私と元同僚のお付き合いに関するあれやそれや

ちまちまと書き溜めていたこれ。
前置きが随分長いし、それからも長い。

元同僚と恋人となるまで、私はずっと宙ぶらりんだった。
セフレとは認めてもらえず、体の関係がある以上お互いの認識として友達とも言えず、かといって恋人なんていう甘い関係には至らない。

まだ30になる前に離婚し、早く次をみつけよう?前を向こう?と頻繁に男性を紹介されていた。
私はまだ元同僚を好きになる前、自覚する前の話。
たった2ヶ月で15人の男性を紹介されて、その全てを元夫そして元同僚と比べお断りした。
元同僚を好きになってからは頻度は減ったものの、そもそもの紹介の質が変わった。
結婚適齢期、所謂ハイクラスな人、そんな人と何度か人を交えながら食事に行く。
冷静な頭では『こういう人と愛される側として共に生きた方が良いのだろうな』と思っていた。
ハイスペック男性とお見合いなる席が設けられ、その全てが箔押ししたかのようなもので。
お断りするにも相手が格上過ぎて断りきれない知り合いたちが組んだもの。
何故私のか、何でこんなことになったのか、そんな事は私が知りたい。

ここで私のスペックを。
☆☆☆☆
学歴:底辺
家庭:最悪
結婚歴:バツイチ子無し
傷跡:左腕丸1本、右太腿、首筋、腹部、その他にも様々な箇所に大小の傷あり
病歴、病的な懸念:精神疾患有(現時点の医学で寛解不可)、血筋的に癌家系であり特に女性特有の疾患は母方がコンプリート、妊娠能力は限りなく低い(治療で何とかはなるやもしれない)
☆☆☆☆
上記を見れば私のスペックがどれだけ低いか分かってもらえると思う。
好き好んでこんな悪条件な女を選ぶ男の気が知れない、そんなことを考えてしまうくらいには私のスペックや来歴はクソ。
ただ、彼等が見ているのはそこでは無かった。
☆☆☆☆
顔面等の見た目:低身長ではあるものの手足の長さでカバー、乳は体重からすると平均より大きい、尻もデカい、顔は純日本人顔、ある人たち曰くバランスが神がかって良く生まれた。
個人的なスキル:英語(ネイティブとゆっくりなら会話可、ビジネスのメールは得意)、コミュニケーション能力、日本人特有の察してもてなすのずば抜け、仕事関連においての正確さと決断能力、ある種の柔軟性
☆☆☆☆
これらが彼等には大層、魅力的に見えるらしい。
言葉は違えども同じようなことを皆で言ってくるのだから私がどう思おうとそうなんだろう。
ある程度の見栄えのする女を連れたい、海外交流の機会も多い、家庭の事情などはそれなりの家に養女とすれば解決、傷跡なんぞ露出しなければなんの問題にもならない。
海外の人たちにとって未だに『着物』というものが美しく見えているのが謎だけれど、私がアメリカに対してジャンクフード!、カナダに対してサーモン!メープル!、中国に対して北京ダック!、ドイツはビールだろ!と思っているのと同じなんだろう。
あと挙げるとすれば家庭的、と答えられた。
家庭的な女がタイプの俺一目惚れ的なノリなのかと思いきや、自分に足りていないものを求めていらっしゃった。

私は運が良かったんだろうと思う。
そういった人たちと近しい人が親代わりとして存在していて、尚且つ上手い具合にマッチングした。
それだけの話。
私が努力や環境で身に付けたものがその人たちにとって魅力的に映っただけ。
そこに私の性格や気持ちは反映されない。
見た目もスキルも全部、後付けのハードディスクみたいなもんだろう。
それを見て私を彼女や妻にしても、きっと性格面で破綻が見えているのに。
ある種とてもビジネスライクではあるんだろうね、自分のメリットや会社へのメリットを考えるという点では。
私が得られるものは『生活面での安定』だけだけれど。
金銭面での不安はなくなるし、社会的地位もグンと向上する、でもそこに私の求めているものは何一つとして存在していない。
それが分からない相手と私は今後を共にすることなんて出来ないと思った。

元同僚は今までの私の人生で好きにならないはずの人だ。
まず私はギャンブルが嫌いだし、下品というか汚いことをする人が苦手。
友達としてならいくらでも楽しく過ごせるのに、そういう相手に好意を向けられてしまうと本気で吐き気を催すくらいには嫌っていた。
元同僚はその点、ギャンブルも好きだったし下品寄り。
私は元同僚に惚れていると気が付いた時、愕然としたことを覚えている。
私が、こんな人に、惚れている…?
そんな気持ちで元同僚を眺めた。
でも、苦手なはずの元同僚の全てを今では当たり前の事として受け入れ、愛している。
最初はどうなの?と思っていたことですら愛おしく思えていると気が付いた時、私は恋ではなく元同僚を愛してしまったんだなぁと苦しくなった。
恋なら失っても泣くだけで済んだろうに、愛してしまったら泣くだけなんてとんでもない。

元同僚はそんなハイスペックたちに比べると、収入面は恐らく一生涯越えられない。
社会的地位なんてもんはクソ喰らえレベルだ。
それでも人には迷惑を掛けず生きていける。
ギャンブルも好きだし、下品で汚いことも平気でしてしまう、でも私の求めるものを確定で提供してくれる。
私が欲しいのはずっと『寄り添ってくれる相手』だから。
楽しいも嬉しいも辛いも悲しいも腹立たしいも、全部完璧でなくていいから寄り添って欲しい。
苦労をしてもいい、泣くことがあってもいい、でもその全てを共に出来る人が良い。
結婚式の誓いの言葉を違えない人と言えば理解され易いかもしれない。
私にとっての元同僚は確定でそういう人。


と、ここまでが前置き。
表題はこれから。

私が他の男にとっても需要があって、それがどうしたって自分よりも良い条件なことを知った元同僚。
私が望まなくてもそういった人たちは『恋人』ではなく『好きな人』というだけなら構わずに湧いてきた。
中には婚外恋愛をしてくれて構わないという猛者もいた。
元同僚と関係を持ったままでも構わない、ただ必要な時に妻としての振る舞いをと請われたのは驚いた。
そんな私を間近で見た元同僚は次第に考えを改めるに至ったらしい。

『誰が来ても元同僚がいいと言う私』
『何も求めない私』
元同僚はいつか断り切れなくなる日が来ると思っていたようで。
好きな人がいる、まるで恋人のように過ごし振舞っている、でも私は頑なに『恋人のような人がいる』ではなく『好きな人がいる』と告げる。
元同僚には分からなかったらしいけれど、私からするとこの関係にはずっと名前なんてつかないと思っていたから当たり前だ。
セフレと呼ぶことも出来ず、友達ですらいられず、彼女なんていう立場にもなれず。
私が他者へ言えるのは『とても素敵な好きな人がいる』ということくらいだろうに。

いつか私を置いて帰るのだと思っていた。
それが地元なのか、元の家族のところへなのか、そんなのは知らない。知りたくもなかった。
だから私はいつだって身を引けて、自分が1番傷つかない立ち位置を望んだ。
それが私にとっては『非公認なセフレ』だった。
元同僚がどれだけ拒んでも私はセフレという立場から踏み出さなかったし、外でも同じことを貫いた。
頑な過ぎる私を見て元同僚は危機感と共に気付いたらしい。
『元同僚が言わなければこのままになる』
私が誰を紹介されることも口を出せず、私が他の男に行くことを止められもせず、あまつさえ私の愛が他に向くなんてと。
そう気が付いたらしい。
元同僚は少しずつ、小出しに私にアピールしていたと今になって聞いた。
告白なんてものはしたことが無いしする必要もなかったせいで行動に迷う元同僚、そんな行動を見てはセフレ任期満了しなきゃいけないんじゃないかなと察しの悪い私。
壊滅的過ぎて今思うと笑ってしまう。
好かれているとは思っていても、大切にされているとは思っていても、これから先を共に見る女とそう思われているなんて思ってもなかったんだから。

元同僚が言わなきゃいけないと決意したのは、ストーカー化しかけた店のお客さんを目の当たりにしたことと、元同僚が一緒に住む程度には大好きな同居人イケメンくんへの嫉妬。
どちらも元同僚からすると青天の霹靂だったようで、それを聞いた私は笑うしかなかった。
今までどこか現実味の無かったあれもこれもが、急に現実味を帯びた。
嫉妬なんてして来なかった元同僚は疑問符を大量に抱え、何故か弱り、確信に至るまでに数日を要したのだと言う。
そしてそんな胸の内を吐露され、私はまさかまさかと笑って流そうにもそんな空気では無いし、内心ではただただフィーバー!!と盛り上がっていただなんて口が裂けても言えない。
元同僚が初めて持つ感情を貰えて、初めての告白相手として私を選んだなんて、幸せでしかないじゃない??

何故他といられると嫌な気持ちになるのか。
何故笑っていて欲しくなったのか。
何故俺だけにしてくれよと思ってしまうのか。
そんなことに気が付くのに元同僚は1年と少しを必要としたらしい。
イケメンくんとのことで悩んだ日数は9日間。
でもまぁ、その前には形にしてきたんですけどね。
気付く前に手に入れている辺りがとても元同僚らしい。
そして気が付いてからの元同僚は嫉妬というか独占欲を隠さなくなった。
気が付いた時がタイミングとばかりに。
なんて笑ってしまうようなことが立て続けに起こって私は内心パニックだったなんてね。

これが私たち2人のお付き合いに至るまでのあれやそれやで。
本当に色々な事が起こり、沢山の時間を共にした。
何度も苦しんで、何度も悩んで、ほぼほぼずっと逃げたくて仕方なかった。
関係が変わったからといって私たちの間で何かが大きく変化したことは無い。
飲みの後でもちゃんと連絡を入れるようになったこととか、彼氏・彼女がいますと公言するようになったとか、そんなことくらい。
それはまた別で書くつもりで下書きに鎮座しているので、また今度として。
何にも定義してもらえなかった私が、今こうして元同僚の彼女として定義されたことがとても嬉しい。

私は恋愛面においてとても鈍い。
相手の気持ちやら何やらの機微は察せられない。
言われたこと、してもらったことが全て。
そんな性格だからこそ、私には間接的でなくちゃんとしようと言わねばなるまいと元同僚は思ったとのこと。
今でも鮮明に思い出せる、少し口ごもってグラスばかり見ている元同僚。
私の答えが分かっていても初めての告白(でも告白だなんて思えないくらい訳分からなかったよ…)に不安があったらしい元同僚。
私は即答することは出来ず、そうしたいと思うの?元同僚はそれでいいの?私のことそうするレベルで好いてるの?なんて聞いてしまった私。
トイレへ逃げ、戸惑いからタオルを口元に押し当て叫び、元同僚曰く真っ赤な顔なのに泣きそうな顔で問う私。
そんな私と元同僚がお付き合いに至るまでの経緯でしたとさ。

恋人らしくなれたのは2022年の11月末くらいから。
なんでそんなことを書くかというと私が見返した時に分かりやすいようにです!!!
恋人らしくなっていく話しやらはまた今度。
私はこの時の元同僚を絶対に忘れたくなくて、この記事を書いています。
関係が明確に、ちゃんとする前に愛してしまって、失うばかりだと思っていた私。
もっと楽に構えていなよ、なんて口が裂けても言わない。
あの時もこの時も辛くて苦しくて、でもしあわせだったからね。

これから先もそうでいたい。
いついつまでも元同僚の隣で苦労をしながら、時には溜息を吐きながら。
最後には一緒にいれたことが幸せだったと言いたいし、そう言ってもらえればいいなと思う。
私たちはもう若くなくて、だからこそ先を見据えて生きなければならない。
そんな2人の共通認識を鑑みた上で、私たちはこれから先、長く長くいるんだろうと思うから。
問題は山積していて、それでも過剰に不安になることなくいられる今が得難い日々だとそう思っているよ。


私と元同僚の恋人になるまでのあれやそれや。
いつか見る私が笑って見れればいい。
長い前置きも、詰め込んだ気持ちも、その時に感じているであろう元同僚への愛情も、全部引っ括めて大事にしてくださいな。




PS:欲張りになった私の願いがどうか叶いますように。





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