで練習するならガイドありでクリア(60打鍵)まで。
ガイドなしで練習するならガイドなしでクリア(60打鍵)まで練習するようにしましょう。
しばらく練習して、ほぼノーミスでクリアできるようになったら、この練習はおしまいです。
1日目はここまでやって終わりにするのがおすすめ(マスターするまでの練習時間が短くて済む)ですが、一気に進めたい人は2日目以降の分も一度にやってしまっても構いません。
ただその場合も、できれば、少し休憩するとか、他の作業をするとかして、ある程度時間をあけてから次の練習に入ると効果的です。
【練習2日目】
【Day2-1】中央段の復習
2日目です。
まずは昨日の復習をしましょう。
1(ホームポジション)を選んで、スペースキーを押し、ガイドなしでやってみてください。
昨日は完全に覚えたつもりなのに、意外と忘れていると思います。
しばらく練習して、ほぼノーミスでクリアできるようになったら、次の練習です。
【Day2-2】上一段の練習
さて今日のメインは上一段です。
2(上一段)を選んで練習開始です。
昨日同様、ガイドを表示させた状態でしばらく練習した後、スペースキーを押してガイドなしで練習します。
これもほぼノーミスでクリアできるようになったら、2日目の練習はおしまいです。
【練習3日目】
【Day3-1】中央段の復習
3日目は昨日同様にまず中央段の復習です。
もちろんガイドなし。
昨日よりも身についてきているはずです。
【Day3-2】上一段の復習
次に上一段の復習。ガイドなし。
まあまあ忘れていると思うので、これもほぼノーミスでやれるようになるまで復習です。
【Day3-3】中央+上一段の練習
3日目のメインはこれ。
中央段と上一段を合わせたもの(3番)の練習です。
中央段と上一段を別々にやれば簡単にできるのに、一度にやると難しく感じられるでしょう。
物足りなければ、一気に4日目まで進んでも構いません。
【練習4日目】中央段の復習
【Day4-1】中央段の復習
4日目も復習から。
中央段から順にやっていきます。
【Day4-2】上一段の復習
次に上一段の復習。
【Day4-3】中央+上一段の復習
2つを組み合わせたパターンも少し復習します。
【Day4-4】下一段の練習
4日目のメインは下一段(4番)。
これまで同様、ガイドあり→ガイドなしの順で練習していきます。
ほぼノーミスになったら終わり。
【練習5日目】
【Day5-1】中央段の復習
最終5日目の復習もここから。
【Day5-2】上一段の復習
続いて上一段の復習。
【Day5-3】下一段の復習
同じく下一段も復習していきます。
【Day5-4】中央+下一段の練習
次は組み合わせ。
一気に全段はいかず、狭い範囲(5番)で少しトライします。
【Day5-5】中央+上一段+下一段の練習
最後に三段全部の組み合わせ(6番)。
これが問題なくできるようになれば卒業です。
お疲れ様でした。
【注意】遅さに我慢する
さてタッチタイピングをマスターした後にとても重要なポイントをお教えします。
それは日常でも我慢してタッチタイピングをすることです。
「何を当たり前のことを」
「そんなこと分かってるよ。何度も聞いたよ」
いえいえ、練習でキーボードを見ないことと、日常でキーボードを見ないことは別なんです。
あなたは今までキーボードを見ながら文章を打っていたと思います。
そのスピードはそれなりだったはず。
タッチタイピングを覚えたばかりのスピードは、見ながら打つより遅いです。
キーボードと画面を交互に見るのに比べ、画面だけを見たままでキーボードを打つと、速く打てていないかのような錯覚を起こすので、なおさら遅く感じるはずです。
だからついついキーボードを見たくなってしまうんですね。
ここで我慢できずにキーボードを見てしまうと、いつまで経っても上達できません。非常に成長が遅くなります。
とにかく我慢してタッチタイピングするようにください。
【速度アップ】手っ取り早いタイプウェル
日常タイピングをする中で、キーボードを見たくならないためには、さっさとタッチタイピングのスピードを上げてしまうのが効果的です。
タイピングソフトで遊んでスピードを上げてしまいましょう。
たぶん数時間と経たないうちに、今まで見ながら打っていたスピードを超えられると思います。
美佳のタイプトレーナでも「ローマ字単語練習」などでスピードアップの練習はできなくはないのですが、あまり楽しく遊べるデザインにはなっていないので、他のものを使う方がおすすめです。
何を使って遊んでも構いませんが、個人的にはタイプウェルが好きです。これも無料で使えます。
タイプウェル公式サイト「GANGAS」(現在は閉鎖)のミラーサイト
最下部の「概要・ダウンロード」
↓
「TWJR223.lzh」を右クリックして保存
※一番上にある「タイプウェル憲法」と間違えないように
極めて遅いタイピングスピードから、とてつもなく速いタイピングスピードまで(人類に不可能なレベルまで)、細かくレベル表示が分かれており、上達が実感しやすいのがポイント。
単語と単語の間にスペースを打つ仕様になっているので、現実のタイピングに近く、練習しやすいところも強みです。
ぜひ一度使ってみてください。
楽しく練習できると思います。
今回は以上です。
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