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J2第26節 vs水戸ホーリーホック 〜コンディション調整の難しさ〜


アウェイ水戸といえば牛乳。美味しい。

そして車遠征だと地味に遠い。


1.試合情報

2021年8月22日(日) 19:03 KickOff
ケーズデンキスタジアム水戸
明治安田生命J2リーグ 第26節
水戸ホーリーホック 0-2 京都サンガ
得点者:ピーターウタカ(13分・京都)、松田天馬(47分・京都)


【スタメン】


【選手交代】
◆水戸
61分:村田航一→黒石貴哉、松崎快→藤尾翔太
69分:伊藤涼太郎→森勇人、中山仁斗→金久保順
77分:鈴木喜丈→細川淳矢

◆京都
46分:荻原拓也→本多勇喜、武富孝介→荒木大吾
69分:ピーターウタカ→イスマイラ
77分:川崎颯太→福岡慎平
86分:松田天馬→白井康介



2.コンディション不良

見ていて体力的に非常に重たいゲームのように感じられた。

前節のアウェイゲーム(vs松本山雅FC)が延期に。天候不順だけでなく未だコロナによる試合の延期も発生しており今後もこのような事が起こりうる。ただ今回ばかりはやや特殊だったか。

オリンピックによる3週間の中断期間

8月9日(月)ホームゲーム(vs町田ゼルビア)

8月18日(水)ミッドウィークの天皇杯(vs浦和レッズ)

8月22日(日)アウェイゲーム(vs水戸ホーリーホック)

天皇杯はリーグ戦での出場時間が長いメンバーはほとんど試合から外れていた。1試合延期になったことで3週間の中断→1試合消化後さらに2週間試合がなく、それがコンディションに影響を及ぼしたと考えられる。


「公式戦を1週間経験していない選手が いたためゲーム体力が少し落ち気味だった」
「(ウタカについて)2週間空いての出場でし たので、ゲームコンディションという意味では重そうなところはありました」(曺貴裁監督)
「ゲーム体力やコンディションの部分で難しいところがありました」(飯田貴敬)


時折1週間空く程度なら疲労回復等のコンディション調整が可能になるが、ここまで試合が空いてしまうとゲーム感覚が鈍ったり(試合のテンションで)90分走りきるための体力が落ちてしまう。

いくらプロが今日どの高い練習をしても、紅白戦や練習試合をこなしても、この部分だけはどうにもできないものがある。

「試合に入ってから若干こちらのプレスの強度や速さの部分で重たさを感じていて、いつもならもう1~2歩踏み込めると ころが踏み込めませんでした」(飯田貴敬)

ゲーム体力が落ちると、あと一歩が出なかったりいつもの強度でできずにやられてしまう部分が出てきてもおかしくない。

「上手くいっている時間帯と上手くいっていない時間帯があった中で、チームとしては最後まで我慢できた試合だったと思います」(松田天馬)

 

中には(川崎や三沢ら)浦和戦に出場したことでコンディションを保てた選手はいたものの全体で見るといつも通りとはいかず、キャプテンの言うように最後までよく我慢した試合だったと思う。



3.ワンチャンスのゴールとストームによる活性化

◆前半
水戸は京都のボール保持に対して前線及び中盤の形を変えながら人を捕まえるプレスを仕掛けてきた。最終ラインを高い位置に設定し、SBも高い位置まで出てきて守備をしていた。下がる時は潔く442でブロックを敷いて京都の攻撃をシャットアウト。

ディティールは違えど京都がやりたいことをやられたと言えばわかりやすいだろうか。


前半は2CBのところで既に水戸のプレッシャーを受けてボールを動かせず良いシーンは0に等しかった。だが相手のクリアボールを京都の中盤が回収し、飯田→ウタカのJ1級のゴールで先制に成功。


1点リードしたことで後ろに構えてしまったこともあり451ブロックを作って凌ぐ時間が増える。
奪う位置も低くなり、奪ってからなんとかカウンターに繋げようという気持ちこそ見えたものの前への推進力は見せることができず消化不良の前半。


◆後半
攻守において相手に消されてた荻原、攻撃面で違いを作れず守備面でも強度の足りなかった武富をハーフタイムで交代。
442に布陣を変更し三沢を前線に上げて荒木を中盤の左に入れた。

この三沢と荒木が前線から厳しくプレッシャーをかけ続けたことで後半はかなり持ち直した。
前で制限がかかるので、強度の高い中盤(武田、川崎)や松田がそれに連動し高い位置での守備から速攻に繋げ多くのチャンスを作れた。

その分後ろにかかる負担も大きく元々重たげだった最終ラインは時間が進むにつれて忙しくなったが、それでもある意味京都らしい戦いができた後半になったと言えよう。


全体が連動していたかと言えばそうでもなく、前の選手がすごく頑張っていた印象が強い。1人2人でも奪いきる力はあるが、組織としての連動性は次節の課題。



その後出てきたイスマイラ、福岡も惜しいシュートを放つなど攻守に躍動感もたらし、松田に変わって入った白井もきっちり試合をクローズした。

「三沢(三直人選手)が天皇杯と2試合続けて90分やりきったところと、交代の5選手がかなり流れを変えてくれた」(曺貴裁監督)





4.三沢直人の存在

天皇杯の浦和戦(フル出場)から中3日で90分走りきった三沢。
前半の中盤に下りる武富を追い越して前線に顔を出す動きや中盤でのプレッシャーの与え方はいつも通りの良さだった。
後半の活躍は顕著だった。

攻撃では若原からのゴールキックを頭ですらしてウタカ→松田のチーム2点目を呼び込むなど、ロングボールのターゲットとしての優秀さを主に見せた。

守備では1stディフェンスとして相手の最終ラインにプレッシャーをかけ、押し込まれた場面では中盤まで下がって相手のボランチを自由にさせなかった。


シュートやゴールこそなかったものの中3日の疲れを感じさせないプレーぶりは素晴らしく、個人的にはMOM(マン・オブ・ザ・マッチ)を与えたいと思う。



5.武富に対する評価

武富はこの試合が第18節以来、およそ2ヶ月ぶりのリーグ戦出場。怪我明け後、初のリーグ戦ということでプレータイムは長くても60分かなというところで前半45分のみの出場にとどまった。


京都のボール保持時は、ゴールを決めた第3節のようにウタカとの縦関係を意識していたように思う。
水戸442ブロックの2ボランチの間やDF-MFのライン間、あるいはプレスに出て手薄になったボランチ脇でボールを引き出す動きが多く、経験とセンスは確かなものを感じた。


足りなかったのは守備強度。
京都のWG(ウイング)に求められるのは相手にプレスをかける走力だ。判断でありスピードでありスタミナである。
加齢や怪我によって全盛期のようなスピードがなくなったのは事実だが、簡単に剥がされたり不用意なファールも多く満足いくものではなかった。
2トップの一角でもやはり守備の怪しさは拭えず前半でお役御免となった。

相手のプレーを制限できないと後方の守備に繋がらないため特にウイングの守備は重要だ。最低限の守備で許されるのはウタカくらいだ。


実力は誰もが認めるところなので使いたいが、使い方が難しいというのがこの試合を見ての正直な感想。コンディションが上がってハードワークできれば今後のスタメンもありうるだろうけれど。





6.最後に

次節ヴェルディ戦は中盤の3人が相手を上回れかがポイントになる。
プレッシングへの参加・後方のカバーリングともに貢献度の高い右SBの飯田と圧倒的なボール奪取を誇るアンカーの川崎が出場停止になる。

ある程度ボールを握られることが予想されるが、その中で前線のプレスに連動できるか、あるいは我慢してスペースを消せるか、中盤3枚の出来が勝負を分けることになるかもしれない。


分からん。



今回は三沢age、武富sageみたいになりましたがこれも期待感の現れだと思ってください。


長くなりましたが最後まで読んでくださったみなさんありがとうございました。


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